「時間短縮になるから」などを理由に7割以上がAIに好印象【楽天インサイト公開レポート「AIに関する調査」】
楽天インサイト株式会社は「AIに関する調査」をインターネットで実施。AI(人工知能)のイメージや生活への関与、仕事への影響などについて調査した。なお、今回の調査における設問の一部は、生成AIで作成し聴取を行っており、楽天インサイトが実施する公開レポートにおけるAIツールの活用は、今回が初の試みだ。
「AIのイメージ」7割以上が好印象
本調査ではまず、AIのイメージについて質問。その結果「効率的に作業を進めることができる(43.1%)」「知りたい情報をすぐに教えてくれる(35.7%)」「新たなビジネス機会の創出につながる(29.6%)」が上位に挙げられた。
また、AIが自身の生活に関与することに対してどのように思うかを尋ねた。その結果「良い印象を持っている」計(「とても良い印象を持っている(12.0%)」と「やや良い印象を持っている(58.8%)」の合計)は70.8%に。年代別では、40代が77.6%で、全体より5ポイント以上高い結果となっている。
良い印象を持っている理由については「時間短縮になるから」(53.8%)が最多。次いで「人間では起こり得るミスを減らすことができるから(データ入力での誤入力、文書作成での文法ミス、スペルミスなど)(47.3%)」「自分では見逃してしまうようなモノやコトを見つけてくれるから(37.8%)」が続いている。同社は、年代別でみると「自分では見逃してしまうようなモノやコトを見つけてくれるから」の回答は年代が上がるにつれて増える傾向であったことも報告した。
AIに任せたほうが良いと思う業務「製品の在庫管理」
本調査では続いて、AIに任せたほうが良いと思う業務と、人間が対応したほうが良いと思う業務について調査。その結果、AIに任せたほうが良いと思う業務は「製品の在庫管理(53.7%)」「経理処理(52.3%)」「資料作成(52.1%)」が上位となった。人間が対応したほうが良いと思う業務は「最終意思決定(56.4%)」「医療行為(49.9%)」「従業員の採用(47.7%)」が上位に並んでいる。
同社は、AIには一定のルールに沿った管理や処理業務を任せ、人間は重要な意思決定や臨機応変な判断を要する業務に対応したほうが良いという傾向があると分析した。
AIに対する感情「期待」が最多 7割以上が「仕事に好影響」
次に本調査では、AIについて持っている最も近い感情を調査。その結果、最も多かったのは「期待(31.4%)」で、次いで「好奇心(21.0%)」「不安(13.4%)」が続いた。年代別では、40代以降において「疑念」の回答が増える傾向にあったという。
また、AIの普及により自分の仕事がどのような影響を受けると思うかとの設問では「良い影響(プラスの影響)を受ける」計(「良い影響を受ける(17.0%)」と「どちらかというと良い影響を受ける(58.2%)」の合計)は75.2%となっている。
約4割が仕事にAIを「積極的に取り入れる」
さらに、AIの普及により自分の仕事がなくなることを心配しているかとの設問では「心配している」計(「とても心配している(5.3%)」と「やや心配している(19.6%)」の合計)は24.8%と、多くの人はAIの普及を肯定的に捉えている様子がうかがえる結果となっている。
なお、AIを自分の仕事に取り入れることに対して「積極的」計(「とても積極的(8.3%)」と「やや積極的(31.9%)」の合計)は40.2%で「積極的ではない」計(「まったく積極的ではない(5.9%)」と「あまり積極的ではない(10.7%)」の合計)は16.6%であった。
調査概要
調査エリア:全国
調査対象者:20歳~69歳 男女
回収サンプルサイズ:900サンプルサイズ
調査期間:2024年3月7日から3月8日
調査実施機関:楽天インサイト株式会社
出典元:AIに対して良い印象を持っている人は70%以上。理由は「時間短縮になるから」が53.8%でトップ。AIに関する調査(楽天インサイト株式会社)
※本レポートでは小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計値は必ずしも100%とならない場合がある
※本レポートでは実数で全体との差分の色付けをしているため、表記上の数値での差分と異なる場合がある
まとめ
本調査により、AIに対して肯定的な意見を持つ人が多いことが明らかになった。AIに任せた方がいい仕事と、人が対応すべき仕事の棲み分けができていることが、その背景にありそうだ。
株式会社学情が実施した調査では、25卒生の8割以上が「AI活用、DX推進により新たに必要になるスキル」について「習得したい」と考えていることも明らかになっており、AI活用は必要不可欠なものだという認識がうかがえる。
活用において課題もあるとされるAIだが、適した場面・仕事で活用すれば、業務効率化に大きく貢献することだろう。
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