高市首相の「労働時間規制緩和の検討指示」約6割が肯定的 エン調査
エン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役会長兼社長:越智通勝)は、運営する総合転職サイト『エン転職』上で、ユーザーを対象とした「労働時間規制緩和・残業」に関する調査を実施した。
調査概要
調査方法:インターネットによるアンケート
調査対象:『エン転職』を利用するユーザー
調査期間:2025年12月1日~2026年1月5日
有効回答数:1756名
出典元:労働時間規制緩和・残業」の意識調査。高市首相の「労働時間規制緩和」検討指示、約6割が肯定的。一方で、労働時間を「増やしたい」方は1割。否定的な意見は「健康被害」「意図しない労働時間増加」の懸念。(エン株式会社)
肯定的な理由「労働時間の希望の実現」「収入増が目指せる」
同社はまずはじめに、2025年10月、高市早苗首相が上野賢一郎厚生労働大臣に対し「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討」を指示したと報じられたことについての認知度を調査。その結果「内容も含めて知っている(19%)」「概要だけ知っている(53%)」と回答した人は全体の72%となり、高い認知度が明らかになった。
また「労働時間規制緩和の検討指示」に対する印象としては、57%が「良いと思う(とても良いと思う:18%、良いと思う:39%)」と肯定的に評価。その理由としては「労働時間の希望を実現しやすくなるから(57%)」「収入の増加が目指せるから(53%)」などが多く挙げられている。
一方で”正社員(フルタイム勤務)”で勤務する人を対象に、現在よりも労働時間を増やしたいかをたずねる項目で「増やしたい(13%)」との回答は1割程度にとどまった。約半数が「現状維持をしたい(47%)」と回答したほか「減らしたい(38%)」との回答も4割近くに及んでいる。なお、現在の1カ月の労働時間については、ボリュームゾーンが「161~184時間(41%)」だった。
約3割が「規制緩和」に否定的 健康被害を懸念
「労働時間規制緩和の検討指示」に対して、「良いと思わない」と回答した27%に、その理由を質問。「健康・身体への影響への懸念(38%)」「意図しない労働時間増加への懸念(34%)」「プライベートへの影響の懸念(30%)」が上位に並んだ。
同社は本結果について、年代別での分析も実施。20代・40代以上の最多は「健康・身体への影響への懸念(20代:60%、40代以上:37%)」となった。一方で、30代は「プライベートへの影響への懸念(44%)」が最多だった。
残業代が「規定通りに支払われていない」が2割超
次に”正社員(フルタイム勤務)”で勤務する人を対象に、1カ月の残業時間を質問。その結果「残業なし(15%)」と「数分~20時間(52%)」とを合わせて、全体の67%が「20時間未満」だった。過労死ライン(※)の目安とされる月80時間を超える「81時間以上」は、3%にとどまった。
さらに、残業代の支払い状況について調査。規定通り支払われているかについて「はい(63%)」と回答した人が全体の約3分の2にとどまった。「いいえ(23%)」との回答は2割を超え「わからない(14%)」を合わせると約4人に1人が、自身の残業に対する適切な対価が支払われていない/分からないという実態が明らかになった。
※過労死ライン:健康障害のリスクが高まるとする時間外労働の「時間」を指す言葉。2~6カ月間で平均80時間を超える時間外労働をしている場合、健康障害の発症との因果関係を認めやすい目安とされている。
まとめ
労働時間規制の緩和検討について、半数を超える人が肯定的な評価を示した。労働時間を増やしたいという声は少ないものの、働く時間について自ら選択できることを評価する人が多いようだ。
否定的な意見を持つ人が抱く懸念点としては「健康被害」や「意図しない労働時間増加」といった声が目立つ。そうした中で、労働時間規制の緩和を実現するにあたっては、「単なる長時間労働の助長ではなく『本人の自由な選択』を担保することが必須」と同社は指摘している。慎重な議論が重ねられることに期待したい。













