掲載希望の方 オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

オフィスセキュリティの重要性とは 対策やポイントを解説

2021.07.26

企業の安全性・信頼性を保つために、セキュリティ対策として何をしなければならないのか知りたい担当者もいるのではないだろうか。テレワークを導入する企業が増える中、会社だけでなく個人でできるセキュリティ対策が気になる担当者もいるかもしれない。

今回は、オフィスセキュリティの重要性とリスク、オフィスやテレワーク時に検討できる具体的対策について紹介する。安心して業務を行える環境づくりができるよう、最適なセキュリティ対策を検討しよう。

目次

●オフィスセキュリティ対策の重要性
●オフィスで発生する可能性のあるリスク
●セキュリティ対策を講じるときに整理したいポイント
●「会社」におけるセキュリティ対策
●「テレワーク」におけるセキュリティ対策
●まとめ

オフィスセキュリティ対策の重要性

オフィスセキュリティ対策の重要性

近年、各企業においては、働き方改革による「働く場所の多様化」や「IT化の普及」が進み、企業を取り巻く環境が大きく変化している。「個人情報保護法」や「不正アクセス禁止法」など、国内においては情報流出を禁じる法律が整備されているものの、確実なセキュリティ対策を講じていない場合には、さまざまなリスクが生まれる。仮に、企業で取り扱う機密情報や個人情報などの漏洩等が発生した場合には、企業価値が大きく損なわれる可能性がある企業価値が大きく損なわれる可能性があるだろう。各企業が信用や評判を守るためには、リスクに見合った「オフィスセキュリティ対策」を実施することが非常に重要だ。

オフィスで発生する可能性のあるリスク

オフィスセキュリティの対策が不十分な場合、どのようなリスクが発生するのだろうか。企業内で発生する可能性の高い主なリスクは以下の通り。

● 人的リスク
● 物的リスク
● 情報リスク

1つ目の「人的リスク」は、従業員がケガをするといった「身体」に関するリスクを指す。例えば、窃盗目的の侵入者が逃走をする際に、制止する従業員がケガをする場合などが考えられるだろう。2つ目の「物的リスク」は、オフィス内にある「モノ」に関するリスクであり、金銭的価値のあるモノの窃盗や破損といった被害が想定される。

最後の「情報リスク」とは、情報漏洩やデータ流出に関するリスクである。パソコン画面の盗み見や盗聴、廃棄された書類の持ち去りなどが、その事例だ。近年では新型コロナウイルス感染症の流行等により、テレワークを導入するケースが増え、情報リスクに対する安全性の確保が課題という企業もあるだろう。

これらのリスクを防ぐためにはどのようなセキュリティ対策が必要なのだろうか。ここからは、セキュリティ対策を考える上でのポイントや具体的方法を紹介していく。

セキュリティ対策を講じるときに整理したいポイント

オフィスセキュリティ対策を検討する際には、どのような点を意識すると良いのだろうか。まずは、セキュリティ対策を講じる際に整理したいポイントを見ていこう。

オフィスにおけるリスクの種類
セキュリティリスクは、「外部要因」と「内部要因」の2種類に分けられる。例えば、情報漏洩が起きた場合を考えてみよう。情報漏洩の原因は複数考えられるが、オフィスへの「不正入室」やパソコンへの「不正アクセス」は外部要因と言える。一方で、従業員の「置き忘れ」や「紛失」「管理・設定ミス」のほか、「故意に営業秘密を持ち出すこと」等が内部要因となる。オフィスセキュリティについて考える際は、それぞれのリスク要因に合わせた対策を検討することが大切だ。

セキュリティレベルごとのゾーニング
セキュリティ対策を検討する際は、オフィス全体を見渡して、どのエリアにどの程度のセキュリティが必要なのか、各エリアをゾーニングしよう。ゾーニングする際に検討したい、セキュリティレベルの参考例は以下の通り。

● レベル1…公共性の高い場所(エントランスやエレベータホール、廊下など誰もが利用できる場所)
● レベル2…共用スペース(オフィスのロビーやミーティングルームなど、社外関係者も利用出来る場所)
● レベル3…業務スペース(執務室や会議室など、基本的に社内関係者のみが利用する場所)
● レベル4…最もセキュリティが必要とされる場所(金庫室など、特定の従業員のみが利用できる場所)

自社のオフィスに当てはめて、各エリアをゾーニングしてみてほしい。そうすることで、本当に必要なセキュリティ対策を見極めやすくなるだろう。

人・モノ・情報の管理
セキュリティ対策を確かなものにするには「人」「モノ」「情報」の3つをバランスよく管理することも大切だ。例えば、ハード面に対して強固なセキュリティ対策を実施していても、従業員のセキュリティに対する意識が徹底されていなければ、リスクをゼロにすることは難しい。

IT化が進んでいる近年は、インターネット接続から起こりうる「ウイルス感染」「情報漏洩」といったリスクもあり、ネットワークセキュリティを強化することが求めらている。オフィスセキュリティ対策においては、1方向だけでなく、さまざまな視点からリスク対策を検討することが重要だろう。

「会社」におけるセキュリティ対策

企業のセキュリティを守るためには、どのような対策が検討できるだろうか。ここでは、「会社」において実施できるセキュリティ対策の事例を紹介する。

◆ 物理的環境に対するセキュリティ対策
● 入退室管理システムの導入
出入りを制限したいエリアには扉に入退室管理システムを設置するのがオススメだ。人の入退室を制限できるほか、「いつ」「誰が」「どこに」入退室したのか把握することができる。不正侵入を防ぐことに加え、万一、情報流出が起こった場合の検証にも役立つシステムだ。

● 防犯カメラの設置
人の目の行き届かない部分を監視する手段として「防犯カメラ」の設置も検討してみてはいかがだろうか。カメラの設置だけでも、部外者が侵入しにくくなるといった抑止効果が期待できる。万一、トラブルが発生した場合には、防犯カメラの映像から原因を調査することも可能だ。

● オフィスレイアウトの見直し
現状のオフィスレイアウトを見直し、社内を死角のないレイアウトにしよう。レイアウトを考える際は、先述したゾーニングを意識するほか、不審者の侵入など、万一のことが発生した場合に備え、すぐに機密情報にたどり着けないような「動線」を考えたい。

このほか、個室をガラス張りにすることは透明性を確保しやすく、死角を減らすのに有効である。一方で、セキュリティレベルの高い場所においては、必要に応じて、パーテーションを設けるなどの工夫を検討しよう。

● 情報取り扱いのルール策定
重要書類などの不正持ち去りを防ぐためには、情報の取り扱いに関して一定のルールを設けておくと良いだろう。例えば、「使用済みの書類は随時シュレッダーにかけて処分する」「機密情報を含む処分できない書類については、カギのついた金庫に保管する」など、情報流出が起きないようなルールを検討したい。

◆ オンラインでのセキュリティ対策
● データへのアクセス権限を社員や部署ごとに最適化
社内の誰もがデータにアクセスできる状態である場合、外部からの不正アクセスだけでなく、内部からの情報流出の危険性も高まる。データに対しては、それぞれにアクセス権限を付与し、関連部署や社員のみが可能な状態にしておけると良いだろう。

● セキュリティ面で安全なクラウドサービスの利用
セキュリティ面において信頼できるクラウドサービスを利用することも安全性を確保するために有効だ。クラウドサービスを選ぶときは、サービス内容を確認し、適切な運営やサポートが行われているかをチェックしよう。契約書や仕様書を読み込み、求めるスペックを持っているかどうかも確認しておきたいポイントだ。

「テレワーク」におけるセキュリティ対策

「テレワーク」におけるセキュリティ対策

近年、導入する企業が増えているテレワークにおいては、オフィスを離れた環境のなかで、個人が意識的にセキュリティ対策を実施することが求められる。ここでは、テレワーク時に特に気をつけたい「情報漏洩」やコンピューターの「ウイルス感染」を防ぐために可能なセキュリティ対策を紹介する。

◆ 物理的環境に対する対策
● セキュリティガイドラインの策定
テレワークを導入する際には、テレワーク時に従業員がとるべき行動をルール化しておくことが大切だ。自宅において作業する場合の環境や、パソコンの管理方法、会社から書類を持ち出す場合のルールなど、企業は従業員が安全かつ安心して業務に取り組めるような環境づくりに取り組めると良いだろう。

● 顔認証や指紋ロックなどの多要素認証システムの導入
使用するパソコンの安全性を高めるためには、IDやパスワード以外に、ワンタイムコードや指紋認証など、複数の認証ステップを用意しておくのがオススメだ。近年では、Webサービスやアプリ等で多要素認証をサポートしているものも多いため、活用してみてはいかがだろうか。

● パソコン施錠、パソコン画面覗き見防止シートの活用
さまざまな人が出入りする環境でテレワークを行う場合に注意したいのが、パソコンの盗難や盗み見による情報漏洩だ。仕事内容によっては、テレワーク環境を見直すほか、リスクを防ぐには、パソコン端末の施錠やパソコン画面覗き見防止シートを活用することも有効だ。仕事内容に見合ったセキュリティ対策を導入できると良いだろう。

● 個人でのパスワード管理の徹底
パスワードを設定する際は、名前や誕生日など簡単に推測されやすいものを避けよう。また、同じパスワードの使い回しは、不正アクセスのリスクを高めてしまう。パソコンのセキュリティを保持するためには、パスワード設定時のルールを策定するほか、安全性の高いパスワード管理ツール「パスワードマネージャー」を活用するのもオススメだ。

◆ オンラインでの対策
● OSやアプリを常に最新版へアップデート
パソコン端末のOSやアプリが最新版にアップデートされているかどうかも、セキュリティ対策にとって重要だ。速やかに最新版へアップデートすることで、脆弱性を狙った攻撃からパソコンを守ることができるだろう。企業においては、業務の一環としてセキュリティアップデートに対応するよう、従業員に示しておくと良いだろう。

● VPNの利用
VPNとは「Virtual Private Network」の略で、和訳すると「仮想の専用回線」となる。通信を暗号化できるため、公衆のインターネット回線を使いながらも、パソコン利用上の安全性を高められるのが特徴だ。クラウド型のVPNサービスも提供されており、状況に応じて活用したい。

● セキュリティソフトの導入
パソコン端末にセキュリティソフトを導入することも、ウイルス感染等から機密情報を守るために必須だ。ソフトによって機能はさまざまだが、ウイルスチェックといった基本的な機能以外に、さまざまなリスクを見込んだ機能が備わっているものも多く、自身に最適なソフトを選べるはずだ。

まとめ

情報漏洩や不正侵入など、さまざまリスクから身を守るために必要な「セキュリティ対策」。オフィスセキュリティにおいては、どのようなリスクがあるのかを見極め、リスクに見合ったセキュリティ対策を講じることが重要となるだろう。企業の信頼を保ち、従業員が安心・安全に働ける環境を作り上げよう。

<PR>