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6割の企業で「人材不足」と「人材過剰」が同時発生 アビームコンサルティング調査

2025.11.10

アビームコンサルティング株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:山田貴博)は、日本の企業内における人材ミスマッチの実態を明らかにするため、人事・経営企画部門に所属する管理職500名を対象に調査を実施した。

調査概要

調査名:企業内の人材ミスマッチ実態調査
調査期間:2025年7月23日~7月25日​
調査方法:インターネット調査
調査対象者:国内企業の人事・経営企画部門に所属し、組織としての意思決定権を有する​管理職
回答者数:500名
出典元:「企業内の人材ミスマッチ実態調査」 ~人的資本経営を進化させる新たな人材マネジメントモデル~(アビームコンサルティング株式会社)

6割の企業で人材不足と過剰が同時に発生 ミスマッチは30代・40代に集中か

6割の企業で人材不足と過剰が同時に発生 ミスマッチは30代・40代に集中か

本調査では企業の約9割が「人材不足」、約6割が「人材過剰」と回答したことがあきらかになった。年齢別では30代・40代に不足が集中し、過剰は50代に加え40代でも広がっている様子がみられている。

同社はクロス集計の結果、61%の企業で「人材不足」と「人材過剰」が同時発生していると解説。いずれも発生していない企業はわずか5%にとどまるなど、構造的なミスマッチが広く浸透している実態があるとみている。

また、人材不足と過剰が同時に発生しているのは40代が最多で、次いで30代だった。さらに30代では約7割、40代でも半数以上の企業で需給のミスマッチが生じていることがわかった。

8割の企業で発生している「質」と「報酬」のミスマッチ

8割の企業で発生している「質」と「報酬」のミスマッチ

続いて、企業の約9割で職務要件に満たないアンダースペック、約8割でオーバースペック人材が発生していることが報告された。特に30代・40代の働き盛り世代のオーバースペックが多く、能力を活かしきれていない「社内の流動性の低さ」が浮き彫りになった。

また、企業の約8割で成果と報酬が一致しない「報酬ミスマッチ」も発生していることも明らかになった。特に40代・50代は報酬が成果を上回る傾向が、30代・40代では報酬が成果を下回る傾向が見られたという。同社は「ジョブ型制度の導入が進む中でも年功的な運用が残ることで、人材の滞留や配置の硬直化を招いている実態が明らかになった」と解説している。

まとめ

企業内において人材の「量」「質」「報酬」のミスマッチが多数発生している状況が明らかになった、本調査。同社は事業変革のスピードに対して、人材の配置や育成が追いついていない可能性を指摘する。

人材不足が大きな課題となっている今、職務設計や人材配置が事業や業務の実態に即しているかを見直すことが重要だといえる。「戦略的な人材マネジメント」の参考にしたい。