30代・40代の「転職して年収が上がった職種」は? エン集計
エン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役会長兼社長:越智通勝)は、ミドル世代に特化したスカウト転職サービス『ミドルの転職』と、入社後の活躍までをサポートする転職エージェント『エン エージェント』上で、転職後の年収が転職前の年収より上がった人の割合を職種別に集計した。
調査概要
調査対象:『ミドルの転職』『エン エージェント』を利用し転職した、30歳~49歳の方
調査期間:2023年1月~2025年6月
出典元:エン、30代・40代の 「転職して年収が上がった職種ランキング」発表 「替えの効かない専門性」で事業成長を牽引する人材が評価される傾向。(エン株式会社)
転職前年収600万円以上の転職で年収が上がった職種は?
同社の発表によると、転職前年収600万円以上の層では、事業の根幹を支え、変革をリードする職種が上位を占めたという。
1位は「経営・経営企画・事務企画系」で、経験者人口が少なく希少価値が高い職種。コロナ禍やAIの台頭など、事業環境が激しく変化する中で経営判断の重要性は増しており、事業の方向性を示し、舵取りを任せられる人材の市場価値が上昇している。
2位は「技術系(IT・Web・通信系)」で、AIやノーコードツールの進化により「つくる」ことの難易度が下がったことで、求められる人材像が変化しているという。開発の上流工程を理解し、プロジェクト全体を設計・推進できる人材は、事業スピードを加速させる存在として需要が急増しているようだ。
3位には「営業系」がランクインし、こちらも、顧客の課題を解決するソリューション力や、営業戦略を立案できるマネージャークラスのニーズが高まっていることが報告された。
上位に共通するポイントとして「単なる実務能力だけでなく上流の戦略立案や課題解決を担える人材が高い評価を得ている」と同社は解説した。
転職前年収800万円以上 事業の成長を直接的に加速させる職種が高評価
転職前年収800万円以上の層では、より高度で専門的な役割を担い、事業の成長を直接的に加速させる職種が上位にランクイン。
1位は「マーケティング・販促企画・商品開発系」で、中でも戦略立案を担うミドル層で年収を上げた人が多かったと同社は推測。BtoBマーケティングの難度が高まる中で、目先の施策だけでなく、データに基づいた中長期的なブランド戦略を描ける人材の需要が急増しているという。
2位から5位は転職前年収600万円以上のランキングでも共通して上位に入った職種が並び、年収帯を問わず「付加価値がつけやすく、替えが効かない」人材への需要が一貫して高いことがうかがえるランキングとなった。
まとめ
同社の発表したランキングからは、事業成長の根幹を担う「高度な専門性」がミドル人材の転職における年収アップのポイントとなっていると読み取れる。特に上位には「経営企画」や「マーケティング」がランクインしており、変化の激しい時代だからこそ、成長戦略の立案や推進ができる人材に対する需要が高まっている様子がうかがえる。
こうした人材については、採用難度がより上昇することを想定して採用活動に取り組んでいく必要があるだろう。転職する理由は給与面ばかりではないかもしれないが、仮に年収が上がらないとすれば、それだけの他の魅力を感じてもらわなければならない。自社の魅力をどのように伝えていくか、待遇面の工夫も含め、人材獲得に向けた取り組みをより充実させていくことが肝要となりそうだ。











