企業が選ぶ2023年の漢字「変」がトップ|1年間の事業活動を企業はどう感じているかが明らかに
年末の風物詩として、一般から広く募集したその年の世相を1字で表す「今年の漢字®」(日本漢字能力検定協会)が、例年12月中旬に京都の清水寺で発表される。そこで帝国データバンクは、企業において2023年はどんな年であったのか、今年1年の事業活動を表す漢字についてアンケートを実施した。
調査概要
アンケート期間:2023年11月10日~14日
有効回答企業数:955社
調査方法:インターネット調査
調査機関:株式会社帝国データバンク
変化や変革を表す「変」がトップ
2023年の事業活動を表す漢字の1位は「変」となった。選んだ理由として企業からは「生活や働き方改革、人手不足、物価上昇など、世の中が急激に変化している」(建設)、「変革の変。DXなどにより時代の変化のスピードが速い」(不動産)との声があり、変化や変革の年と捉えた。
<企業の声>
・異常気象や物価高騰、ロシア・ウクライナ、中東情勢、政治など正常な状態でないことが多すぎて「変(へん)」 であった。またそれらに対応していかなければならず、変化が必要だった(その他の卸売)
・環境や人材など色々な事が激変するなかで、会社の方向性も含め変化を求められた1年であった(情報サービス)
「忍耐の年」2位は「耐」、3位は「忍」
続いて2位に「耐」、3位には「忍」が続いた。企業からは「原材料価格などの高騰が継続することに対して耐え忍ぶ年だった」(機械製造)、「コロナは収束したものの、円安や国際情勢、人手不足など先行きが見えないのが率直な思い。なんとか耐え忍んだ1年だった」(専門サービス)と、困難な状況への対応についての声が聞かれた。
<企業の声>
・今年1年は思うように売り上げが伸びず、一方で経費はかかり、どのようにして利益をあげるかを試行錯誤した。と にかく今年は忍耐強く取り組むしかなかった(紙類・文具・書籍卸売)
4位に「高」、5位には「乱」がランクイン
4位は「高」。「物価、原材料、燃料費、人件費など全てにおいて高騰しており“高”を選んだ」(飲食料品・飼料製造)。5位は戦乱や混乱、乱れを表す「乱」。「国際社会、政治、経済、社会などさまざまな面で秩序や規範が乱れた」(鉄鋼・非鉄・鉱業)という声が聞かれた。
まとめ
2023年、社会に様々な乱れが起こり物価や人件費が高騰するといった変化の中、変革へと向かいながら耐え忍ぶ1年となった企業が多かったようだ。変化・変革を経て迎える2024年はどのような1年になるのだろうか。年の瀬には、企業として、従業員として、どのような2024年にしたいかを話してみるのもいいのでは?なお、「今年の漢字®」(日本漢字能力検定協会)2023の応募は12月4日まで(Webは6日まで)受け付けており、12月12日に発表となっている。
参考:2023年「今年の漢字」特設サイト