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令和7年度「年末調整」約6割が「法改正による負担増」を予測 弥生調査

2025.11.07

弥生株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:武藤健一郎)は、全国の従業員100名以下の企業における給与計算担当者にアンケート調査を実施。本調査は、令和7年度「年末調整」に関する意識や実務上の課題、法改正(「年収の壁」など)への対応状況、業務負担の実態を明らかにすることが目的。

調査概要

調査期間:2025年9月6日~9月8日
調査対象:従業員100名以下の企業における給与計算担当者729名
調査方法:インターネットによるアンケート調査
出典元:「令和7年度 年末調整に関する意識調査」弥生調べ

年末調整業務の工数 半数以上がソフト活用で40%以上削減を実感

年末調整業務の工数 半数以上がソフト活用で40%以上削減を実感

本調査では令和6年度分の年末調整における、申告書類の配布・回収について質問。運用方法における二極化が進行していることが明らかになった。配布・回収の手段は半数以上が「ソフト活用:52.6%(国税庁年調ソフト11.2%、人事労務・給与計算ソフト41.4%)」と回答。約4割が「紙の申告書:38.1%」と回答している。

また、ソフト利用企業の工数削減効果については、配布・回収において「40%以上削減ができた」が、全体の64%となった。

法改正による年末調整の負担 約6割が増加を予測

法改正による年末調整の負担 約6割が増加を予測

次に、年末調整業務での負担の内容について質問。「従業員からの提出状況の確認・督促(34.2%)」「従業員への各種申告書の配布(25.0%)」「各種申告書の記入(入力)内容確認(22.8%)」「最新の法令の把握(21.7%)」といった回答が上位に挙がった。

続いて「年収の壁」引き上げによる影響についてたずねた項目では「変更があることは知っているが具体的な業務影響は不明(47.6%)」が最多となった。次いで「具体的な影響を把握している(26.2%)」「対象者がいない(21.7%)」が続き、影響があり得る事業者に絞ると、約6割が「具体的な影響を把握できていない状況」であることがわかった。

また「年収の壁」引き上げによる年末調整業務の負担については、全体の61.2%が増加を予測していることが判明。内訳としては「1~2割程度増:20.5%」「2~3割程度増:17.1%」「3~4割程度増:13.4%」と、ピーク期の業務逼迫リスクが高まる見込みとなっている。一方で「前回の年末調整とほとんど変わらない:38.8%」と回答した企業も一定数存在し、対象者の少なさや事前準備の進捗が負担差に影響している可能性があるようだ。

まとめ

年末調整業務について、運用方法や法改正対象者の在籍有無によって、その課題や負担感は異なることも可視化された、本調査。「法改正による影響について、具体的に把握できていない」と回答した企業が約6割となっていたことから、想定外の負担増加が発生する可能性もある。

本調査結果からも対象者の在籍有無や、必要な対応を正確に情報収集することが肝要といえる。国税庁のホームページや手引き、リーフレットなども参照しながら準備を進めていきたい。

参考:年末調整がよくわかるページ(令和7年分)(国税庁)