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経理業務を効率化するための振替伝票。伝票の役割や記帳ルールを解説

2022.02.22
オフィスのミカタ編集部

経理の仕事の中で比重が大きい記帳業務を効率化するため、伝票制を採用している企業も多いだろう。この伝票制で使用される伝票の1つが振替伝票だ。この記事では振替伝票に焦点を当てつつ、それ以外の伝票との違いや作成方法について解説する。

振替伝票とは現金が生じない取引を記録する伝票

伝票にはさまざまな種類があり、中でも現金以外の取引が行われた場合に使用する伝票が振替伝票である。振替伝票を使用するタイミングには、機材を後払いで購入した場合や、約束手形を発行・受領した場合などが挙げられる。

振替伝票の種類と用途

正確には伝票には以下の5種類が存在する。
・振替伝票
・入金伝票
・出金伝票
・仕入伝票
・売上伝票

それぞれの伝票の用途について解説していく。

振替伝票
振替伝票とは、先ほど解説した通り現金以外の取引が行われた際に使用する伝票である。一般的には取引内容、貸方、借方、金額について記入する。また、仕訳と同様に左側に借方科目、右側に貸方科目を記入する。

入金伝票
入金伝票は現金の入金取引が行われた場合に使用する伝票である。勘定科目には貸方科目を記入する。

出金伝票
出金伝票は現金の出金取引が行われた場合に使用する伝票である。入金伝票とは異なり勘定科目には借方科目を記入する。

仕入伝票
仕入伝票は5伝票制で用いられる伝票で、商品などの仕入取引が行われた場合に使用する伝票である。仕入伝票には金額・単価・個数・摘要を記入することが多い。また、総勘定元帳に転記する際の勘定科目は借方が仕入、貸方が買掛金と決められている。

売上伝票
売上伝票は仕入伝票と同様に5伝票制で用いられる伝票で、売上取引が行われた場合に使用する伝票である。売上伝票には金額・単価・個数・摘要を記入することが多い。また、総勘定元帳に転記する際の勘定科目は借方が売掛金、貸方が売上と決められている。

使う伝票の数によって変わる伝票制と振替伝票の役割

伝票を用いて仕訳を行う伝票式会計では、企業が使用する伝票の数によって1伝票制、3伝票制、5伝票制の3種類に分けられる。ここではそれぞれの伝票制の特徴について解説していく。

1伝票制
1伝票制とは仕訳伝票(振替伝票)のみを使用し、全ての取引を仕訳伝票から総勘定元帳に転記する方法だ。その都度伝票を作成するという手間が発生するが、仕訳帳に記入する作業が省けるというメリットがある。

3伝票制
3伝票制とは振替伝票、出金伝票、入金伝票の3種類の伝票を使用する方法だ。現金取引が多く発生する企業で用いられることが多い。

5伝票制
5伝票制とは「振替伝票の種類と用途」で紹介した5種類の伝票を使用する方法だ。3伝票に加えて売上伝票と仕入伝票を使用するため、小売業や卸売業をメインとする企業が用いることが多い。

振替伝票の書き方・運用方法

振替伝票は手書きやエクセル、会計ソフトでの作成がメインだろう。ここではそれぞれの方法について作成・運用方法やメリット・デメリットについて解説する。

手書きの振替伝票
手書きの振替伝票の場合、「振替伝票を記入する際のポイント・注意点」で解説したそれぞれの項目について記入する。紙の伝票を使用することになるため、数が増えるにつれて保存が困難になるケースや書き損じなどのリスクが考えられる。

Excelの振替伝票
Excelの振替伝票の場合、手書きと同様の項目に記入する。計算を自動で行えることや、データの保存が簡易であるというメリットがあるが、データの破損リスクや決算書を作成する際に再度集計をし直さなければならないというデメリットが挙げられる。

会計ソフトを利用した振替伝票
会計ソフトを利用した振替伝票の場合、指定された項目に入力するだけで作成ができ、入力の手間を削減できるだろう。また、決算書を作成する場合には、自動で転記してくれる機能もある。自社の業態に合った会計ソフトの導入を検討している場合には、下記記事を参考にしてほしい。


決算とは?目的や手続きの流れ、おすすめ会計ソフトなどを紹介

まとめ

伝票は日々の取引内容を記入する重要な書類である上、決算書の作成に欠かせないものである。しかし、伝票の種類が多く伝票制というルールも存在し、定期的な業務でありつつも、計算ミスや記入漏れのようケアレスミスが発生しやすい業務でもある。

振替伝票の作成には手書き、Excelといったアナログな手法で行うこともできるが、伝票を基にした決算書類の作成など企業の重要書類においては、会計ソフトによる一元管理が安心だ。経理業務を効率化させるためにも、会計ソフトの導入を検討してみてはいかがだろうか。

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