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RPAとは?仕組みや導入メリット、注目される背景を解説

2022.02.24
オフィスのミカタ編集部

RPAとは、一定の頻度や同一のルールの下で発生する業務を自動化するシステムで、経理、営業、財務などさまざまな業務の一部を代替することができる。RPAは導入による効果が得られやすいツールとされており、導入する企業が増えていることから、自社への導入を検討している担当者もいるのではないだろうか。

今回はRPAが注目される背景や得意とする業務と、導入のメリットなどを紹介する。自社でのRPAの導入の検討材料に活用してほしい。

目次

●RPA(ロボティク・プロセス・オートメーション)とは?
●RPAが注目される背景
●RPAが得意とする業務・苦手な業務とは
●RPAとAI・VBA(Excelマクロ)の違い
●進化するRPA。3つのClassとは
●RPAを活用するメリットや効果
●まとめ

RPA(ロボティク・プロセス・オートメーション)とは?

RPA(Robotic Process Automation)とは、コンピューター上でこれまで人が行なってきた作業を、ロボットにより自動化するシステムのこと。コンピューターの画面上で人間が行なった操作を模倣し、システム間で発生するやりとりを自動化し、ロボットが処理を行うという仕組みを活用している。RPAは、例えば「データ入力」や「メールの配信」など、定期的に発生する業務に活用できる。RPAを導入すると、これらの定型業務や反復業務など、一定の頻度で常に同じように発生していた業務の効率化につながる。

RPAが注目される背景

RPAが注目される背景には、日本の社会課題となっている、人材不足や労働生産性の低迷などが挙げられる。それぞれの概要を確認しておこう。

人材不足
まず、日本全体で人手不足が進んでいることが挙げられる。少子高齢化が進む日本では、この先も労働人口が減り続け、人材不足の深刻化が懸念されている。これまで人の手で行なっていた業務の一部をロボットに代替してもらうことは、企業の人材不足という課題を解決する手段となりうる。そのため、RPAが注目を集めている。

労働生産性の低迷、国際競争力の低下
市場がグローバル化する中、RPAは日本企業の国際競争力を高めるためにも重要な手段となる。日本の一人あたりの労働生産性は、世界的に見ても低迷しているのが現状だ。より付加価値の高い仕事を人間が行い、自動化できる仕事をロボットに任せていくことで、労働生産性の向上が期待できる。これにより、国際競争力の強化にもつながると考えられる。

RPAは短期間で効果が得られやすい
RPAは、導入にかかる時間が他のソリューションに比べ短く、導入効果が得られやすいことも注目される背景に挙げられる。他社の成功事例が早期に確認できるため、他社事例を導入する際の検討材料として活用できる。

また、社内においても一部の部署への導入によって得られた効果を検証し、別の部署に発展させやすいといった特徴がある。

RPAが得意とする業務・苦手な業務とは

定型業務や反復業務を得意とするRPAにも、「苦手とする業務」がある。ここでは、RPAが得意・不得意とする、それぞれの業務を確認しよう。

<得意>ルールが定まっている定型業務
RPAは、手順やルールが明確に定まっている単純な定型業務を得意としている。RPAが得意とする、定型業務には、以下のようなものがある。

・メールマガジンなど、定期的な一斉メールの配信
・顧客データのコピー&ペースト
・日別売上データのダウンロード/アップロード
・データに基づく、グラフ作成
・社員の勤怠データの入力 など。

<得意>パソコンのみで完了できる業務
RPAは、コンピューター上で完結する一連の作業工程を記憶し、自動化させることに向いている。コンピューター上で完了できる作業であれば、複数のツール間を連携させた業務も可能だ。具体的には、以下のような作業が考えられる。

・お問い合わせフォームで届いた顧客からのメールの内容を、Excelやスプレッドシートに転記
・入職者の情報を、人事システムのデータベースに登録
・勤怠管理ツールへの登録を基に、残業時間の多い社員へ自動でメールを配信 など

<苦手>その都度判断が必要な、浮動性のある否定形業務
一方、RPAが苦手とする業務は、その都度判断が必要だったり、柔軟に業務の変更が求められたりする「非定型作業」だ。しかし、最近ではAIと連携させて、判断を必要とするような作業にも対応できるように変化しているツールも展開されつつある。今後は、単純作業のみならず柔軟な判断や変更が必要な業務にも対応できるようになると言えそうだ。

RPAとAI・VBA(Excelマクロ)の違い

同じように捉えられがちなRPA とAI、VBAに違いはどのようなことがあるのだろうか。

RPAとAIの違い
RPAとAIの違いは、判断を自動的に行えるか否かという点だ。RPAは、製作者によって決められたルールに基づいて処理をしていくよう事前に設定する必要があり、RPA自身が都度判断を行うことはない。一方AIは、ビッグデータに基づいてその都度自己判断を行いながら、業務を遂行している。そのため、その都度判断が求められる業務は、RPAよりもAIに向いていると言える。ただし、判断の正確性はAIによって異なる。


RPAとVBA(Excelマクロ)の違い
VBA(Excelマクロ)は、プログラミングにより、Excel上で作業を自動化できる機能のこと。ただし、Excelマクロで自動化の対象となるのは、ExcelかMicrosoftのOfficeソフトウエアに限られる。一方RPAは、Officeアプリケーション以外にも幅広いソフトウェアと企業の基幹システムなど、システムを横断して業務を自動化できる。また、RPAはプログラミングが不要のため、プログラミングのスキルがない現場の担当者による制作にも向いている。

進化するRPA。3つのClassとは

定型業務を得意とするRPAだが、現在RPAの自動化レベルは3段階に分けられると言われている。まずClass1は通常のRPAで、定型業務だけを自動化することができる。Class2は、「EPA(Enhanced Process Automation)」と呼ばれ、AIと連携して一部の非定型業務を自動化することができる。

最後のClass3は「CA(Cognitive Automation)」と言い、高度なAIと連携し、定型業務だけでなく、判断までのほとんどの業務を自動化できる。学習機能や認知技術、自動言語分析技術により、足りない情報を補いながら業務を実行できる、進化したRPAと言える。

RPAを活用するメリットや効果

RPAを活用するメリットや効果を紹介しよう。

人件費を中心としたコスト削減
第一に、定型業務の自動化により、人的コストの削減が期待できる。例えばこれまで5名体制で行ってきた業務にRPAを導入して、2名分の業務量で済めば、3名分の人件費の削減につながる。また、RPAは一旦業務を記憶すればその後は自動的に業務をこなせるため、入社や配置転換などに伴う、業務の教育に都度かかっていたコストを削減することも可能だ。

業務の精度改善や生産性向上
RPAは、一定のルールの下、業務をミスなく正確に行える。同じ作業を人間が行なった場合、ミスが発生する可能性があるうえに、長時間に渡る作業では、適切に休憩を取る必要がある。休日や休憩を必要とせず、高い精度を維持し続けたまま作業ができるRPAは、業務効率や生産性を向上させることも可能だ。

従業員のモチベーション向上
RPAを導入すると、これまで人が行なってきた業務のうち、「ミスなく行うことが必要だが、単調な作業」を代替でき、従業員は人にしかできない、創造性の高い業務に専念できるようになる。これにより、やりがいが生まれ、モチベーションの向上にもつながるだろう。

まとめ

RPAとは、定型業務や同じ頻度で発生する業務を自動化するシステムのこと。人材不足や国際競争力の低下が懸念される日本において、少ない人材でこれまで以上の生産性を保つ手段として、注目されている。RPAにはその機能によって3種類に分類でき、レベルによって対応できる業務が異なる。RPAを導入すると、従業員は人にしかできない業務に専念できるようになり、生産性のアップやモチベーションの向上も見込まれる。自社にあったRPAの導入を検討してみてはいかがだろうか。


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