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お役立ちコンテンツ「ビジネスメール・手紙の挨拶文例」 ~8月のあいさつ~

2020.08.17

 日本各地で本格的な夏を迎える8月。お盆といった伝統行事や夏休みなどがあるため、企業でもメールや手紙にて取引先とやり取りを行う機会もあるだろう。ビジネスシーンでは、送る相手や利用するツールによってどのような表現を用いたら良いのか悩むこともあるかもしれない。

 今回は、8月に送るメールや手紙に添える時候の挨拶と結びの言葉を、フォーマルとカジュアルなシーンに分けて紹介する。相手との関係性や送るシーン、利用するツールによって適切に使い分け、活用してほしい。

目次

●【メール】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉
●【メール】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉
●【手紙】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉
●【手紙】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉
●まとめ

【メール】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉

 日本の8月は、最も暑さの厳しい時期から、次第に秋めいて季節の移ろいを感じられる時期へと変化していく。時候の挨拶では、季節の変化に合わせた言葉を選ぶと好印象を与えられるだろう。まずは、フォーマルなビジネスシーンで使うメールの文頭・文末表現を紹介する。

時候の挨拶
 フォーマルなシーンでは「〇〇の候」「〇〇のみぎり」といった漢語調の挨拶が相応しい。時候の挨拶の後には、相手の繁栄や健康を喜ぶ言葉を繋げるのが一般的だ。送る時期や相手の住む地域の気候に合わせた表現を心がけよう。

・盛夏/盛暑/大暑の候(みぎり)、貴社いよいよご盛栄のこととお喜び申し上げます。(8月上旬)
・立秋の候(みぎり)、貴社におかれましてはますますご健勝のことと、お喜び申し上げます。(8月中旬)
・晩夏の候(みぎり)、貴社におかれましては一段とご隆盛の由、大慶の至りと存じます。(8月中旬)
・残暑/処暑の候(みぎり)、〇〇様におかれましては一層ご清祥のこととお慶び申し上げます。(8月下旬~)

結びの言葉
 文末では、文頭表現との重複に注意しながら、相手のさらなる発展を願う表現等を添えよう。丁寧に文を結ぶことで、礼節を感じられる文章にまとまるだろう。

・残暑なお厳しき折、貴社ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
・晩夏のみぎり、皆様のご無事息災をお祈り申し上げます。
・秋暑の折柄、ご自愛専一に精励ください。
・残炎耐え難い時節ではございますが、今後ともお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。

【メール】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉

 頻繁にやり取りのある顧客や親しい相手には、やや砕けた表現である口語調の時候の挨拶を用いると親密性が感じられるだろう。日頃のビジネスメールにも応用できるカジュアルな時候の挨拶と文末表現を紹介する。

時候の挨拶
 口語調の時候の挨拶では、8月らしい表現ののちに、相手の状況を気遣う一言を続けよう。

・厳しい暑さが続いておりますが、貴社におかれましては益々ご隆昌のことと存じます。
・立秋とは名ばかりの猛暑が続いておりますが、○○様におかれましては、一段とご活躍のことと拝察いたします。
・ひぐらしの声に、ゆく夏の寂しさを感じられる季節となりました。お元気でご活躍のことと存じます。
・朝夕はかすかに秋の気配を感じられるようになりました。いかがお過ごしでしょうか。
・涼しい季節が待ち遠しい今日この頃、お変わりありませんか。

結びの言葉
 ビジネスメールの文末は暑さや夏の疲れをいたわる言葉で結ぶのが一般的だが、次第に和らぐ暑さと秋に向かう喜びを表現するのも良いだろう。文章全体の雰囲気に合わせた丁寧でやわらかな表現を心がけることで、文章全体のまとまりがよくなる。

・今しばらく残暑が続きそうです。皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
・連日の猛暑により冷たいものが恋しい季節ですが、夏風邪など召されませぬようご自愛ください。
・実り多き秋に向かい、どうぞ健やかにお過ごしください。
・暑さ厳しき折、ますますのご活躍をお祈りいたします。
・新涼の朝はもうしばらく先のようです。くれぐれもご自愛ください。

【手紙】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉

 公的な文章やビジネスレターでは、昔ながらの形式に沿って改まった表現を用いるのが一般的だ。ここでは、ビジネスレターの文頭・文末表現を見ていこう。

時候の挨拶
 フォーマルな手紙を送る際は、文頭に「謹啓」「拝啓」等の頭語を置くとより改まった文章になる。頭語の後には、フォーマルシーンで送るメールの場合と同様に、漢語調の時候の挨拶を続けよう。

・謹啓 残暑の候(みぎり)、貴社におかれましては一段とご隆盛のことと、お喜び申し上げます。(謹言)
・謹呈 立秋の候(みぎり)、○○様におかれましては、なお一層ご健勝のことと拝察いたします。(謹白)
・恭啓 新涼の候(みぎり)、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。(敬白)
・拝啓 向秋の候(みぎり)、貴社ますますご繁盛の段、大慶至極に存じます。(敬具)
・拝呈 晩夏の候(みぎり)、いよいよご清祥のこととお喜び申し上げます。(敬白)

結びの言葉
 連日の暑さにより体調を崩しやすい季節柄、文末は相手の健康や繁栄を祈る言葉で結ぶとよいだろう。文頭に頭語を置いた場合は、頭語に応じた結語で結ぶことに注意しよう。

・(謹啓)暁夏の折、貴社ますますのご繁盛を心よりお祈り申し上げます。 謹言
・(謹呈)秋暑の候、〇〇様のより一層のご活躍を祈念いたします。 謹白
・(恭啓)残暑の折、末筆ながら、皆様の益々のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。 敬白
・(啓上)何とぞ倍旧のご高庇ご指導を賜りますよう、お願い申し上げます。 拝具 

【手紙】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉

 格式ばった雰囲気ではなく親密性が感じられる印象にしたい場合は、メールと同様に口語調の時候の挨拶や文末表現を使いたい。カジュアルなシーンに使いたい、手紙に添える文頭・文末表現を見ていこう。

時候の挨拶
 カジュアルシーンの手紙では、頭語や結語を省き、季節を表す言葉から書き始めると良い。相手の住む地域に合わせた時候の挨拶ののちに、相手の安否を尋ねる一言を添えよう。

・残暑お見舞い申し上げます。お変わりなくお過ごしでしょうか。
・立秋とは名ばかりで強い日差しが肌を射す日が続きます。いかがお過ごしでしょうか。
・吹く風に秋の気配を感じるこの頃、○○様もお元気でお過ごしのことと拝察いたします。
・夏を惜しむひぐらしの声に涼を感じる季節となりました。貴社ますますご壮健のことと存じます。
・日中の暑さは衰えを知らぬばかりですが、朝夕の風に秋の気配を感じる季節となりました。○○様におかれましては、相変わらずご活躍のことと存じます。

結びの言葉
 手紙の終わりは、文頭と同様にやわらかい表現を選ぶと良い。相手の健康を気遣う言葉や今後の厚誼・鞭撻を願う言葉を添えると、相手にも心遣いが伝わるだろう。

・残暑の時節柄、どうかご自愛専一にお過ごしください。
・まずは残暑のお見舞いを申し上げます。
・残暑なお厳しき折柄、くれぐれもご自愛下さい。

・皆様方のご無事息災を心よりお祈り申し上げます。
・貴社の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます。

まとめ

 改まったシーンで使う漢語調の挨拶から、普段のやり取りのなかでも利用できる口語調の挨拶まで、8月に使用する時候の挨拶を紹介した。長引く暑さによる体調不良や豪雨などの災害が案じられる季節だからこそ、古来より受け継がれてきた時候の挨拶を添えて相手への配慮を示したい。ツールや季節柄によって表現を使い分けることで全体の雰囲気が変わり、相手との関係性により合った文章になるのではないだろうか。

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