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新入社員の70%「今の会社で働き続けたい」過去最高値を記録 JMAM調査

2025.12.08

株式会社日本能率協会マネジメントセンター(所在地:東京都中央区、代表取締役社長:張士洛、以下:JMAM)が展開する企業・個人向けの教育・研修メニューを提供する人材育成支援事業部が「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2025」を実施した。本調査は2016年から開始し、今回で10回目となる。

調査概要

調査方法:インターネット調査
調査対象:2024年から2025年に入社した新入社員、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員
有効回答:2674名(新入社員1085名、上司・先輩社員1589名)
調査時期:2025年6月
出典元:「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2025」調査結果公開(株式会社日本能率協会マネジメントセンター)

「現在の会社で働き続けたい」が最高値の70%

「現在の会社で働き続けたい」が最高値の70%

本調査では「現在の会社でずっと働きたい」と回答した新入社員は調査を開始して以来、最も高い70.9%(2020年比:+21%)となったことが報告された。また、今後の働き方については「今の会社の事業の中で成長したい(73.8%)」でも上昇傾向がみられている。さらに仕事の評価について、成果・生産性よりも「何時間働いたか・何年勤続したかを考慮して評価されること」を望む声が年々増加しているという。

一方で、自律的にキャリアを開発していく意識は、年々低下。2022年では89.2%と約9割に及んでいたが、今回の調査では65.3%まで低下している。

広がる「育成疲労」とデジタルネイティブの死角とは

広がる「育成疲労」とデジタルネイティブの死角とは

続いて、希望する部署や勤務地に配属されなかった、いわゆる「配属ガチャ」について新入社員のうち48.1%が実感していることを報告。一方で、配属された新入社員に当たり外れがある、いわゆる「新人ガチャ」を感じた上司・先輩社員は67.3%だったという。また、新人指導を通じた上司・先輩社員自身の成長実感は59.7%と、2018年をピークに下降傾向にあることがわかった。同社は、「現場の『育成疲労』が垣間見える」と解説している。

併せて、新入社員の57.7%が「感情が介入する人間の指導より、生成AIの方が効率よく学べる」と回答したことも報告。新入社員がAIに順応していることがうかがえる。その一方で、新入社員が仕事において課題・不安に感じることについては「内定時~配属前」「配属1~3カ月後」「配属6~12カ月後」いずれの時期でも「パソコンやITのスキルがない」が上位5位以内に挙げられた。「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代であっても、ビジネスに必要なスキルの習得が不十分であることが可視化された。

まとめ

今の会社への定着を望む新入社員が増加傾向にある一方で、自発的なキャリア開発への意識は低下しつつあることが明らかになった、本調査。そうした中、育成の現場には上司・先輩の「育成疲労」が広がっているようだ。新入社員の育成・キャリア支援と並行して、上司・先輩へのフォロー体制の整備に取り組んでいくことの必要性が、改めて示唆されたと言えるだろう。

また、新入社員においてはビジネスに関連したパソコン操作やITスキルに不安を抱える人が多い傾向にあることもわかった。今後の育成計画の参考としたい。