掲載希望の方 オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

いまさら聞けない領収書の基礎知識!役割から発行の際のポイントまで紹介

2020.08.21

業務に関するお金を会社の経費として落とすために必要なのが領収書だ。普段何気なく受け取ったり発行したりするこの領収書について、基本的な扱い方や発行の際のルールなどをしっかり把握している人はどれくらいいるだろう。いまさら領収書についての知識を人に聞くのも気が引けるという人は多いのではないか。そこで本稿では領収書の役割や発行時に気をつけておきたいポイントなど、基礎的な知識を網羅して紹介していく。

1.領収書とは

領収書はお金のやり取りに関する書類であるため、基本的な扱い方を理解出来ていないと経費が落ちないばかりか取引先の信用を失ってしまい兼ねない。まずは領収書に関する基礎的な知識と、混同されがちなレシートとの違いをしっかりと理解しておこう。

1-1.基礎知識
領収書とは「商品やサービスに対して金銭を支払った事」を証明する公的な書類である。領収書を発行した側としても、商品やサービスの対価として確実に代金を受け取ったという証明になる書類なのだ。領収書は支払いの根拠として機能するため、これがあれば代金の過払いを未然に防ぐ事が出来る。また、本来であればどのような商品・サービスを購入した場合でも領収書を保管しておくというのが望ましい。これはもしも税務調査を受ける事になった場合、売上高の明示や経費の根拠は原則的に領収書によって証明されるためだ。領収書がなく支払いの証明が出来ないと、最悪の場合は支払い直しが命じられる事もあるので十分注意したい。

領収書は個人事業主や法人が税申告を行う際にも必要になるが、申告後も一定期間の保管が義務付けられている。法人であれば申告後7年間、個人事業主の場合は白色申告者なら5年間、青色申告者であれば7年間は領収書の保管が必要なので覚えておこう。

1-2.レシートとの違い
小売店などで買い物をした際にもらうレシートは、税法上領収書とよく似た性質を持っている。税法上、領収書の定義は「金銭または有価証券の受理を証明するために作られた受取書」である。一般的に経費を請求する際には領収書のみが有効というイメージがあるかもしれないが、支払先・発行された日付・金額や明細などが記載されているものであればレシートでも有効なのだ。また、レシートのみならず受領書や「代済」「相済」などの記載がある書類なども領収書の一環として扱われる。

なお、税務上の取引根拠として領収書が機能するためには「取引年月日」「取引金額」「取引相手の名前」「購入した品物の名前」の4つが必要である。領収書の宛名によく使われる「上様」や、ただし書きによく見られる「お品代」という表記は厳密に言えば取引根拠の書類として問題が残るのだ。その点で言えば、レシートには税務上の根拠となる項目が全て記載されているため信頼性は高いと言えるだろう。

1-3.領収証との違い
領収書によく似たものにはもうひとつ「領収証」がある。この2つの間には大きな差がなく、どちらも「商品・サービスの対価として金銭を受け取ったこと」を示すものだ。実務上はほぼ同じ扱いを受けると言って良いだろう。ただし、厳密に言えば若干の相違点は存在するのも事実だ。領収書とは「商品や金銭の受け取りの事実のみを記載」した書類である。これに対して領収証は法律上で「証券」に分類され、「金銭の受け取りを証明」するものなのだ。国税庁によるカテゴリー分けにおいては、領収書という大枠の中に領収証が組み込まれている。「領収証」は「領収書」の一部であるという認識を持っておけば良いだろう。

2.領収書を書くときのルール

ここまでは領収書に関する基本的な知識を紹介したが、実際に領収書を書くには適切な書き方を押さえておく必要がある。ここからは領収書を書くにあたってどのような点に気をつければ良いか、書き方について6つのルールを見ていこう。

2-1.日付
領収書にはまず発行した「日付」を記載する必要がある。この日付は「支払者から代金を受け取った年月日」を記さなければならない。売り掛け金の回収などで後日領収書を発行するというケースも存在するが、その場合でも日付は金銭の収受が行われた年月日を記載する必要があるので注意したい。日付の書き方は和暦・西暦でも問題ないが、数字の桁を省略して書く事はNGとされている(2018年→18年など)。また、元号の初年度にあたる場合は必ず「元年」の表記を用いる必要があるので注意しておこう。

2-2.宛名
領収書の宛名欄には支払い者に確認を取った上で、支払者の氏名や企業名を正式名称で記入する。店舗などでの買い物の場合、顧客から「宛名は上様で」と頼まれる事も多いだろう。この場合はその通り宛名欄には上様と記入して問題ない。領収書について税務上必要となる4つの要素は先に述べた通りだが、消費税法において小売業や飲食店では領収書の宛名は略称でも可とされているのだ。また、企業名を書く際に気をつけておきたいのは「まえ株」なのか「あと株」なのかという点だ。「(株)」という表記も略称にあたり、領収書に記載するには適切でないものとなるので避けておこう。

2-3.金額
領収書に記載する項目の中で、比較的注意点が多いのは「金額」についてだろう。金額欄には実際に受領した「税込み金額」を記載し、見やすいよう3桁ごとに「,」を打つようにする。これには桁数の改ざんを防止する意味合いも含んでいるので覚えておきたい。改ざん防止策としては他にも数字の頭に「¥」や「金」、数字の末尾にも「-」や「也」といった表記を加えておくのが一般的だ。領収書には税込み金額を記載する欄とは別に「内訳」という欄があるので、ここに「税抜き金額」と「消費税額」を記入する。

2-4.ただし書き
ただし書きには提供した商品やサービスの内容を書き記す必要がある。ここでも改ざんを防止する意味で、商品やサービス名の後ろには「として」という一文を付け加えておくのが望ましい。ただし書きに記載する内容は「誰が見ても用途が分かる」ものとされており、一般的には「飲食代として」「書籍代として」などがよく用いられる。これは税務調査での無用なトラブルを避けるためだ。「お品代として」という表記は意味が広すぎるため、使途不明として処理されてしまう可能性がある。備品などの購入であれば「文房具代として」「事務用品代として」など、一般名称を用いて簡潔に記載すると良いだろう。

2-5.発行者の住所と氏名
領収書には取引の関係を明らかにするために、発行者の住所と氏名の記載も義務付けられている。商品やサービスを提供した店舗名や企業名、所在地の住所と連絡先となる電話番号を記載しておこう。このブロックの最後には取引の証明を表すために、自身の認印を忘れずに押印する。

2-6.印紙
発行した領収書全てではないが、受領した金額によっては領収書に収入印紙を貼付する必要がある。受け取った金銭の内容が「売上金額」の場合、5万円以上からは課税の対象となるのだ。印紙代は受領金額によって変動し、5万円以上100万円以下の場合は200円、100万円超200万円以下であれば400円となる。印紙を貼付する場合は不正防止のために、領収書と印紙をまたぐようにして割印を押す必要がある事も覚えておこう。印紙の貼り忘れは収入印紙税の脱税と見なされるので十分に注意したい。万が一印紙を貼り忘れた場合、印紙額面の3倍となる金額を過怠税として支払う事になるのだ。

領収書はマナーを守って発行しよう

普段、領収書を何気なく扱っている人が多いかもしれないが、領収書はビジネスにおいて重要な役割を持っているという認識を持っておきたい。正確な知識がないままで作成を担当すると、後々取引先との法的なトラブルにも発展し兼ねないのだ。本稿を参考にして領収書に必要な項目や記載のルールをしっかり把握し、マナーを遵守した取引を行えるようにしよう。

<PR>