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ナレッジ共有を促進させる社内FAQとは?ツール選定のポイントや運用の注意点など

2022.01.24
オフィスのミカタ編集部

スキルや知識、ノウハウといった社内に散らばったナレッジ共有を促進させるために、FAQツールの導入を検討している企業もあるだろう。また、コストをかけてツールを導入し、ナレッジ共有をすることで得られる効果を知りたい方もいるのではないだろうか。今回は、ナレッジ共有に役立つツール、「社内FAQ」の概要や導入で得られるメリット、選定のポイントなどを紹介する。

目次

●社内のナレッジ共有における課題
●社内FAQは社内のナレッジ共有を促進させるのに効果的
●社内FAQの導入で得られるメリット
●社内FAQツール選定のポイント
●社内FAQを活性化させるために
●まとめ

社内のナレッジ共有における課題

社内で個々のスタッフが持つスキルやノウハウといったナレッジを、組織全体で共有・活用する「ナレッジ共有」。さまざまなメリットがあるとされるナレッジ共有を、促進させたい企業は多いだろう。しかし、実際にはナレッジ共有が思うように進まないという課題をもつ企業も多い。ナレッジ共有について、社内ではどのようなことが課題になっているのだろうか。
ひとつには、共有するべき情報が分散していて、「必要な情報が必要なときに活用できない」という問題がある。また、分散した情報を探すたびに手間や時間がかかり、業務効率が悪くなってしまうことも挙げられる。これらの課題に対して、社内FAQはどのように活用できるのだろうか。

社内FAQは社内のナレッジ共有を促進させるのに効果的

社内FAQとは、「Frequently Asked Questions=よくある質問とその回答」のこと。社内FAQは、個々人が持つナレッジを組織全体と共有するのに有効な手段だ。まずは、社内FAQの概要について確認していこう。

社内FAQとは
社内FAQとは、社内で頻繁に発生する質問と、それに対する回答をまとめたもの。取り扱い説明書やサイト上において、「よくある質問とその答え」をまとめたものの、社内版と考えるとよいだろう。社内FAQは、ナレッジ共有を促進させるのに役立つツールだ。社内FAQに業務のやり方やコツを記載しておけば、それを確認しながら効率よく業務を進めることができる。

FAQとQ&Aの違い
FAQは、よくある質問と回答をまとめたもののこと。一方、Q&Aは、質問と答えを掲載したもので、数多く寄せられる質問かどうかに関わらず、情報をわかりやすくまとめたものだ。FAQを作成する土台には、多くのQ&Aがあると考えるとわかりやすいだろう。

社内FAQの導入で得られるメリット

社内FAQを導入することでどのようなメリットが得られるのだろうか。

業務の属人化を防げる
特定のスタッフのみが担当できる業務がある状態を「属人化」という。業務が属人化してしまうと、そのスタッフの不在によって作業が進まず、業務全体がストップしてしまうことがある。作業の工程などをマニュアルに落とし込み社内FAQに掲載しておくと、特定のスタッフだけでなく多くのスタッフが担当できるようになり、属人化を防げる。

引き継ぎや新人教育にかかる工数やコスト削減になる
社内FAQによって、引き継ぎや新人教育のコストを削減できるというメリットもある。引き継ぎ業務や新人教育の際は、同じようなところで躓くことも多いだろう。マニュアルやFAQなどにより、よくある疑問や誰もが躓く業務を可視化しておくことで、新たに教える手間を削減できる。特に新人教育の場面では、FAQを共有しておくことで自己学習を促す効果も期待できる。

社内にナレッジが蓄積される
社内FAQをうまく活用できれば、社内にあるナレッジを集約して、必要なタイミングで業務に活用することも可能となる。これにより、ナレッジを持つ社員が退社しても、有用なナレッジを失わずに済む、新たな業務を始める際の土台となるなど、業務を円滑に推進し、生産性を高めることにつながるだろう。

社内FAQツール選定のポイント

社内FAQはどのような目線で選ぶといいのだろうか。

操作性の高さ
操作性が悪いと導入しても活用が進まず、思うようにナレッジが蓄積されない。そのため、利用のハードルが低く「誰でも使いやすい」ツールであることが重要だ。簡単に検索ができ、知りたい情報にすぐにたどり着けるか、なるべく少ない工数で操作できるか、などを確認しよう。目安として、社内のITリテラシーが高くない層の使いやすさに注目したい。

投稿の手軽さ
手軽に投稿できるかどうかもツールを活性化させるために重要な要素だ。たとえば、投稿のプロセスが複雑なものの場合、そのツールを利用する社員の負担が増え、結果的にFAQの情報量が少なくなってしまう可能性がある。長期的にツールを活用したいと考えるなら、運用がシンプルなものを選ぶと、継続的に利用しやすいと言える。

導入・運用費用
導入には、「初期費用」(導入コスト)と「月額料金」(ランニングコスト)の2つの料金がかかる。さらに、運用には、ツールそのものの費用だけではなく、ネットワークやデバイスの環境整備、運用するための人件費といったコストも必要だ。それらの費用を踏まえたうえで、どの程度効果がでるのかを導入前に見積もって決める必要があるだろう。多くのツールには一定期間無料で試せるトライアル期間が設けられているため、無料トライアルを実施して効果を予測するのもよいだろう。

社内FAQを活性化させるために

社内FAQは、社内の多くのスタッフが、投稿、検索して使ってはじめて効果が期待できる。社内FAQを活性化させるために重要となるポイントについて見ていこう。

活用の目的を全社に伝える
まずは社内FAQの利用目的や利用により得られる効果・メリットなどを社内で共有しよう。導入の目的はさまざまだが、「自社ではこれを達成したい」ということを明確にして、目線を揃えることが重要だ。これにより、社内の意識が高まり活用につながると考えられる。

運営チームで管理を行う
社内FAQは、整備や運用を担当するチーム体制を敷いて管理したい。運用チームは、社内FAQサイトの質を向上させる「活性化担当」の役割を担う。社内FAQへの投稿と検索を増加させ、自社のFAQサイトの質を改善するための施策の推進や、導入により得られた課題に対する解決策の実施などの役割を担う。推進チームが中心となって、一人ひとりが新しいFAQを追加、更新を行うとともに、他の社員にも積極的な利用を呼びかけていきたい。

運用ルールを設定する
社内でFAQの活用が決まったら、「フォルダ分け」や「フォーマット」などを整理し、運用のルールを設定しよう。投稿の方法が定まっていないと、蓄積された情報に規則性や統一性が生まれづらく、利用の活性化が期待できない。誰もが使いやすいよう、予めルールを設定しておきたい。また、ルールが適切かどうか、使いづらい点がないかなどについて、定期的にブラッシュアップする機会を作ろう。

まとめ

ナレッジ共有ツールである社内FAQを活用すれば、業務の属人化を防ぎ、引き継ぎや新人教育のコストや工数を削減させるなど、業務効率を改善したり、生産性を向上させたりするといったメリットが期待できる。社内FAQは、ツールによってその内容や利用料金が異なるため、自社に合わせて活用できるものを選びたい。導入後の活性化などのポイントも踏まえながら、社内FAQを導入してみてはいかがだろうか。