約4割の社員が自身を「埋もれ人材」と認識 Thinkings調査
Thinkings(シンギングス)株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:瀧澤暁)は社内におけるキャリア開拓や社内公募の取り組み、それらの課題を把握するため、ビジネスパーソンを対象とした「社内におけるキャリア開拓に関するアンケート調査」を実施した。
調査概要
調査名称:社内におけるキャリア開拓に関するアンケート調査
調査実施主体:Thinkings株式会社
調査対象者:調査会社のモニター登録者/ビジネスパーソン1069名(全国の従業員1000名以上の企業に勤務する一般職)
調査期間:2025年9月3日~9月5日
出典元:ビジネスパーソン1069名へのキャリアに関するアンケート調査結果 社員の約4割が“埋もれ人材” と自認(Thinkings株式会社)
「埋もれ人材」「能力発揮人材」と「静かな退職」との関係
本調査ではまずはじめに「現在の部署の業務で、自分の能力が十分に活かされていると思いますか。(単一回答)」と質問。「能力発揮人材(「活かされている(8.8%)」「どちらかと言えば活かされている(46.9%)」と回答した人)」と「埋もれ人材(「活かされていない(17.6%)」「どちらかといえば活かされていない(26.7%)」と回答した人)」とに分類した。
続いて「あなたの業務に対する姿勢として当てはまるものを1つ選んでください。(単一回答)」との質問に「期待される業務はこなそうと努力するが、それ以上の努力や関与を極力避けるようにしている(24.6%)」と回答した人を「静かな退職予備群」と位置付けた。
さらに「能力発揮人材」と「埋もれ人材」とでクロス集計を実施。結果「静かな退職予備軍」は「能力発揮人材」の12.3%)に対して「埋もれ人材」が40.8%と、3倍以上多くなった。
「埋もれ人材」のキャリアや働き方への制度導入や環境整備に遅れ
次に「あなたの勤務先にはどのような制度・環境がありますか(複数回答)」と質問したところ、「社内公募制度(43.4%)」を挙げる人が約4割になった。
クロス集計の結果「あてはまるものはない」を除く、すべての選択肢において「埋もれ人材」は「能力発揮人材」よりも回答が少ない結果となった。このことから「埋もれ人材」の勤務先は「能力発揮人材」と比べて、キャリアや働き方に関する制度導入や環境整備が進んでいない傾向があることがうかがえる。
なお、社内公募がある企業で「応募した人」は全体の約2割、「応募して異動した人」は全体の約1割だった。同社は「社内公募で異動した人には『会社への満足度が上がる』などのポジティブな変化がみられた」と分析している。
社内公募による異動「能力発揮人材」が「埋もれ人材」の約2.5倍
続いて、社内公募で異動した人の内訳についてクロス集計で分析。その結果「社内公募に応募したが、異動できなかった」人は「能力発揮人材:7.5%」に対して「埋もれ人材:12.5%」が5.0ポイント(約1.6倍)多いことが判明した。
さらに「社内公募に応募して、希望通り異動できた」人については「能力発揮人材:15.0%」が「埋もれ人材(5.9%)」より9.1ポイント(約2.5倍)多いという。
社内公募に応募しなかった理由として「能力発揮人材」は「今の部署・仕事に満足しているため(49.4%)」を多く挙げた。一方「埋もれ人材」では「希望するポジションの公募が無かった(45.9%)」が最多だった。そのほか「応募できる条件に当てはまらなかったため(27.9%)」「社内公募に応募すると上司や職場から悪く思われる懸念があるため(18.9%)」といった声も多く挙がった。
まとめ
本調査では「社内公募制度」が静かな退職を未然に防ぐ有効な手段になり得る可能性が示された。しかし「社内公募制度がある」と回答した人は全体の半数以下にとどまっており、実際に応募した人も約2割と決して多くない。さらに、社内公募制度はあっても「希望するポジションの公募がない」「応募すると悪く思われる懸念がある」など、運用面の課題も明らかになった。
「静かな退職」という働き方を選択する人の存在は、生産性や士気の低下につながる可能性がある。本調査結果で対策として有効性が示された「社内公募制度」の見直しや、導入の検討の参考にしたい。














