日本の働き方はおかしいの? 世界と日本の「働き方」の違い【フランス編】
4月のこの時期といえば、各企業で入社式が執り行われ、社会人としての新たなスタートが始まる。日本にとってはごく当たり前の光景だが、世界を見てみるとどうであろうか。世界を見渡しても入社式を行う国は日本を除いてほとんどない。また、入社式だけでなく、新卒の一括採用をする国も日本を除くとほとんどない。
日本と世界の社会人1年目を比べるだけでも、「働く」環境・習慣というのはこれほどまで違うのだ。
また、日本では世界と比べると「残業が多い」「有給取得率が少ない」「労働生産性が低い」と言われるなど、あまりいい印象はない。では実際に、他の国の「働き方」とどう違うのだろうか。今特集ではシリーズ企画として世界と日本の「働く」の違いを一国ずつ比較していく。
日本の「働き方」はおかしいのだろうか。本特集では各国と日本の「働き方」の違いをシリーズを通して紹介していく。
シリーズの第一弾目は「フランス」との「働き方」の違いについて特集していく。
フランス人は仕事よりプライベートを優先
フランスといえば、仕事よりもプライベートを優先しているというイメージが非常に強い。実際に、一週間の労働時間は35時間、一年間の有給休暇が5週間と法律で決められている。また、深夜勤務や休日の労働を制限する厳しい規制が設けれられている。日本よりも短い労働時間で、且つ長い休暇が取れるのが特徴だ。
また、残業に対する意識も日本とは大きく違い、定時前に緊急の仕事が入ってきても、基本的には残業をしない。”仕事”と”プライベート”の時間を明確に分けており、ワークライフバランスがしっかり取れている。
長期間休みが取れる仕組みと”雰囲気”がある
有給取得率に目を向けると、なんとほぼ100%と驚異の取得率だ。これには、夏と冬の時期に「バカンス」という1週間~2週間の休みをとるというヨーロッパ特有の文化も影響している。
さらに、前章でも述べたが、法律で長い休暇を制定しているということも大きい。
また、これは文化の違いになるのだが、ヨーロッパなどでは有給を取得するという事に対する”罪悪感”の感情はなく、当然の”権利”と考えている。日本だと上司にお伺いを立てたり、周りの人が有給を取っていないと悪い気がしたり、周りの”空気”を気にしてしまう。結果、有給がとりづらくなり、年に数日程度しか取れないという状況が続いているのだ。
女性の社会進出も世界トップクラス
一方で女性の働き方についてはどうだろうか。フランス人の女性の就業率は85%を超えており、世界トップの就業率を誇る。日本も女性の就業率が70%に迫るなど、女性の社会進出が年々増えているが、フランスのほうが進んでいるのが特徴だ。
また、子育て世代の女性の多くが働いているのも特徴のひとつに挙げられる。そもそもの労働時間の短さ(週35時間)というのも要因のひとつだが、休みやすい環境や勤務時間をフルタイムから時短勤務へと簡単に切り替えることもできる。また、ベビーシッターや家事代行を雇った場合、税金の控除が受けられるなど、社会全体で働きやすい環境が整っているのだ。
まとめ
フランスと比較をしてみるとまだまだワークライフバランスが取れていない日本だが、今年度より「働き方改革関連法」が施工され、5日間の有給休暇を取ることが義務化された。また長時間労働の是正も少しずつだが進んできており、日本も変わろうとしている。
日本はフランスと比べても労働生産性が低いので、労働時間の長さは生産性に結び付いていないという事が分かる。もちろん、働く時間が短くなれば”正解”などという単純なことではないが、メリハリをつけた働き方は見習うべき部分だと思う。
みなさんはフランスの「働き方」についてどう思われたでしょうか? 今回はフランスと日本の「働き方」の違いについてを紹介したが、今後も日本の「働き方」をよくしていくために、採り入れていける部分や参考にできる部分をシリーズを通して紹介していく。