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約6割の社会人がパワハラに遭遇、パワハラ被害の経験者がとった対応とその結果とは?

2024.02.26

株式会社アシロ(本社所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:中山博登)は、労働問題の相談・対応を得意とする弁護士・法律事務所を検索できるポータルサイト「ベンナビ労働問題」にて、18歳〜69歳の3000人を対象に、パワーハラスメント(以下パワハラ)に関するアンケート調査を行った。

出典:ベンナビ労働問題

調査実施の背景

総務省統計局の発表によると、2023年12月時点の就業者人口は6754万人(※1)であり、その内90.5%(6114万人)が自営業主や家族従業者ではない雇用者である。また、さまざまなハラスメントの中でも、パワハラの相談件数は全体の48.2%(※2)を占めており、セクシャルハラスメント(以下、セクハラ)の29.8%を上回り、最多となっている。

同社は、ハラスメントへの意識が高まる現代において、実態としてどのくらいの人がパワハラの被害に遭っているのか、またパワハラに遭った方がどのように対応したのか、その結果を含めた実態を把握するため「ベンナビ労働問題」を主体に、18歳〜69歳の3000人を対象としたアンケート調査を実施した。

※1 総務省統計局令和5年(2023)12月分 労働力調査

※2 厚生労働省令和2年(2020)職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書

調査概要

調査対象: 18歳〜69歳の3000人
調査方法: Freeasyを用いたインターネットリサーチ
調査日: 2024年2月8日

約6割の会社でパワハラ、加害者は上長が多数

約6割の会社でパワハラ、加害者は上長が多数

同社によると「自身が受けたことがあり、他の人がされているのを見たことがある」「自身が受けたことがあり、他の人がされているのを見たことはない」との回答が43.0%となり、4割以上がパワハラの被害に遭っていることがわかっている。

また「自身が受けたことはなく、他の人がされているのを見たことがある」との回答が16.8%であることから、上記と合算した59.8%が、パワハラが起きている会社で働いた経験があることになる。

さらに同社は、加害者についても調査。パワハラ加害者の中で最も多いのは「同性の上司(1130人)」であり「同性の先輩(432人)」も含めると、多くの場合は同性の上長がパワハラをしていることがわかった。「異性の上司(466人)」との回答も多いことから、同社は性別を問わず役職上の優位にある人がパワハラをしてしまうケースが多いと考察している。

一方で、性別を問わず「部下・後輩(同性:103人/異性:49人)」からパワハラを受けたケースもあり、パワハラが必ずしも役職上の優位性を前提としたものではないことも明らかになった。

※複数選択形式のため回答合計件数が対象者数を超える場合がある

パワハラのほとんどは精神的な攻撃

パワハラのほとんどは精神的な攻撃

同社は続いて「パワハラを経験した」「パワハラを見た」のいずれか、もしくは両方に該当する対象者1794人を対象に、パワハラの内容を尋ねた。

最も多いのは「暴言・侮辱・大声で怒鳴る(1171人)」で、そのほか「悪質な悪口・陰口(557人)」「無視・仲間外れ(435人)」などが多く「暴行・傷害」は221人に留まった。このことから同社は、パワハラの多くが精神的な攻撃であることがわかると報告した。

また「業務上明らかに不要なこと、遂行不可能なことの強要(426人)」「必要以上な仕事への監視・関与(287人)」も多く、同社は当事者が上下関係にあるケースが多いと推察している。

※複数選択形式のため回答合計件数が対象者数を超える場合がある

多くが対処はせず、対処しても解決に至るケースは一部

多くが対処はせず、対処しても解決に至るケースは一部

さらに同社は、パワハラへの対応について調査。「パワハラを受けたときどう対処しましたか?」という質問に対して、576人が「何もしなかった」と回答しており、泣き寝入りする人が多い実態が明らかになった。

また、具体的に対応した人の回答は「社内の先輩や同僚に相談した(295人)」「家族や友人に相談した(216人)」「パワハラ加害者に自らに抗議した(169人)」「社内の担当部署に相談した(165人)」が上位に挙げられた。

同社によると、そうした対応の結果として最も多かったのは「変わらなかった(今も我慢している)」の32.8%となっている。次いで「被害者側が退職した(20.6%)」「加害者側が退職した(8.4%)」「加害者側が異動になった(7.6%)」「被害者側が異動になった(7.0%)」が続いた。なお「解決した」との回答は19.4%に留まっている。

まとめ

企業にはパワハラ対策が義務付けられているが、実態として約6割の人がパワハラに遭遇していることが明らかになった。また、泣き寝入りする人や、対処しても何も変わらず我慢し続けている人も多く、パワハラを根絶させることは容易ではないことがわかる。

改めて、自社でのパワハラを防ぐためにどのような対策をとっていくか、この機会に考えてみてはいかがだろうか。オフィスのミカタではパワハラ防止法についての解説記事も掲載している。参考にしていただきたい。

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