【取材記事】DXの先にあるのは 「自分らしさ」を取り戻す 企業の未来
電子化というと、業務効率化にばかり目が向いてしまいがちだ。しかし、効率化で得られた時間をどのように使うのかが重要だ。「時間にゆとりができたら、ルーティンではない本来的な業務に、そして、自分らしくいられる時間に充ててほしい」―――。そんな理念で企業間商行為のデジタル化サービスを提供するのは株式会社インフォマートだ。執行役員の木村慎氏と事業推進1部 部長 上野高志氏に話を伺った。
業務の電子化を阻む 承認作業
2020年4月の緊急事態宣言をきっかけに、テレワークが一気に広がった。しかし、多くの企業が突貫での導入であったため、さまざまな問題に直面する。
社内の制度設計や環境整備は徐々に対応が進んだが、問題は紙の書類や捺印など、承認関係の作業だった。「請求書や契約書などの書類については、取引先と協力する必要があるため、そう簡単には進みません。そこで、お問い合わせを頂くことが増えました」と上野氏は語る。
スムーズな承認作業を 後押しする『BtoB プラットフォーム 請求書』
請求書の電子化=PDFファイルのメール添付を想像する人も多いだろう。しかし、これでは、受け取った側はPDFファイルを印刷し、結局は紙で承認に回すというこれまでと同じ経路をたどることになる。
『BtoBプラットフォーム 請求書』なら、取引先も巻き込んで、共にデータでやりとりができる。請求書データを受け取った後は、そのまま電子請求書として承認に回し、電子保管することも可能だ。
「6月末からSlackとの連携も可能となりました。次の上長に見てもらいたいときは、『BtoBプラットフォーム 請求書』を開かなくてもSlack上で請求書を回せるようになっており、使いやすさが格段に向上しています」(上野氏)
重要なのは紙から電子へ 移行期のフォロー体制
双方が電子でやりとりするためには、フォロー体制も重要。取引先に対する協力の促しや使い方サポートの充実したサービスを選ぶことが、電子化を成功させるポイントとなる。
「ユーザー専用フリーダイヤルを用意したり、ユーザーのお客様向けにレターを代筆したり。我々にとっては当たり前のサポートですが、実は他社ではほとんど実施されていないことに、最近気付きました。ユーザーの方から『フォローが手厚いから安心して使える』という言葉を頂き、初めて気付いたのです」(木村氏)
また紙から電子への移行といっても、全ての取引を即電子化することはできない。素早く対応してくれる取引先もあれば、なかなか対応の進まない取引先もある。全ての取引において移行が完了するまでの間は、紙と電子のハイブリッドで対応する必要がある。
「『BtoBプラットフォーム 請求書』では、受け取る請求書が紙の場合、スキャンしてシステムに取り込むAI—OCRという機能を備えています。発行する請求書においても、どうしても紙の請求書でなければ困るという取引先のための郵送代行をオプションとしてご利用いただけます。最終的には100%電子化を目指しますが、並行して、紙として残る期間もサポートしています」(上野氏)
インボイス制度への対応
2023年10月よりインボイス制度が導入され、課税事業者にインボイスの発行が義務付けられる。インボイスとは、現行の「区分記載請求書」に加え「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータのことであり、受け取る側と発行側双方での保管が義務となる。
「電子インボイス制度や電子帳簿保存法といった法律への対応は、非常に重要ではあるものの、そこにあまり労力をかけていたのでは、本来の業務に支障をきたしてしまいます。『BtoBプラットフォーム 請求書』を使うことで、法律改正や新制度への対応について気にすることなく、業務に専念いただけます」(上野氏)
ユーザーのリアルな情報が 飛び交うコミュニティ
サービスは、使ってみないと分からないことも多い。サービス提供側では想定していなかったような便利な使い方や思わぬ問題など、ユーザー同士がつながることで解決できるケースが増えている。
「昨年12月から、ユーザーコミュニティーサイト『経理ステーション』をオープンしました。あるユーザーから質問が上がると、成功しているユーザーがそれに回答する。情報が蓄積されていくのも、コミュニティサイトの利点です」(上野氏)
導入時のつまずきポイントや活用が軌道に乗るまでの課題には、共通点が多い。スムーズな運用のためには、ユーザー同士のやりとりや成功事例などから学ぶことが重要になる。
本来業務に 専念しやすい 環境づくり
経理部門といえば、仕入れや売り上げなど日々の入出金管理を行う部署という印象が強い。ただ、「守り」の業務だけが経理の役割ではない、とインフォマートは考える。キャッシュの流れを把握、分析し、経営陣へ資金調達やコスト削減を提案するなど、「攻め」の業務こそが、経理が本来担うべき役割である。
「PDFではなくデータで受け取れば、二次活用してそのまま会計システムに取り込むことができ、入力ミスのチェックといったルーティン作業から解放されます。経理をサポートすることで、企業の生産性向上に貢献できればと願っています」(上野氏)
1日でDXを把握できる イベント『Less is More.』
「余計なものを削ぎ落し、必要なものだけを残すことによって、時間を取り戻してもらう。すると気持ちにゆとりが出て、コロナ禍で失いかけていた自分らしさを取り戻すことができるのではないか……インフォマートが主催する『Less is More.』には、そんな願いが込められています」(木村氏)
デジタルツールを提供するさまざまな企業が集うこのプロジェクト。2カ月に1回イベントが開催され、7月に第6回を迎えた。イベントでは、DXに関わるサービスを横並びで見ることができる。
「我々と競合するようなデジタル請求書のベンダーさんもお誘いしています。請求書を電子化したければ、いま世に出ているほとんどの電子請求書のサービスを一度に見ることができます」(木村氏)
のべ74社を超える企業が参画し、あらゆる企業のDX推進を後押しする。
「1日でテレワークに最低限必要な知識が得られ、ツールがそろえられる。そのようなイベントになっています。自分たちの未来のために、自分らしさを取り戻すために、仕事をしてほしい。それが、私たちの目指すDXのゴールです」(木村氏)
おすすめ資料
BtoBプラットフォーム 請求書
ダウンロードはこちら
おすすめ資料
マンガで解説!「失敗しない電子請求書の選び方」
ダウンロードはこちら
おすすめ資料
経理パーソン&管理職351人に聞いた 「これからの経理」アンケート2022
ダウンロードはこちら
■お問い合わせ先情報
株式会社インフォマート
電話番号 :03-5776-1146
メールアドレス:invoice.seikyu@infomart.co.jp
対応時間 :平日10:00~17:00
ホームページ :https://www.infomart.co.jp/seikyu/index.asp