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企業の2020年度決算、約6割の企業で売上減少

2021.09.08

帝国データバンクは、保有する企業財務データベース「COSMOS1」の中から、2020年度(2020年4月~2021年3月)決算業績(単体)が判明している約10万7000社(金融・保険を除く)のデータを抽出し、速報値として売り上げや財務状況の傾向についてとりまとめた。

業績動向:売上高伸び率平均は全体で0.2%のマイナスに

業績動向:売上高伸び率平均は全体で0.2%のマイナスに

2020年度決算の企業業績は全産業(金融・保険を除く)約10万7000社のうち、「減収」となった企業は58.3%を占め、2019年度と比べて18.0pt増加した。一方、「増収」となった企業は41.5%と、前年度から11.9pt減少。

2020年度の売上高伸び率平均は0.2%のマイナスとなった。わずかな減収幅ながらも、2019年度から一転してマイナス。3カ月ごとの決算期別に比較すると、「4-6月期」は4.0%のプラスであったのに対し、決算期が後になるほどに悪化、決算期間中においてコロナ禍が長かった企業ほど悪化幅が大きくなっており、「1-3月期」は4.5%のマイナスとなっている。

業種別にみると、減収企業の割合が最も高かったのは製造業で、71.5%に達した。非製造業全体では55.6%。

業種ごとの売上高伸び率平均をみると、その他を除く43業種中27業種でマイナスとなった。もっとも落ち込みが大きかったのは「宿泊業」で28.5%のマイナス。対して、売上高の増加率が高かったのが、「電気通信・郵便」(+11.0%)、「教育」(+8.0%)、「不動産」(+6.2%)だった。

運転資金動向:コロナ禍に借入増加で対応

運転資金動向:コロナ禍に借入増加で対応

「現預金手持日数」は全産業の平均で99日分となった。2019年度と比較すると、25日分の増加。

月商に対する有利子負債の割合を示す「有利子負債月商倍率」をみると、2020年度は5.1倍に達し、2019年度の4.1倍から大きく増加。製造は6.3倍、非製造は4.9倍となった。企業債務を「短期借入金」の回転期間からみると、全産業は31日分となり、2019年度と比較して1日分の増加にとどまった。

一方で「社債・長期借入金」の回転期間は、全産業で115日分となり、2019年度と比較して、1カ月近い増加をみせている。

まとめ

業績不振、財務内容の悪化による一時的な“歪み”にとどまるのか、あるいは改善への道筋を描けないまま淘汰されていくのか、今後を見据えたコロナ対策と経営支援策が求められよう。

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