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企業が夏期休暇&お盆休みに入る前にやっておきたいこと 2024年版

2024.08.08

そろそろ夏季休暇やお盆休みに入る企業は多いのではないだろうか。2024年は猛暑が続き、すでに「熱中症や体調不良の社員が出ている」という声も聞こえてくる。企業としては従業員の夏バテを防ぎ、仕事に対するモチベーションを保つためにも、夏季休暇を活用したいところだ。

心身ともにリフレッシュすることで、休み明けに気持ちよく仕事を始めるためには、休暇に入る前の準備も大切。取引先への連絡をはじめ、やっておきたいことは色々ある。夏の休暇中に仕事に関するストレスをためずに過ごすには、何をしておけばよいのか? 今年の「夏季休暇・お盆休みに入る前にオフィスでやっておきたいこと」を、さまざまな角度から見ていこう。

8月中に行いたい主なバックオフィス業務
・緊急連絡体制の確認(長期期間中の事故等に備えて)
・中元贈答品のお礼状の発送
・休暇申請にかかわる業務
・従業員への夏季の健康管理指導
・(休暇中を含めた)防犯対策
・省エネ、節電の対策
・秋の防災訓練に向けた準備
・8月中・9月初旬に期限を迎える税務・労務

8月中に行うべき税務・労務
●納付期限:8月中(各都道府県の条例で定める日)
・個人事業税の納付(第1期分)
・個人の都道府県民税および市町村民税の納付(第2期分)

●納付期限:8月13日
・7月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

●納付期限:9月2日
・7月分の社会保険料の納付

●申告期限:9月2日
・3月、6月、9月、12月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告【消費税・地方消費税】
・法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告【消費税・地方消費税】
・12月決算法人の中間申告【法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税】(半期分)
・消費税の年税額が400万円超の3月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告【消費税・地方消費税】
・消費税の年税額が4800万円超の5月、6月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(4月決算法人は2カ月分)【消費税・地方消費税】
・個人事業者の当年分の消費税・地方消費税の中間申告

※詳しくは国税庁のWebサイト

社外に向けてやっておきたいこと

企業によって、夏期休暇・お盆休みの期間はさまざまだ。そのため、まとまった休みに入る際には、取引先をはじめ、社外への影響を考えることが大切。夏季休暇・お盆休みの前に、社外に向けてやっておきたいことを見ていこう。

優先して行いたいのは「情報共有」することだ。

「いつからいつまで」休みを取るのかを知らせる
仕事を進めていくうえで常に考えておきたいのは「いつもスムーズに進むとは限らない」ということ。特に夏期休暇・お盆休みなど連続した休みを取る場合は、あらかじめ社外の関係各所に「この期間は休むので連絡が遅くなる」と知らせておく必要がある。先に連絡をしておけば、「急ぎの要件でメール(チャット)を送ったのに返信がまったくない」というすれ違いも起きない。取引先からの信頼を損ねることもないだろう。

「いつからいつまで」休みになるのかを事前に知らせておこう。遅くても休みに入る1週間ほど前までには、メール・電話・FAXなどを使い、夏期休暇・お盆休みの期間を社外に確実に知らせるようにしよう。メールの件名に「●●日~▲▲日まで夏休みのお知らせ」と記載したり、ビジネス用チャットのアカウント名に「夏休みの期間」を追記しておくのも良い。文章の最初には、「私事で恐縮ではございますが」「大変勝手ながら」など、お詫びのフレーズも添えておくのがマナーだ。

自分の休み中、だれが業務を担当するかを伝える
企業によっては、全社一斉の休日ではなく、一人ひとりが希望する日に夏期休暇・お盆休みを取得できるところもあるだろう。そうした職場では、一人が休んでいるときには別の社員が代わりに業務を行うケースが多い。

取引先としては、自社の担当者の夏期休暇・お盆休みの期間だけわかっていても、誰がその間、窓口となるのかがわからないと連絡しにくい。そのため、休み中に「代わりに誰が担当となるのか」やその社員の「連絡先」を先方に伝えておくことが大切だ。

社内環境・設備のためにやっておきたいこと

日々の業務に追われていると、社内環境や設備に関することは「やろうと思っているけれど、普段はなかなかできない」ものだ。夏期休暇・お盆休みに入る前は、そうした作業を行う良い機会といえる。休み明けに心地よく業務に向かえるよう、社内環境・設備のためにやっておきたいことを見ていこう。

PCのバックアップ
長期休み明け、「ハードディスクがクラッシュしてしまった」「OSがうまく作動しない」といったPCのトラブルに遭遇した経験がある人は多い。不具合によりPCのデータが飛んでしまうと、業務に大きな影響が出る。

テレワークが浸透している昨今では、PCのメンテナンスは日ごろから行っているとは思うが、改めてPCのデータが消失しないよう、夏期休暇・お盆休みに入る前にはバックアップを取っておこう。バックアップの方法がわからない場合は、PCに詳しい社員に手順を確認すると良い。所定のセキュリティソフトやシステムのアップデートも忘れずにしておきたい。また、通常出社勤務で休みの間だけPCを持ち帰る際には、余裕をもって所定の手続きを済ませ、十分な対策をしたうえで持ち帰るようにしたい。

デスクまわりの掃除
デスクまわりが整っていると、きれいなデスクで気分良く、業務を行うことができる。現在は、フリーアドレスの企業が増えているので、デスクまわりが整っているオフィスも多いと思うが、それまでの仕事の整理や休み明けのスケジュールを確認するためにも、掃除しておくのはメリットが多い。

また、年末の大掃除をラクにするためにも、夏期休暇・お盆休みに入る前にデスク周辺の掃除をやっておくと良いだろう。特に掃除・整理しておきたいのは下記のところ。
・パソコンのキーボード
・パソコンのマウス
・電話まわり
・古くなった資料、筆記用具の整理

オフィスの掃除・整理整頓
夏場は、カビやダニなどが発生しやすい。そのため衛生上、特にオフィスをきれいにしておきたい時期だ。人事・総務部の主導のもと、夏期休暇・お盆休みに入る前にはオフィス全体の掃除や整理整頓を行おう。特に重点的に掃除・整理整頓したいのが、会社の顔である「エントランス」、衛生的に保つ必要がある「水まわり」、掃除をすることで省エネ効果がある「エアコンフィルター」、賞味期限切れの食材に注意が必要な「冷蔵庫」だ。

個別に夏期休暇・お盆休みを取る場合にやっておきたいこと

以前は全社一斉に夏季休暇・お盆休みに入る企業が多かったが、最近では働き方の多様化に伴い、社員一人ひとりが希望する時期に連休を取るという企業も増えている。そうした企業の場合、事前に特別な対応が必要だ。個別に夏期休暇・お盆休みを取る際、事前にやっておきたいことを見ていこう。

「いつからいつまで休むか」を関係者に連絡する
夏期休暇・お盆休みの期間が個々に違うため、「自分は休みだけれど、他の人は仕事」という可能性もある。休み中は「すぐにメールを返信できない」といったこともあるだろう。そのため、自身の「休暇期間」と「休暇中の緊急連絡先(電話番号・メールアドレスなど)」を社内外の関係者に伝えておこう。夏期休暇・お盆休みに入る前日に、「明日から●●日までお休みをいただきます」と一言伝えると丁寧だ。

代わりに業務をやってくれる人に引継ぎを行う
自分の夏期休暇・お盆休み中に代わりの業務を行ってくれる人が、自分の業務について詳しく知っているとは限らない。概要はわかっていても、詳細はわからない可能性がある。代わりに業務を行ってくれる人が一目見て業務を理解できるよう、業務フロー入りのわかりやすいマニュアルを作成しておこう。また相手が困らないよう、早めに「●月●日から●日まで休みを取るので、その間の引継ぎをしたい」と伝えて時間に余裕をもって丁寧に引継ぎをすることも必要だ。

自動返信メールを設定する
事前に休暇のお知らせをしていても、受け取る相手が忘れてしまう可能性もある。トラブルを避けるためにも、不在中の自動返信メールで休暇を知らせるように設定しておくと良いだろう。メールには、休暇のため不在となる旨や休暇期間、緊急時の連絡先をも入れておくとよいだろう。

休み明けの業務に備えてやっておきたいこと

夏期休暇・お盆休み明けに、業務が滞ってしまうことは避けたい。スムーズに業務を再開するためには、連休に入る前の準備が欠かせない。休み明けの業務に備えてやっておきたいことを見ていこう。

進行中の業務を片付けておく
やり残した作業があるまま夏期休暇・お盆休みに入ると、「心身ともに落ち着いて休めない」こともあるだろう。心置きなく連休を満喫できるよう、進行中の業務は出来る限り、休み前に片付けておきたい。

休み明けのToDoを書き出す
長期休み明け、「どういう業務を行えば良いか」「何の業務から始めたら良いか」など迷った経験のある人も多いだろう。スムーズに業務に移るためには、そうした迷いをなくしておきたい。夏期休暇・お盆休み前には、休み明けの作業のToDoを書き出しておこう。それによりやるべきことが整理でき、連休明けに「何をやったら良いか」と考える時間を減らすことができる。

休み明けのスケジュールを決める
連休明け、「すぐに仕事モードに戻れない」ということもあるだろう。心身を仕事モードに戻すためには、ある程度の時間が必要かもしれない。休み明けは比較的ラクな業務から始められるよう、事前にスケジュールを決めておこう。また、連休明け初日はたまったメールの返信に時間を取られがちなので、それも見越したスケジュールを組む必要がある。

まとめ

湿度が高く30度を超えることも当たり前になってきた日本の夏。疲れもたまりやすい中で仕事への意欲や生産性を保つのは難しい。仕事から離れてリフレッシュできる期間を設け、それがモチベーションアップと生産性の向上につながれば、オフィスも働く人も活性化するはずだ。気持ちよく休暇を過ごすためにも、休みの前にやるべきことは済ませておこう。