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「人事評価制度」の有無、賃上げ・業績に2倍の差 日本人事経営研究室調査

2025.12.04

日本人事経営研究室株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:山元浩二)は、「人事評価制度」を「運用している」「運用していない」それぞれの全国の中小企業の経営者および役員100名を対象に、運用状況と企業への影響について調査した。

調査概要

エリア:全国
調査対象:「人事評価制度を運用している」経営者・役員100名、「人事評価制度を運用していない」経営者・役員100名 計200名
調査期間:2025年10月10日~10月14日
調査方法:インターネット調査
出典元:日本人事経営研究室株式会社

「人事評価制度の有無」がもたらす格差

「人事評価制度の有無」がもたらす格差

本調査ではまずはじめに、直近1年間に賃上げを実施したか質問。人事評価制度を運用している中小企業では92.0%が賃上げを実施していたのに対し、人事評価制度を運用していない企業では44.0%にとどまった。

また、直近1~2年での会社の業績について「業績が向上した」と回答したのは、人事評価制度がある中小企業では53.0%、人事評価制度がない中小企業では26.0%だった。人事評価制度の有無が、業績にも大きく影響していることが明らかになった。

このほか「社員に対する適正な評価」「離職原因の認識」「目標を持って成果を出すことへの社員の意識」「社員の育成」といった点においても人事評価制度がある企業の方が、いずれも高い割合を示している。

人事評価制度の効果と運用の障壁

人事評価制度の効果と運用の障壁

さらに本調査では、人事評価制度を運用している企業の経営層に、人事評価制度による効果について質問。回答の上位には「従業員のモチベーションが向上した(45.0%)」「昇進・昇格の実施がスムーズになった(37.0%)」「賃上げができた(36.0%)」が挙げられた。

なお、人事評価制度を導入しない理由の最多は「導入しても効果を感じにくいから(28.0%)」。次いで「他の優先事項があるから(25.0%)」「人事評価制度のノウハウを持っていないから(22.0%)」が続いた。

また、人事評価制度を運用している中小企業では82.0%が経営計画も運用していると回答した一方で、運用していない中小企業では経営計画の運用は30.0%にとどまることが判明した。

まとめ

人事評価制度の運用有無によって、企業にさまざまな格差が生まれていることが明らかになった。本調査では、人事評価制度が従業員のモチベーションアップやキャリア成長に直結し、企業全体のパフォーマンス向上に寄与している様子もみられており、運用の重要性が改めて示唆されたと言えるだろう。

同社は制度を導入していない理由として「導入しても効果を感じにくいから」がトップに挙げられた点に注目。「人事評価制度が十分に運用されていない、または間違った運用がされている可能性がある」と指摘している。

業績が向上した企業の割合だけみても、制度の有無により2倍以上の開きがあり、その影響の大きさがうかがえる。もし制度があるにも関わらず十分な効果が得られていないとすれば、運用体制を含めて見直す必要がありそうだ。