楽天グループのICT事業会社がコンタクトセンターサービスを進化 コストを抑え使いやすく
楽天グループのICT事業会社である楽天コミュニケーションズ株式会社(以下「楽天コミュニケーションズ」)は、コンタクトセンター(顧客窓口業務)サービスブランド「楽天コネクト」シリーズの新たなサービスとして、2023年9月より、「楽天コネクトSmaCom(スマコム)」の提供を開始する。
コンタクトセンターサービスやPBXサービスは、導入に時間と費用がかかる?
楽天コミュニケーションズはこれまでに、⼤規模コンタクトセンター向けサービス「楽天コネクト Storm」、⼩・中規模コンタクトセンター向けサービス「楽天コネクト Speed」、AIで電話営業や顧客対応を可視化するIP電話サービス「楽天コネクト × MiiTel」の3サービスを提供している。
2023年7⽉3⽇に行われた発表会で、楽天コミュニケーションズ 代表取締役社長 COOの金子昌義氏は、「コロナ禍で在宅勤務が増え、メールやチャットといったコミュニティチャンネルが非常に多く使わるようになった。またお客様になかなか会えない中でお客様の満足度を高めるために、コンタクトエンターサービスのニーズが高まった。一方、人件費の上昇などでオペレーターの採用が難しくなってきているのに加え、リモートワークが定着し、オフィスの電話も固定電話からスマートフォンへと大きく切り替わっている。在宅のコールセンターをこれから立ち上げたいという企業も増えている。大きな変化に対応するため、楽天コミュニケーションズが、2011年から10年以上の⻑きにわたり積み重ねてきたコンタクトセンター基盤の構築・運⽤実績から得られた知⾒・ノウハウを集約して、新サービス『楽天コネクトSmaCom』を開発した」と、開発背景を述べた。
課題として大きかったのが、コンタクトセンターサービスやPBX(電話回線の交換機)サービスを導入したいが、時間と費用がかかってしまうということ。そこで、「より迅速により低価格で導入したい」というニーズに応えたのが「楽天コネクトSmaCom」の大きな特色だ。
2020年6月より提供を開始した「楽天コネクトSpeed」の後継サービスだが、大きな違いは、「楽天コネクトSpeed」が持っていたコンタクトセンター(顧客窓口業務)機能をさらに強化しつつ、より低価格で提供しており、幅広い企業が導入しやすいサービスとなっているということ。
「楽天コネクトSpeed」の「Call Centerライセンス」は1席9500円(税別、以下同)で2席から利用可能だが、新サービスの「楽天コネクトSmaCom」は月額1席1980円。「クラウドコンタクトセンターサービス」と「クラウドPBX(企業内の電話交換)サービス」の2つが利用可能だ。また最短5営業日で導入できてオペレーションを始められ、1カ月単位で解約が可能。
「5席から10席程度のベンチャー企業、独立したてでお客様相談室が設けられない会社、そういった方たちのために、ヘッドセットが必要な固定電話ではなくてスマホで、場所を選ばずに使える仕組みを作りたいということで、開発した」(金子氏)。
「席数の少ないスタートアップ企業や、短期間のキャンペーン対応のようなスピーディーな使い方をしたいお客様にも届けたい」と語る楽天コミュニケーションズ 代表取締役社長 COOの金子昌義氏
業務負荷も人件費削減にもつながる
楽天コミュニケーションズ株式会社 コンタクトセンターエンジニアリング部副部長でエバンジェリストの田中幸氏によると、「楽天コネクトSmaCom」は、クラウドコンタクトセンターサービス機能と同時に、クラウドPBX(企業内の電話交換機)昨日を備えているのも特長。これまでPBXを備えていなかった企業が新たに持つことができるのはもちろん、現在、社内にPBXを持っている企業も、クラウドに移行させることができる。
「オフィスに新たにPBXを導入する場合、初期導入のコストがかかる上、すでに導入していてもメンテナンスのコストが高額という課題を抱えている企業が多い。『楽天コネクトSmaCom』は、すでにPBXを導入している企業でも、低価格でクラウドPBXに切り換えることができる上、PBXのメンテナンスを担当している社員の業務負荷が減り、人件費削減にもつながる」(田中氏)
また今はオフィスの固定電話にかかってきた電話をスマートフォンで受けたいというニーズも高まっている。クラウドPBXを利用すれば、スマホを持って移動している社員同士が内線通話ができる。またクラウドサービスにすることで、社内の複数のPBX のOSを一元化することも可能だ。
SmaCom導入のイメージ図。左側がクラウドコンタクトセンターサービスの利用イメージ、右側がクラウドPBXサービスの利用イメージ。スマートフォンでコンタクトセンターにもオフィスにもつながる仕組み
■「楽天コネクトSmaCom」の4大特長
◎特長①…スピーディー・低価格
*基本的に導入のための初期費用は無料で、月額ライセンスは1980円から。
*最低1カ月からのスポット導入も可能。
*最短5営業日から導入可能。
◎特長②・・・利便性
*インターネット環境とパソコンのみで利用が可能
*オフィスの電話機をスマートフォンでリプレース可能
*スマートフォンは会社支給でも個人所有でも、どちらでも利用可能
◎特長③…多機能・拡張性
*コールセンターのサービスだとデフォルトではついてないケースが多い「全通話録音」「ダイヤラー」「簡易CRM」「FAQ」の機能を追加。
*既存の自社サービスと連携させたい場合も、API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を提供しているので、それを利用することで柔軟な外部連携も可能。
◎特長④…トータルサポート
*24時間365日のサポート
*楽天コミュニケーションズキャリアなので、自社電話回線を含めたワンストップで様々なサービスを提供でる。
■コンタクトセンターのライセンス体系は大きく3つ
*月額1席1980円という低価格で必要最小限の機能を集約した「コンタクトセンターベーシック」
お客様からの問い合わせ電話対応のために、手軽にコンタクトセンターを立ち上げることができるライセンス。低コストでありながら、DR(自動音声ガイダンス)やACD(着信コントロール)など、コンタクトセンターとして必要な機能を搭載している。
*月額1席5980円でコールセンターのフル機能を提供する「コンタクトセンターアドバンス」
ベーシックの機能一式に加えて、オペレーターのステータス状況や待ちコール数などがリアルタイムに確認できるレポートや、モニタリングやささやき機能といつたスーパーバイザー用の機能を搭載している。ささやき機能とは、コールセンターを管理するスーパーバイザーがオペレーターの通話を聞くことができ、その上でオペレーターにだけ聞こえる声でアドバイスでき、最悪の場合、切り替わって通話ができるシステム。
*月額1席7980円で、アウトバウンドで電話をかけるダイヤラーシステムを提供できる「コンタクトセンターアウトバウンド+」
お客様への架電業務をスマートに効率的にする、アウトバウンド業務に役立つライセンス。事前登録したリストヘ自動発信する機能で、架電数を大幅にアップすることができる。「企業から顧客にアプローチできるアウトバウンドの機能を新たにチャレンジで入れた。保険や英語教材、不動産などの営業などもターゲットとして入ってくるのではと期待している」(金子氏)
そのほか、コンタクトセンターでは通話記録が非常に重要視されているため、オプションで全通話録音機能を提供している。保存期間は3カ月(1席/1500円)と6カ月(1席/2000円)から選択することができる。
■クラウドPBXのライセンスは3種類
クラウドPBXのライセンスについては、オフィスユーザー向けのPBXライセンス「ビジネスフォン(オフィス用)」、受信端末としてスマートフォンを利用する「ビジネスフォン(モバイル用)」(※スマートフォンは利用者が用意)、どちらも月額580円/ID。ただしスマートフォンを利用する場合は、オプションとしてアプリを入れることになり、月額200円/IDとなる。オフィスにかかてきた電話については長期間保存をしたいというニーズはまだ少ないため、基本的には1カ月を保存期間として設定しており、月額500円/IDとなっている。
通話記録の保存期間は、今後延長できるよう改良していく予定。さまざまなノウハウはすでにあり、どのシステムを使うのが最も効率的で低料金かを検討している段階だという。また音声データのテキスト化など、AIを利用したサービスも今後、積極的に導入していきたい考えだ。
左)楽天コミュニケーションズ株式会社 コンタクトセンターエンジニアリング部 副部長 エバンジェリスト田中幸氏。(右)楽天コミュニケーションズ株式会社 代表取締役社長 COOの金子昌義氏
◎商品名: 楽天コネクトSmaCom
◎販売開始: 2023年9月(予定)
◎サービスページ: https://connect.rakuten.co.jp/smacom/











