マイクロソフト、生成AIが働き方をどのように変えるのかレポートを発表|68%が仕事の質が向上したと回答
米国時間2023年11月15日、マイクロソフトは、Copilot for Microsoft 365などの生成AIを活用したサービスが、人々の働き方をどのように変革できるのかを調査したレポートを公開した。
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Copilotによる生産性の向上
「Copilot(コパイロット)」は米マイクロソフトが2023年9月末に公開したWindows 11向けの対話AI(人工知能)。「Copilot for Microsoft 365」はSaaSである「Microsoft 365」に生成AIを搭載したもので、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teams などの一般的な Microsoft 365 アプリと連携して動作するもの(※1)。日本では2023年11月1日から実装されている。
Copilot for Microsoft 365 アーリーアクセスプログラムの参加ユーザー 297人を対象に、会議や文書作成などでCopilotをどのように使用しているか調査したところ、生産性向上と時間削減ができたことがわかった。
・仕事の質が向上した 68%
・創造性が高まった 57%
・創造プロセスの活性化に役立った 68%
・文書作成中にアイデアを生み出す際に役立った 72%
・Copilotによって時間を節約でき、より重要な仕事に集中できるようになった 67%
・平均で1日14分、1週間で1.2時間分の時間を節約
・1日30分以上の時間を節約できている 22%
・1日30分以上時間を節約できると回答したユーザーが、その節約した時間を充てるのは集中作業(53%)が最多
※1参考元:Copilot Microsoft
Copilotによる業務効率化
日常の様々な業務において、Copilotを使用するグループと、使用しないグループに同じ作業をしてもらい、比較した結果、下記が判明した。
・情報検索、会議要約、ブログ記事執筆の一連のタスクにおいて、Copilotのユーザーは、29%速く完了でき、所要時間は29分42秒。Copilotを使用していないユーザーは42分6秒。
・録画された35分間の会議の要約において、Copilotのユーザーは11分13秒、使用していないユーザーは42分34秒かかった。
・Copilotを使用して書かれたメールは、18%より明瞭(clear)だと評価された。
・Copilotを使用して書かれたメールは、19%より簡潔(concise)だと評価された。
・ファイル、メール、予定表を横断して情報を検索する作業では、Copilotのユーザーは17分54秒、使用していないユーザーは24分18秒かかった
ビジネスプロセスをAIで変革
6つの異なる職務に就く人に、生成AIが仕事のパフォーマンスにプラスの影響を与える可能性があるのはどこかを尋ねたところ、トップとなったのは「必要な情報を見つけること」となった。そこから、職務別に独自のニーズが浮かび上がってきた。
・営業担当者:営業機会の特定(75%)、マーケティングデータと販売データの統合(74%)
・カスタマーサービス担当者:問題を適切な担当者にインテリジェントに引き渡すこと(70%)、担当者と顧客のやり取り全体の傾向を検出すること(68%)
・財務部門:財務報告の簡素化(73%)、データ品質の検証(72%)
まとめ
本調査により、生成AIの活用で生産性向上や業務効率化に大きな効果が得られることが明らかとなった。現在、多くの企業や組織で生成AIガイドラインが策定されている。また、経済産業省では、令和5年8月に「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方」を発表している。参考にしていただきたい。
参考:経済産業省「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方」