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静かな退職につながる「埋もれ人材」、職場に「いる」が約8割 Thinkings調査

2025.11.27

Thinkings株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:瀧澤暁)は「採用管理システムsonar ATS」において、社内公募とキャリア採用を統合するポジション管理ソリューションとして、新機能「sonar Connecter」の提供を2025年10月より開始。併せて、社内におけるキャリア開拓や社内公募の取り組み、それらの課題を把握するために「社内におけるキャリア開拓に関するアンケート調査」を実施した。第一弾のレポートでは、自身を「埋もれ人材」と自認する人が約4割となり、静かな退職との関係性などが明らかにされた。今回発表された第二弾のレポートでは、働きがいや「埋もれ人材」のキャリア実現などについての調査結果を報告している。

参考:ビジネスパーソン1069名へのキャリアに関するアンケート調査結果 社員の約4割が“埋もれ人材” と自認(Thinkings株式会社)

調査概要

調査名称:社内におけるキャリア開拓に関するアンケート調査
調査実施主体:Thinkings株式会社
調査対象者:調査会社のモニター登録者/全国の従業員1000名以上の企業に勤務する一般職1069名
調査期間:2025年9月3日~9月5日
出典元:Thinkings株式会社

自分の職場に「"埋もれ人材"がいる」約8割

自分の職場に「"埋もれ人材"がいる」約8割

本調査では「あなたの職場に、あなた以外に能力を活かしきれていない人材がいると思いますか(複数回答)」と質問。「いる」に該当する、いずれかの選択肢を回答した人は82.7%にのぼった。

また「現在の部署の業務で、自分の能力が十分に活かされていると思いますか」との質問には「活かされている(8.8%)」「どちらかと言えば活かされている(46.9%)」が合わせて55.7%に。本リリースでは、これを「能力発揮人材」と定義した。さらに「活かされていない(17.6%)」「どちらかと言えば活かされていない(26.7%)」と回答した44.3%を「埋もれ人材」と定義している。

「働きがいを感じる人」と「感じない人」

「働きがいを感じる人」と「感じない人」

次に「あなたは現在の部署の業務で、働きがいを感じていますか(単一回答)」と質問。「感じている」と「どちらかと言えば感じている」の合計は51.9%で「感じていない」と「どちらかと言えば感じていない」の合計は48.1%と、半々に分かれた。

さらに「能力発揮人材」/「埋もれ人材」のクロス集計結果をみると、働きがいを「感じている」と「どちらかと言えば感じている」の合計は「能力発揮人材:80.7%」「埋もれ人材:18.2%」となった。「自分の能力が十分に活かされている」と思えることが、働きがいの実感との相関が可視化される結果となった。

「埋もれ人材」のキャリア実現・キャリア開拓・AI普及の影響

「埋もれ人材」のキャリア実現・キャリア開拓・AI普及の影響

続いて「あなたは、新卒で入社した際に、または、転職などのキャリアチェンジをした際に、思い描いていたキャリア像をどれぐらい実現していると思いますか(単一回答)」との質問。「あまり実現できていない(28.3%)」「全く実現できていない(13.6%)」と、合計41.9%が「思い描いていたキャリアを実現できていない」と回答。「あまり実現できていない」と「全く実現できていない」の合計は「埋もれ人材:59.0%」と「能力発揮人材:29.1%」とで約2倍の開きがみられている。

さらに本調査では「あなたがご自身のキャリアを切り開こうとする際に、周囲の反応によって行動が阻害されたり、やる気を失わされたことはありますか(複数回答)」と質問。「キャリアを切り開くために行動したことがある」と回答した52.3%を母数に、「能力発揮人材」/「埋もれ人材」のクロス集計を実施した。その結果「上司に止められた・否定的な反応をされた」は「埋もれ人材:41.2%」が「能力発揮人材:27.7%」の約1.5倍に及ぶ結果となった。

また「今後のAIの普及によって、あなたのキャリアにはどのような影響があると思いますか(複数回答)」との設問で「AIを活用できる人が優遇されて、自分が必要とされなくなるという不安がある」と回答した人は「埋もれ人材:21.2%」が「能力発揮人材:13.8%」の約1.5倍となっている。一方で「特に影響があると思っていない」との回答も「埋もれ人材」が「能力発揮人材」の約1.7倍となったことが報告された。

まとめ

人材不足の課題が深刻化する中で、自社の人材を十分に活躍させられていない実態に危機感を抱く人も少なくないだろう。本調査では約8割が自社に「埋もれ人材がいる」と回答しており、自身を「埋もれ人材」と認識する人も4割に及んでいる。働きがいの実感やキャリア実現への影響もみられていることからも、こうした実態の改善は急務と言えそうだ。

「埋もれ人材」となってしまう背景には、「従業員の持つそれぞれの能力と業務とのミスマッチがある」と同社は指摘。改善策として「社員が自己の能力を正確に認識すること、さらに企業が求める人材像を具体的かつ明確に可視化することで、ポジションのミスマッチを減らすことが重要です」と提言した。

採用時はもちろんのこと、既存の従業員に対しても能力を活かせる業務とマッチングできているかの見極めは不可欠だ。定期的なヒアリングや柔軟な配置転換制度など、自社で十分な取り組みができているか、見直す際の参考にしたい。