「円安がマイナス」企業は約4割、望ましい為替レートと20円以上の乖離 TSR調査
株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は、12月1日~8日に「円安」に関するアンケート調査を実施。11月末「1ドル=156円前後」の為替水準が経営に「マイナス」と回答した企業が41.3%だったことを報告した。
調査概要
調査期間:2025年12月1日~8日
調査方法:インターネットによるアンケート調査
有効回答:6151社
出典元:「円安」、企業の41.3%が「経営にマイナス」 希望レートは「1ドル=133.5円」、現状と20円以上の乖離(株式会社東京商工リサーチ)
※資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義
※前回調査は2024年6月14日発表
内需型産業を中心に円安の影響が拡大 理想のレートは「1ドル=133.5円」
TSRの発表によると、円安が「マイナス」と回答した企業は、41.3%(6151社中2546社)。企業規模別の集計では、大企業が41.8%、中小企業41.3%だった。業種別では「小売業」で「マイナス」の回答が半数以上の55.7%にのぼっている。TSRは「事業規模を問わず、内需型産業を中心に円安の影響が広がっている」と解説した。一方「影響はない」との回答が多かった業種は「情報通信業(60.9%)」だった。
続いて、国内企業が適正とした為替レートについて報告。望ましい為替レートは「1ドル=133.5円」中央値「1ドル=135.0円」で、現状の為替レート「1ドル=155円前後」とは、20円以上の大幅な乖離がみられたという。5円刻みのレンジでは、最多が「120円以上125円未満(19.8%/587社)」で、以下「140円以上145円未満(17.3%/514社)」「130円以上135円未満(16.1%/480社)」「150円以上155円未満(11.0%/328社)」が続いている。
規模別でみると、最多レンジの「120円以上125円未満」は「大企業:15.0%(212社中32社)」に対し「中小企業:20.1%(2751社中555社)」と、5.1ptの差がみられたという。一方で「140円以上145円未満」では「大企業:22.1%(47社)」が「中小企業:16.9%(467社)」を5.2pt上回ったことがわかった。
まとめ
円安が長引く中、半数近くの企業が経営にマイナスの影響を感じていることが明らかになった。TSRは12月〜1月に利上げ決定の公算が高まっているとみており、長期金利が18年ぶりの高水準に上昇する中で、円安抑制の誘因となるか注目しているという。
円安が長引くことで物価高が加速され、インフレの助長へとつながることも懸念されている。日米金利差の動向や国際情勢の展開にも注目し、引き続き為替相場の動向を注視したい。










