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組織サーベイ・診断を活用して社員の生産性・エンゲージメントを向上させる効果的な方法を解説

2022.05.18
オフィスのミカタ編集部

組織サーベイ・診断とは、社員の生産性向上やエンゲージメントアップのために、組織の環境を可視化する調査のことを指す。現状の組織課題や社員個人の課題を把握することは、会社の成長には欠かせない。今回は組織サーベイ・診断のメリットから活用方法、おすすめツールまで、導入を検討する方にとって有益な情報をお届けする。

組織サーベイを実施する目的・メリット

会社の成長を促進するためや個々の社員の状況を把握するために実施される組織サーベイ。その目的やメリットについて紹介する。

社員の生産性向上・エンゲージメントを向上させるための分析
組織サーベイは生産性やエンゲージメントの向上を目的としているが、あくまでも手法の一つということを忘れてはならない。どういった分析データが欲しいのか、企業力強化に必要な課題はなにか、しっかりと検討した上で行うことが大切だ。

組織サーベイと社内リサーチの違い
社内リサーチは特定の条件で絞り込んだ社員に関して、より深く理解するために行う。組織サーベイで課題の全体像を把握したあとに、さらに具体的な課題を発見するために行うのが社内リサーチだといえる。

組織サーベイと社員アンケートの違い
社内アンケートとは、アンケートの配布、回答、結果発表までを指し、組織サーベイのように結果を生かして改善するという行動までが含まれない。課題解決をゴールにするならば、組織サーベイを行う方がよいだろう。

組織の改善目的に応じて組織サーベイの方法を使い分ける

組織サーベイは実施頻度でタイプを分けることができる。長期スパンで大規模なデータを取得するサンセス型、短期間に頻繁に実施するパルスサーベイ型それぞれを詳しく解説する。

半年〜1年周期で実施し設問の数による情報量を武器としたセンサス型
サンセス型は、半年〜1年に一度程度の頻度で行うもので、50問以上の設問に回答してもらう情報量の多い組織サーベイだ。企業のことから回答者本人についてまで、さまざまな角度からデータを取得するため、正確な課題把握ができることがメリットだ。ただ、設問数が多い分、回答者である従業員の負担が増えることや情報量が多い分集計に時間がかかって迅速な問題解決に動けないなどのデメリットもある。

1週間〜1カ月で繰り返し行い情報鮮度を武器としたパルスサーベイ型
1週間〜1カ月に一度程度の頻度で、少ない設問に回答してもらうのがパルスサーベイ型。短期間で繰り返し実施することで細かな変化を把握でき、課題解決までのスピードが早い。ただ、パルスサーベイだけでは課題や問題の深い原因特定までは難しいため、課題が発生した場合には個別面談なども取り入れる必要がある。

組織改善のために行う組織サーベイのテーマ例

組織サーベイは活用目的によって利用する手法が変わる。ここでは組織サーベイのテーマ例を見ていこう。

エンゲージメントを高め業績向上につなげる企業生産性測定
生産性を高め業績向上につなげることを目的としたサーベイの一例が、エンゲージメントサーベイだ。会社や仕事への満足感や会社組織への責任意識を強く持っているかどうかをデータで把握することができる。

エンゲージメントの向上は営業利益率や労働生産性にも良い影響を与えることがわかっている。会社の生産性に課題を感じている場合に実施したい組織サーベイだ。

離職防止などにつながる従業員満足度調査
従業員満足度調査(ESサーベイ)は、サーベイが一般化する前から実施されている調査法で、従来は社員の満足度調査として利用されていた。しかし、近年では、社員と会社組織との関係性に焦点を当てた内容に変化しており、業務内容や人間関係はもちろんのこと人事評価への納得感なども調査対象となる。離職防止や業務パフォーマンス向上などを目的に実施する。

病気による休職防止などにつながるストレスチェック
メンタルヘルス不調の未然防止を目的として、労働安全衛生法で定められているストレスチェック制度は、50人以上の従業員が在籍する事業所で1年に1回の実施義務が課されている(参照「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」)。厚労省のマニュアルでは、チェック表には仕事のストレス要因・心身のストレス反応、周囲のサポートの領域を含むこととされており、「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」を利用することが推奨されている。

働きやすい組織風土につなげるモラルサーベイ
社員のパフォーマンス向上を目的に、働きやすい組織風土づくりに役立てるために活用されるのがモラルサーベイ(従業員意識調査)だ。主に従業員が不満や不安を感じている点を把握する内容になっている。センサス型で行うことが多い。

組織サーベイを形骸化させずに組織改善に貢献させる進め方

組織サーベイは調査・分析・改善までで1サイクルだが、企業によっては分析止まりになって形骸化しているケースも散見される。組織改善に役立てるための組織サーベイの進め方について紹介しよう。

経営部門から組織のゴール(ありたい像)をヒアリングする
まずは組織として目指したい姿を会社の経営サイトからヒアリングする。会社が向かう方向性を知ることが重要だ。

各部門長へのヒアリングからゴールと現状のギャップを仮説立てする
次は社内の現状の課題を仮説立てする。部門長など上に立つ人に、部署内でどういった問題を抱えているのか具体的な内容をヒアリングし、課題にアプローチできる組織サーベイを行えるようにしたい。

ギャップ解消に向けたデータ確保のため調査する項目と調査対象を設計する
全社員を対象とする組織サーベイも多いが、課題によっては対象者を絞った方が効果的な場合もある。調査項目に関しても、回答する社員の負担をできる限り減らすために必要最低限の項目数にしよう。目的に合わせて設問内容を精査してほしい。

正しいデータを収集するために組織サーベイの手法を決定する
前述した通り、組織サーベイにはサンセスとパルスサーベイという手法がある。正しいデータを収集するためにどちらが適しているのか検討し、決定する。

運用も視野に入れて実施する組織サーベイのツールを策定する
組織サーベイは一度で終わりではなく、継続して行っていくもの。ツールを上手に活用して運用者の負担が大幅に増えないように配慮したい。自社にとって有用なツールを選定して取り入れてほしい。

組織サーベイのデータ分析し改善策を立て実行する
組織サーベイを実施してデータ収集後、定量情報や定性情報から結果を客観的に分析する。多くのツールには分析機能も搭載されているため、さまざまな角度からのデータを可視化できるだろう。データの分析後は改善策を立てて、実行に移そう。

改善策実施後に実施背景や改善効果を社内に徹底周知する
組織サーベイの分析結果や改善策は社員に共有することが大切だ。自身が回答した結果がどう改善策に反映されているのかを周知することで、今後のサーベイへの協力も得られやすくなる。

頻繁な組織サーベイの実施は自体が社員の負担やストレスになることも

組織サーベイは組織や社員の課題解決に役立つが、それ自体が負担になってしまうこともある。短いスパンで設問数の多い組織サーベイを行うと、時間を取られて本来の業務をこなす時間が圧迫されてしまう。できるだけ気軽に回答できるような仕組みのツールを導入するなどして、社員の負担やストレスを軽減してほしい。

国内で広く活用されているおすすめ組織サーベイツール

組織サーベイは設問の設定や分析に大変な手間がかかるため、ツールを利用するのがよいだろう。ここでは国内で多くの企業が利用しているおすすめのツールを紹介する。

モチベーションクラウド
国内最大級の組織サーベイツール「モチベーションクラウド」の強みは、8740社・237万人のデータベースを活用できることにある。同業他社や同様の会社規模の他社平均と自社数値を比較することができるため、客観的に組織の状態を把握できる。
https://www.motivation-cloud.com/

適性検査CUBIC TRIUMPH ver.
ストレス耐性などを可視化することで離職率を低下させ、組織を活性化させることを目的にした「適性検査CUBIC TRIUMPH ver.」。会社ごとに設問内容をカスタマイズできるため、オリジナリティのある組織サーベイができ、より高い効果を期待できる。
https://www.triumph98.com/

Geppo
個人のパルスサーベイと組織診断の両方を低コストで行えると人気の「Geppo(ゲッポウ)」。個人と組織の両面から課題をあぶり出し、改善策を導き出すことができる。テレワークの推進により需要が高まっているストレスマネジメントにも最適だ。
https://www.geppo.jp/

HR OnBoard
入社後1年以内の新入社員の悩みを把握し、早期離職を防止するのが「HR OnBoard」だ。3000社以上のデータを基に開発したリスク判定アルゴリズムにより、社員のコンディションを素早くチェックし、離職予兆をキャッチ。早めにフォローを入れるなど、離職を食い止めることができる。
https://on-board.io/

jinjerワーク・バイタル
「jinjerワーク・バイタル」は、社員に週一回のアンケートを実施し、結果を自動分析するツール。データの管理から分析まですべて自動なため、管理の手間が0であることは大きなポイントだ。コンディションに変化があった場合はアラートで通知されるため、毎回データチェックをする必要がないことも業務負担を軽くしてくれるだろう。
https://hcm-jinjer.com/workvital/

テガラみる
社員の心のコンディションの把握を目的とした「テガラみる」は、最短30秒で入力できる“心のお天気”が特徴で、担当者が一目見て各社員の心理状態を把握することができる。気になる天気を書き込んだ社員に対しては1対1のタイムラインで気軽にコメントやスタンプを送受信できる。テレワーク中のスタッフでも使いやすい仕様となっている。
https://tegara.tegaramill.co.jp/

組織サーベイを扱っているツールは他にも数多くあり、以下のページではサービスの比較や一括ダウンロードが可能だ。ぜひチェックしてみてほしい。

ストレスチェックのサービス比較・無料資料ダウンロード

まとめ

組織サーベイは、会社組織・社員個人のどちらにとっても、よい方向へと進むための指針を示してくれる手法だ。課題の仮説立て、調査、分析、課題解決のクールをしっかりと実施して、会社の成長へと役立ててほしい。