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【まとめ記事】総務人事担当者必見 日々の業務やスキルアップに役立つ資格 7選

2019.08.08

 総務人事の仕事は「人事・労務管理」「採用」「社内規定管理」「福利厚生施策」「法務業務」など範囲が広く煩雑なため、さまざまな知識やスキルが必要だ。

 人材不足が続く中、日々の業務に加えて「生産性の向上施策」や「働き方改革の施策」を求められる総務人事担当者も多いだろう。

 そこで、この特集では「どのような資格を保有することで、自身の評価やキャリアアップにおいて有利なのか」「どのような資格を勉強すれば、専門性が身につくのか」と迷っている総務人事担当者向けに、自身のスキルアップのためにも、取るべき資格を紹介する。

衛生管理者

人事・総務に携わる人が最初に狙う資格
 「衛生管理者」とは、労働安全衛生法で定められている国家資格で、「職場環境の整備や改善、社員の健康管理を効果的に行い、過重労働や労働災害を防止すること」を目的にしている。

 常時50人以上の労働者がいる職場では、事業場専属の衛生管理者を選任しなければいけない。そのため、衛生管理者を任されることの多い総務系の部署で働いている人は取得しておくと良いだろう。

 試験には第一種(全業種可)・第二種(情報通信、金融・保険、卸売小売など制限あり)があり、労働者の安全を守るための作業環境管理や健康管理に関する知識が問われる。
 

中小企業診断士

変化の激しい時代を生き抜く資格
 「中小企業診断士」とは、経営コンサルタントに関する唯一の国家資格で、ビジネスに関する幅広い知識やスキルを身に付けることができる。

 キャリアが長くなると、総務担当者が経営などにに携わる場面も出てくる。中小企業診断士の資格を取得することで、経営状態などを良好にすべく、企業の財務・労務・生産・販売など経営全般にわたって調査分析を行い、改善方法をアドバイスすることが可能だ。

 経営について横断的視野で思考できる能力は、仕事で活かすことができ、「キャリアアップ」や「転職・就職」、「独立開業」などをする場合にも非常に大きな強みとなる。国家資格だということもあり、企業からの評価も高い資格となっている。
 

キャリアコンサルタント

職業選択や能力開発に関する相談や助言をする資格
 「キャリアコンサルタント」とは、2016年より創設された国家資格で、個人の適性や経験に応じて職業設計を行ったり、キャリアプランに迷っている人に対し、1人1人の悩みや課題にそったアドバイスをしたりすることができる資格。
 キャリアコンサルティングを通じて、自分の能力や適正などに気づき、自己理解を深めることも可能だ。

 企業の人事や教育関連部門、大学のキャリアセンター、公的就業支援機関、人材紹介・人材派遣会社などの、幅広い分野で必要とされている。
 

メンタルヘルス・マネジメント検定

労災申請が増加。ストレス社会で必要とされるスキル
 ストレスや心の不調による休職者や離職者が増加している昨今、多くの企業が指導や職場改善を必要としている。ナイーブな問題だけに、適切な対処の仕方をしなければいけない。

 「メンタルヘルス・マネジメント検定」とは、働く人たちの心の不調を未然に防ぎ、活力ある職場づくりを行うために、メンタルヘルスケアの知識や対処方法の習得をめざす検定試験となっている。

 職場での役割によって3つのコースが設定されており、管理監督者ならⅡ種(ラインケアコース)、人事労務管理スタッフや経営幹部ならⅠ種(マスターコース)を取得するとよいだろう。
 

産業カウンセラー

心理学的な手法を用いて組織作りを支援していく資格
 「産業カウンセラー」とは、「メンタルヘルス対策」「キャリア開発」「職場における人間関係開発」の3つを、心理学的な手法で解決できるよう支える専門家だ。働く人や職場(組織)の話を聴くだけではなく、現場でのカウンセリングや研修なども行い、働く人と職場(組織)の両方を支援する。

 最近は、メンタルヘルスマネジメント検定とともに注目度が高まり、産業カウンセラーの採用を行う企業も増加傾向にある。人材派遣コーディネータやマネージャー職、人事担当者など、心理カウンセラー以外の人も活用できる資格となっている。

 大学院研究科において心理学または心理学隣接諸科学、人間科学、人間関係学のいずれかの専攻を修了していることが条件となっているなど、受験資格のハードルが高いのが特徴だ。
 

社会保険労務士

社会保険労務士法に基づいた国家資格
 「社会保険労務士」とは、人事・労務管理、年金の専門家として年金・医療・雇用保険などさまざまな分野で活躍できる人気資格だ。

 社会保険の加入手続や、労働保険料の計算、社内の賃金台帳作成や確定申告、労働者等の福祉の向上、労働契約や就業規則の作成などの業務を行い、採用から退職までの「労働・社会保険に関する諸問題」や「年金の相談」に応じるなど、業務の内容は広範囲となっている。

 幅広い知識が身につくので、将来の独立開業を見据えて取得する人も多い国家資格だが、試験範囲もかなり広く試験の難易度も高い難関資格となっている。
 

ビジネスキャリア検定

部門長を狙う人向けのスキル
 「ビジネスキャリア検定」とは、人事・人材開発や労務管理だけではなく、経理・財務管理、営業・マーケティング、企業法務・総務など、「自身の職務を遂行する上で必要となる知識の習得と実務能力の評価を行うこと」を目的とした検定試験だ。

 労働省が定める職業能力評価基準に準拠した資格で、8分野43試験から自分の職種に合った受験が可能なことや、2016年から人事・人材開発・労務管理分野での出題が再開されたこともあり、総務担当者の間での注目度も高まっている。

 等級はBASIC級、3級、2級、1級とあり、部門長や、ディレクター相当職を目指す方を狙う人は1級を取得するとよいだろう。
 

まとめ

 近年の働き方改革により、人事、採用、組織開発、従業員満足、教育、研修、など人事総務担当者が取り組むべき施策が増えてきた。

 社内施策を検討していくために、基礎的な知識やスキルを身につけることは必要不可欠だが、そこからもう一歩踏み込んで、社内施策の強化と自身のキャリアアップのために、資格取得にチャレンジしてみてはどうだろうか。