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【特集】 人事総務担当者必見! 社員にとって働きやすい職場にするためのオフィス環境改善方法8選

2019.09.11

 時間・人材が限られている中、いかに成果を上げていくかが多くの企業にとっての課題となっている。しかし、「業務が効率的に進まない」「生産性がなかなか上がらない」「社員のモチベーションが今ひとつ」といった悩みを抱える人事総務担当者も多いだろう。

 そうした悩みを解決する手段として、有効なのが「オフィス環境改善」だ。社員が1日の大半の時間を過ごすオフィスの環境を整えることで、大きな効果が期待できる。

 では、実際にどのようなことを行えば良いのだろうか?ここでは、オフィス環境改善方法の効果や取り組む前にやるべきこと、オフィス環境改善方法8選について見ていく。

目次

●オフィス環境改善の効果とは?
●オフィス環境改善に取り組む前にやるべきこと
●オフィス環境改善方法8選

オフィス環境改善の効果とは?

 従来はただの「空間」としてしか意識されてこなかった「オフィス」。しかし最近では、オフィス環境を整えることで、さまざまな効果が期待できることがわかってきた。オフィス環境改善の効果について見ていこう。

効果①:業務効率化や生産性の向上
 オフィス環境改善の1つ目の効果は、業務効率化や生産性の向上だ。
 仕事をしようと思っても、「狭い」「動線が悪い」オフィスでは、効率的に仕事をするのは難しい。しかし、オフィス環境を改善により、適度な広さや集中できる場所などを確保することができれば、仕事がしやすくなり、業務効率化につながる。また、社員間の交流がしやすいオフィスに変えることができれば、コミュニケーションの活発化や新しいアイデアの創出が期待できる。それにより、生産性の向上につながるだろう。

効果②:社員の満足度・モチベーションの向上
 オフィス環境改善の2つ目の効果は、社員の満足度・モチベーションの向上だ。
 社員の多くは、1日の大半をオフィスで過ごしている。「狭い」「暗い」オフィスでは、仕事に前向きになれない。しかし、オフィス環境を改善すれば、社員にとってオフィスが快適な場所になる。快適な場所で仕事をすることで、前向きな気持ちになれ、社員の満足度が増すだろう。それにより、モチベーションの向上が期待できる。

オフィス環境改善に取り組む前にやるべきこと

 事前の準備が不十分だと、オフィス環境を改善しても、その効果が十分に発揮されない可能性がある。オフィス環境改善に取り組む前にやるべきことを見ていこう。

現在のオフィス環境の問題点を把握する
 オフィス環境を改善しようと思っても、具体的に何を改善するべきかがわからないと、どういったことに取り組むべきかを決めることができない。そのため、まずやるべきなのが、「現在のオフィス環境で何が問題になっているか」を把握することだ。改善方法を考えるのは、問題点がわかった後にしよう。

社員の意見を募る
 経営者が良かれと思ってオフィス環境改善を提案しても、その内容が社員の希望とかけ離れていては、社員の満足度は上がらないだろう。そのため、会社目線だけで考えるのではなく、社員目線で考えることも重要だ。「何を不満に感じ、どうなって欲しいと思っているのか」、実際にそこで働く社員から意見を募ろう。

他社のオフィスを見学する
 オフィス環境を改善したいと思っても、具体的な方法がなかなか浮かないこともあるだろう。そうした場合、他社のオフィスを見学することで、ヒントがもらえる可能性がある。似た業種・規模の企業のオフィスだと、なおイメージがわきやすい。オフィス環境の改善に成功した企業の中には、見学を受け付けているところもあるので、探してみよう。

オフィス環境改善方法8選

 オフィス環境は、さまざまな方法で改善することができる。オフィス環境改善方法8選を、実施しやすい順に見ていこう。

方法①:空調の設定を変える
 「暑すぎる」「寒すぎる」オフィスでは、なかなか仕事に集中できなかったり、体調を崩してしまったりする可能性がある。社員にとって仕事がしやすいオフィスにするため、まずは空調の設定を変えよう。その際、温度だけでなく、「乾燥しすぎていないか」など湿度にも気を配ることが重要だ。

方法②:花や観葉植物を置く
 必要最低限のものしか置かれていないオフィスでは、社員が過度に緊張してしまう可能性がある。安らぎを適度に感じながら仕事を進めてもらうためには、花や観葉植物を置くのがおすすめだ。花や観葉植物にはリラックス効果があると言われている。また、花や観葉植物を飾るだけで、オフィスの雰囲気が明るくなるだろう。

方法③:備品を整理し、置き場を変える
 「ペンを使おうと思ったのに、色が出ない」「備品置き場がいくつかあり、物が探しにくい」といった経験のある人も多いだろう。備品の整理や置き場の変更も、オフィス環境改善方法の1つだ。「使いづらい備品」や「似たようなものが何個もある備品」は処分し、必要な備品だけを置くようにしよう。また、ハサミとノリなど「同じ作業・タイミングで使うことが多いもの」は1ヵ所にまとめると、業務効率化につながる。

方法④:プリンターやゴミ箱の場所を変える
 部署を問わずどの社員も利用することが多い、プリンターやゴミ箱。ほぼ毎日使うものだからこそ、その置き場所を変えるだけで、作業がしやすくなる効果が期待できる。社員の動線を考えた上で、時間や動きの無駄が最小限になる場所に設置し直そう。

方法⑤:照明を変える
 オフィスが「暗い」と、仕事がしづらいだけでなく、眼精疲労の原因にもなる。また、照明の色によって、人に与える効果が違ってくることが、最近の研究で明らかになった。そのため、照明を変えることも、オフィス環境改善方法の一つだ。
 青みがかった白の「昼光色」には覚醒効果が、太陽光に近い自然な明るさの「昼白色」には活気や明るさを与える効果が、オレンジがかった「電球色」にはリラックス効果があると言われている。作業に必要な明るさを十分確保した上で、集中ゾーンには「昼光色」、エントランスには「昼白色」、休憩室には「電球色」といったように、場所に応じて照明を使い分けよう。

方法⑥:デスクや椅子を買い替える
 デスクや椅子が使いづらいと、長時間の作業がしづらかったり、疲れが溜まりやすかったりするだろう。そのため、オフィス環境改善のためには、デスクや椅子の買い替えを検討することも重要だ。値段だけでなく、機能性や耐久性などを考えた上で、新しいデスクや椅子を選ぼう。

方法⑦:休憩室や交流スペースを設置する
 社員同士のコミュニケーションによって、新しいアイデアが浮かんだり、イノベーションが起こったりすることもある。そのため、コミュニケーションを取れる場所を確保することも、オフィス環境の改善を考える上では重要だ。休憩室や交流スペースなどを設置しよう。そうした場があれば、社員は仕事の合間にリフレッシュすることもできる。

方法⑧:デスクのレイアウトを変更する
 「一人で作業に没頭したいのに、集中できる場所がない」「部署ごとにデスクが仕切られていて、部署をまたいだプロジェクトが進めづらい」といった場合、デスクのレイアウトに問題がある可能性が高い。そのため、オフィス環境改善のためには、デスクのレイアウト変更も重要だ。一人作業に向いた「集中席」を作る、固定席を設けない「フリーアドレス」を導入するなど、業務に合ったレイアウトに変更しよう。

まとめ

 オフィス環境改善には、「業務効率化」「生産性向上」「社員のモチベーション向上」といった効果がある。そうした効果を高めるため、オフィス環境改善に取りかかる前には、現状のオフィスの問題点を把握したり、社員の意見を聞いたりする必要がある。
 オフィス環境改善方法は、「空調の変更」から「デスクのレイアウト変更」まで多岐に渡る。何をどう改善したいのかを考えた上で、自社に合ったオフィス環境改善方法を選択・実施してみてはどうだろうか。