仕訳入力業務の効率化。時短・ミスを減らす入力方法をわかりやすく解説

仕訳入力は経理の主な業務の一つであり、リソースを割く割合が大きくなおかつミスが許されない業務である。この記事では仕訳入力業務の時短やミス削減によって効率化を図る方法について解説する。

仕訳入力とは毎日の入出金情報を正確に記録する業務

仕訳とは簿記上の取引を借方と貸方に分類する作業である。この仕訳を行った内容を仕訳帳などの帳簿に記載する業務が仕訳入力である。
仕訳入力は毎日の取引について正確に入出金情報を記録する業務だ。

仕訳帳の主な勘定科目

仕訳帳は勘定科目に基づいて取引を借方・貸方に分類し、時系列に従って勘定科目とともに、取引の内容を記載する帳簿である。勘定科目は数が多いため、主に業務で用いられる勘定科目をBS（バランスシート）のグループに分けて紹介する。

資産
資産は以下の4つの科目から分類・割り当てをされることが多い。
・現金及び預金（普通預金、定期預金、当座預金、現金過不足、売掛金など）
・手形（受取手形、貸倒引当金など）
・有形固定資産（建物、土地、車両運搬具、機械装置など）
・無形固定資産（無形資産など）

負債
負債は以下の２つの科目から分類・割り当てをされることが多い。
・仕入れ債務（買掛金、支払手形など）
・固定負債（借入金など）

純資産
純資産は以下の５つの科目から割り当てをされることが多い。
・資本金
・資本準備金
・事業主貸
・事業主借
・元入金

収益
収益は以下の２つの科目から分類・割り当てをされることが多い。
・事業売上及び売上
・営業外の収益（受取配当金、受取利息、有価証券評価益/有価証券評価損、雑収入など）

費用
費用は以下２つの科目から分類・割り当てをされることが多い。
・売上原価（仕入れ高、期首商品棚卸し高/期末商品棚卸し高など）
・販売管理費（給料手当、役員報酬、交際費、外注費、会議費、水道光熱費、福利厚生費、事務用品費、通信費、広告宣伝費など）

現金・預金の仕訳の増加は左、減少は右記載の会計ルール

仕訳を行う際に注意したいポイントが、左側（借方）と右側（貸方）への記入ルールである。仕訳では借方と貸方に分けて金額と勘定科目を記入するが、慣れていない状態だと、何をどちらに書けば良いかわからなくなってしまうだろう。

基本的に現金・預金の仕訳を行う場合は「金額が増加する場合は左側（借方）」、「金額が減少する場合は右側（貸方）」と覚えておくと良い。

仕訳入力の方法と入力方法ごとのメリット

仕訳入力の方法には、振替伝票、Excel、会計ソフトの主に3種類が挙げられる。ここではそれぞれの入力方法のメリットについて見ていこう。

振替伝票に入力する方法
振替伝票は他の伝票とは異なり、仕訳と同様に借方と貸方に分けて記入する。

そのため、振替伝票を使用するメリットとしては、仕訳帳への記入を省略できる点が挙げられる。
なお、振替伝票に記載する主な項目は下記の通りである。
・日付
・金額
・借方、貸方科目
・摘要
・合計金額

Excelのフォーマットに入力する方法
Excelでは一度仕訳のフォーマットを作成することで、効率よくデータとして保存できるというメリットが挙げられる。

なお、Excelを使用した場合に入力すべき項目も振替伝票の項目と同一であるとよい。

会計ソフトに入力する方法
会計ソフトの場合、経理知識がなくとも簡易的に仕訳入力できる機能用意されている。
さらには、仕訳処理を自動で行う機能や、決算書類に転記・作成する機能なども搭載されているソフトもあり、他の書類を作成する際にも役立つだろう。

また、SaaS型のサービスで低コストから始められる会計ソフトも多く、会計ソフトでの効率的な経理業務の進め方をおすすめしたい。

仕訳入力を効率化するためのコツ

ここでは仕訳入力を効率化するための、会計ソフトを利用したコツを紹介する。

1.会計ソフトを導入しデータ連携にて入出金情報の自動取り込みをする
まずは、手入力をせずに入出金情報のデータ化・管理ができるように、口座連携により入出金情報を自動で取り込む。この時点で自動仕訳機能付き会計ソフトを導入している場合は勘定科目の設定がされる。

2.会計ソフトの伝票辞書機能を用いて仕訳をパターン化する
自動仕訳機能付き会計ソフトの仕訳の精度は必ずしも完全であるとも限らない。また経理業務はミスが許容されない業務である。

そのため、手入力の手間とミスを同時に減らすために、伝票辞書機能を使い毎月・頻繁に発生する取引については仕訳をパターン化して事前に登録し、自動化された仕訳の確認と、修正の際にマウス操作だけで業務が完結できるようにしよう。

3.会計ソフトのショートカットを活用し作業の効率化を図る
会計ソフトにはあらかじめ操作が多いコマンドに対してショートカットが設けられていることが多い。事前に会計ソフトのショートカットキーを調べておくことで、作業の効率化を図ることができるだろう。

また、会計ソフトにも業態に特化した機能を備えているサービスなどもあるため、自社の要件にあったソフトを選ぶためにも、下記の記事を参考にしてほしい。

決算とは？目的や手続きの流れ、おすすめ会計ソフトなどを紹介

まとめ

仕訳入力などの経理業務は専門的なスキルと正確性が求められる一方で、業態によっては手入力などヒューマンエラーのリスクが各所に存在する。

一方、昨今の会計ソフトの利便性が高まり、自動仕訳機能などを駆使して業務の効率化ができる環境になりつつある。もちろん、仕訳入力の作業自体はExcelでも処理を進めることもできるが、コア業務への専念やミス削減のためにも、これを機会に会計ソフトの導入を検討してみてほしい。

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