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会計システムとは?導入のメリットや主な機能、選定のポイントを紹介

2022.02.14
オフィスのミカタ編集部

会計システムとは、取引が発生した際に行う伝票作成や仕分けなどの業務を、システム上で行えるようにした仕組みのこと。伝票や帳簿などは正確な記載が求められるため、ミスが発生しないよう、システムを導入し正確かつ効率的に業務を進めたいと考える経理担当者もいるだろう。また、会計業務は会社経営にとって重要な判断材料になるため、会計システムを適切に活用したい経営者も多いのではないだろうか。今回は、会計システムの概要や種類と、導入するメリットを紹介する。

目次

●会計システムとは
●会計システムの種類と主な機能
●会計システムを導入するメリット
●会計システムの選び方
●まとめ

会計システムとは

会計システムとは、企業が行うさまざまな会計業務をIT化し、効率的に進めるためのソフトウェアのこと。従来の会計業務では、試算表や決算書の作成、作成された財務諸表を利用した経営分析などを、それぞれ別々に行い管理していた。経営上必要な会計データをシステムによって一元管理し、会計業務の効率化を図れるのが会計システムだ。

会計システムの種類と主な機能

会計システムは、「財務会計システム」「管理会計システム」「債務・支払管理システム」の3種類に分類できる。それぞれの特徴や主な機能について、紹介する。

財務会計システム
「財務会計システム」とは、伝票入力や帳簿類の作成、決算書の作成など、財務諸表作成機能が備わった会計システムだ。企業の会計情報を外部の利害関係者(投資者や株主)に提供することを目的にした、「財務会計」に必要な業務を行える機能が備わっている。帳票作成など、頻繁に発生する経理業務と関連性が高いため、財務会計システムは会計システムの中でも最も一般的と言える。

財務会計システムに搭載されている、主な機能は以下の通り。

●伝票入力
●帳簿作成
●自動仕分
●データ連携
●決算書作成
●帳票等の出力
●固定資産の管理 など

管理会計システム
企業存続のためには、株式や社債の発行など、金融機関からの融資のみに頼らないさまざまな資金調達が必要だ。投資家の企業への投資意欲を持続的に高めるためには、経営者自身が経営状況をよく把握し、必要な判断を行うための手段が重要となる。経営判断材料として必要な資料を作成するのが「管理会計」だ。

管理会計システムとは、企業の経営陣が会社の経営状況を確認できるようにするためのシステムだ。システムを利用すると自社の会計情報が把握でき、経営に活用することができるようになる。

管理会計システムに搭載されている主な機能には、次のようなものがある。

●予実管理
●経営分析
●経費管理
●シュミレーション など

債務・支払管理システム
支払手形や買掛金などの「債務」を取引先ごとに分類し、支払いの遅れがないかを管理するシステムを「債務・支払い管理システム」という。上記で記載した財務会計システムでは、債務の総額の確認はできるが、支払期日や取引先ごとの詳細な記載はしない。一方、取引先ごとに支払状況を管理できる債務・支払管理システムは、取引先が多い企業など、複雑な会計業務が求められる大企業などに向いたシステムと言える。
債務・支払管理システムに搭載された主な機能は、以下の通り。

●支払消込
●支払分析 など

会計システムを導入するメリット

会計システムを導入するメリットは、以下のようにさまざまだ。
●会計業務の負担軽減・効率化
●人的ミスの軽減
●決算の早期化やデータ活用による経営判断の迅速化
●バックオフィス業務のペーパーレス化や働き方改革

それぞれのメリットを見ていこう。

会計業務の負担軽減・効率化
会計システムを導入することで、会計業務の負担軽減や業務の効率化が期待できる。システムを導入していないと、伝票記入や帳簿作成など、毎日の経理業務に多くの手間や時間が必要だが、システムがあれば頻回に発生する仕訳の一括入力ができるほか、外部ファイルや販売管理システムなどの外部システムとの連携により、自動的に起票できる。また、本部や支店など拠点が分散していても、データを一括管理することが可能となり、それぞれに分散させていたリソースを集約できる。

人的ミスの軽減
人の手で行うと、細心の注意を払ってもミスが起こり得る。その場合、確認作業だけでなくどこからミスが発生したのか、なぜ起こってしまったのかの原因究明にも時間がかかってしまう。計算ミスや入力ミスを軽減させるためにも会計システムの活用は有効だといえる。

決算の早期化やデータ活用による経営判断の迅速化
事業の継続や拡大には、状況に応じた迅速な判断が必要だ。会計システムを導入するとリアルタイムでお金の出入りに関するデータの取得が可能になる。これにより、損益や残高、借り入れ残高など自社の状況を正確に確認でき、業績が悪化する徴候があれば早めに察知して軌道修正をするなどの判断が可能になる。

ペーパーレス化や働き方改革
会計システムを導入すると、帳票や帳簿、財務諸表などそれぞれのデータを電子化して運用できるため、ペーパーレス化につながる。ペーパーレス化が実現すれば、印刷費用や保管場所、管理にかかるコストを削減可能だ。また、ペーパーレス化により、経理部門で働く人がオフィスに出社しなくても業務が可能になるなど、働き方改革にもつながる。

会計システム選定のポイント

会計システムにはさまざまな種類があるため、導入前に自社に合ったシステムをどう選ぶとよいのか迷うこともあるだろう。ここでは、会計システムの選定ポイントを紹介していく。

導入したい会計システムの種類
会計システムの提供形態は、「クラウド型」「インストール(オンプレミス)型」「基幹システム」の3種類がある。
このうち「クラウド型」は、インターネット上で提供されるサーバーにアクセスするだけで利用できるもので、インターネットに接続できれば、設備や場所を選ばず使用できる。初期費用を安く抑えることができることが魅力だが、カスタマイズ性ではインストール型が有利となる。

「インストール(オンプレミス)型」は、企業のサーバーにインストールして利用する、従来から利用されていたタイプのもの。利用には設備投資が必要だが、自社の業務に合わせたカスタマイズができるのが特徴だ。

「基幹システム」は、会計管理だけでなく、在庫管理や生産管理などもまとめて行える、企業の業務の中心的役割を担うシステムのこと。3つの中では最もカバーする業務範囲が広いものの、コストがかさむことがデメリットと言える。それぞれの強みやデメリットを踏まえた上で、どの形態のシステムを導入するのが最適かを検討しよう。

必要な機能
「システム導入の目的」を達成できる機能が、きちんと備わっているかも確認しておこう。例えば実務者の業務効率化を実現したいなら、日々発生する仕訳入力や帳票、伝票入力が少ない手間で行えることが必要な機能だといえる。担当者が数字の入力のみで自動仕分けや転記をしてくれれば、効率化やミス軽減につながる。また経営判断に活かしたいという目的であれば、分析機能、レポーティングの機能が搭載されていることが重要となる。部門別損益、予実比較評価、セグメント分析などの機能が充実しているかを確認するとよいだろう。


ツール同士の連携性
企業が大きくなるにつれて、現状のシステム以上の高度なシステムが必要になることがある。その場合、異なるツールを連携させられると、元のシステムを長く活用できる。しかし、ツール同士の連携に対応できない場合は、新しくシステムを導入しなければならない。長期的な運用を視野に入れて、システム同士の連携が可能かどうか、どのようなシステムと連携させられるかなども事前に確認が必要だ。


サポート体制や使い勝手
サポート体制やマニュアルがきちんとあるのかを確認しよう。導入してしばらくは、ツールの使い方がわからず、運用が難しい場面もあるだろう。サポート体制が整っていると、リアルタイムで相談を行え、疑問を解決しながら業務を遂行できる。また、使い勝手が悪いと、実際に業務で利用する担当者がうまく活用できない。実務者にとっての使いやすさも、きちんと確認しておこう。

まとめ 

会計システムとは、企業が行うさまざまな会計業務をシステム化し、業務の効率化を図れるようにしたもの。会計システムを利用すると、会計業務の負担の軽減や人的ミスの削減につながるほか、迅速な経営者判断が行えるなどのメリットが期待できる。会計システムは、備えられた機能によって「財務会計システム」「管理会計システム」「債務債権システム」に分けられる。また、クラウド型やインストール型など、提供形態もさまざまだ。自社に合ったシステムを導入するために、ツール同士の連携性やサポート体制なども確認しながら、導入を検討してみてはいかがだろうか。

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