オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

お役立ちコンテンツ「ビジネスメール・手紙の挨拶文例」 ー9月のあいさつー

2020.09.09

 暑さが次第に落ち着き、秋の訪れを肌で感じられるようになる9月。上半期の最終月であることから、企業間でメールや手紙を送る機会も増えるのではないだろうか。地域によっては残暑が長引くことなどもあるため、ビジネスシーンではどのような季節の表現を用いたら良いか悩むこともあるかもしれない。

 今回は、9月にクライアントや担当者に送るメールや手紙に添える時候の挨拶文を、フォーマルとカジュアルなシーンに分けて紹介する。相手との関係性や送るシーン、利用するツールなどによって使い分け、気持ちの良いやり取りが行えるよう活用してほしい。

目次

●【メール】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉
●【メール】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉
●【手紙】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉
●【手紙】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉
●まとめ

【メール】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉

 9月は暦の上で秋に変わるため、季節の移ろいを感じられる表現を用いると良いだろう。まずは、フォーマルなビジネスシーンで使うメールの文頭・文末表現を紹介する。

時候の挨拶
 フォーマルなシーンでは「〇〇の候」「〇〇のみぎり」「〇〇の折」といった漢語調の表現を使用する。時候の挨拶の後には、企業や担当者の繁栄や活躍を喜ぶ言葉を繋げるのが一般的だ。送る時期や相手の住む地域の気候に合わせた表現を選ぶようにしよう。

・新秋/初秋/孟秋の候、貴社におかれましては益々ご健勝のことと、お慶び申し上げます。(9月上旬)
・白露/爽秋のみぎり、貴社いよいよご盛栄のこととお喜び申し上げます。(9月中旬)
・秋晴/仲秋の候、貴社におかれましては一段とご隆盛の由、大慶の至りと存じます。(9月中旬)
・秋分/涼風の折、〇〇様におかれましては一層ご清祥のこととお喜び申し上げます。(9月下旬~)

結びの言葉
 文末の挨拶は、文頭の表現との重複に注意しながら、相手のさらなる発展や健康を願う表現等を添える。丁寧に文を結ぶことで、礼節を感じられる文章になるだろう。

・早秋のみぎり、貴社ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
・皆様お元気で爽やかな秋を満喫されますことを心よりお祈り申し上げます。
・残暑なお厳しき折、ご自愛専一に精励ください。
・秋涼の候、皆様のご無事息災をお祈り申し上げます。
・長雨の季節ではございますが、今後ともお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。

【メール】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉

 やり取りの多いクライアントや親しい相手には、やや砕けた表現である口語調の時候の挨拶を用いると親密性が感じられる。ここでは、日頃のビジネスメールにも応用できるカジュアルな時候の挨拶と文末表現を紹介する。

時候の挨拶
 口語調の時候の挨拶では、季節の変化に合わせた言葉ののちに、相手の状況を気遣う一言などを続けると良いだろう。

・朝晩はだいぶ過ごしやすく感じられるようになって参りました。平素は大変お世話になっております。
・朝夕日ごとに涼しくなり、秋の気配を感じます。いかがお過ごしでしょうか。
・初雁の姿に秋を感じる頃、貴社におかれましてはいよいよご隆盛の段お喜び申し上げます。
・秋風が心地よい時節となりました。〇〇様のご活躍を拝聞しております。
・秋色が爽やかな季節を迎えましたが、お変わりありませんか。

結びの言葉
 カジュアルなメールでは、秋への移ろいを表す言葉の他、コスモスの花や鈴虫の声など、秋を感じられる具体的な言葉を取り入れるのも良いだろう。文末は相手を労わる言葉で結ぶのが一般的だ。

・夏の疲れが出やすい時節柄、体調を崩されませぬようご自愛ください。
・暑さが落ち着くのはもうしばらく先のようです。健康にはくれぐれもご留意ください。
・秋風が肌に心地よい季節となりました。皆様お健やかにお過ごしください。
・豊かな実りが待ち遠しい季節です。皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
・心落ち着く好季節、秋の夜長を有意義にお過ごしください。

【手紙】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉

 公的な文章やビジネスレターでは、昔ながらの形式に沿って改まった表現を用いるのが一般的だ。ここでは、ビジネスレターの文頭・文末表現をみていこう。

時候の挨拶
 フォーマルな手紙では、文頭に「謹啓」「拝啓」等の頭語を置く。頭語の後には、フォーマルシーンで送るメールの場合と同様に、漢語調の時候の挨拶を続けよう。ここでは、特に改まった手紙で用いる頭語を紹介する。

・謹啓 初秋の候(みぎり)、貴社におかれましては一段とご隆盛のことと、お喜び申し上げます。(敬具)
・恭啓 早涼の候(みぎり)、○○様におかれましては、なお一層ご健勝のことと拝察いたします。(謹言)
・粛啓 秋分の候(みぎり)、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。(謹白)
・謹白 野分の候(みぎり)、貴社ますますご繁盛の段、大慶至極に存じます。(頓首)
・謹呈 秋色の候(みぎり)、いよいよご清祥のこととお喜び申し上げます。(敬白)

結びの言葉
 文末は、相手の発展や健康を気遣う言葉、今後の厚誼・鞭撻を願う言葉で結ぶと良いだろう。文頭に頭語を用いた場合は、頭語に対応した結語で結ぶのが一般的だ。

・(拝啓)新涼の折、貴社ますますのご繁盛を心よりお祈り申し上げます。 敬具
・(拝呈)仲秋の候、〇〇様のより一層のご活躍を祈念いたします。 敬白
・(啓上)爽秋の折、末筆ながら皆様の益々のご健康とご多幸を、心よりお祈り申し上げます。 拝具
・(謹啓)今後とも倍旧のご高庇ご指導を賜りますよう、お願い申し上げます。 敬具 

【手紙】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉

 格式ばった印象ではなく親密性が感じられる雰囲気の手紙にしたい場合は、メールと同様に口語調の時候の挨拶や文末表現を使いたい。ここでは、手紙に添えるカジュアルな文頭・文末表現を見ていこう。

時候の挨拶
 カジュアルシーンの手紙では、頭語や結語を省き、季節を表す言葉から書き始める。相手の住む地域に合わせた時候の挨拶ののちに、相手の安否などを尋ねる一言を添えよう。

・秋風が立ちはじめ、しのぎやすい季節となりました。○○様もお元気でお過ごしのことと拝察いたします。
・日増しに秋の深まりを感じる今日この頃、貴社ますますご壮健のことと存じます。
・コスモスの花が秋風に揺れる時節となりました。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
・秋の気配が次第に濃くなってまいりました。皆様にはますますご活躍のことと拝察いたしております。

結びの言葉
 カジュアルなビジネスレターの終わりは、文章全体の雰囲気に合わせた丁寧な言葉を選ぶことで、相手に好印象を与えられるだろう。

・新秋快適の候、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
・残暑去り難く厳しき折柄、何卒お身体おいといください。
・秋冷の時節柄、ご自愛専一にてお願い申し上げます。
・季節の変わり目でございます。ご健康に留意され、ますますご活躍されますことを心よりお祈り申し上げます。
・仲秋の折、貴社の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます。

・今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

まとめ

 改まった手紙からカジュアルなメールまで、9月に使用する時候の挨拶を紹介した。使用する言葉には、その年の気候や送る相手が感じている季節感を盛り込むことが大切だ。シーンやツールごとに季節の表現を変えることで、文章全体にまとまりが生まれ、相手にも心遣いが伝わるのではないだろうか。

<PR>