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OBCとPayPayが機能連携 給与デジタル払い普及の後押しになるか

2024.08.22

株式会社オービックビジネスコンサルタント(代表取締役社長:和田成史、本社:東京都新宿区、以下:OBC)と、PayPay株式会社(代表取締役 社長執行役員CEO:中山一郎、本社:東京都港区、以下:PayPay)は、2024年8月21日、賃金のデジタル払い(以下:給与デジタル払い)の機能連携に関する基本合意書(以下:基本合意)を締結したことを発表した。

給与デジタル払い導入の負担軽減とユーザーの利便性向上を目指し機能連携

給与デジタル払い導入の負担軽減とユーザーの利便性向上を目指し機能連携

キャッシュレス決済の普及や送金サービスの多様化が進む中、OBCでは提供する「奉行クラウド」の利用企業において、今後給与デジタル払いを希望する従業員が増加してくると捉え、かねてよりバックオフィス担当者が業務負荷をかけずに給与デジタル払いが行える仕組みについて開発検討を進めてきたという。

一方、PayPayは、2024年8月9日に資金移動業者の口座への賃金支払い(給与デジタル払い)に対応する資金移動業者として厚生労働大臣の指定を受け、8月14日よりソフトバンクグループ各社の従業員(ユーザー)を対象に「PayPay給与受取」のサービス提供を開始しており、2024年内にはすべてのPayPayユーザー(※1)を対象に同サービスの提供開始を予定しているという。

そうした状況を踏まえ、両社は機能連携によって、給与デジタル払いを導入する企業の負担を軽減し、バックオフィス担当者と従業員の利便性向上を目指すとして、今回の基本合意に至ったと報告している。

連携および機能提供は2025年春頃に予定されており、PayPayが提供する「PayPay給与受取」とOBCが提供する「奉行Edge 労務管理電子化クラウド」の機能が連携される。これにより、利用企業における【従業員(ユーザー)の「給与受取口座への入金用口座番号」の入力誤り・負荷の削減】と【雇用主(事業者)バックオフィス担当者の給与振込先口座の収集業務の効率化】を実現するとしている。

(※1)「PayPay給与受取」はPayPayアプリで本人確認が完了しているユーザーが対象

PayPayアカウントで給与を受け取るには?

PayPayアカウントで給与の受取を希望する従業員(ユーザー)は、まず勤務先で給与デジタル払いに対応するために必要な労使協定の締結がされているかを確認する必要がある。その上で、雇用主(事業者)から給与デジタル払いに関する留意事項などの説明を受け、個別に同意申請を行う。

次に行うのが、PayPayアプリでの「PayPay給与受取」への申し込みだ。これにより、PayPayアカウントで給与を受け取るための「給与受取口座」と、受け取った給与をPayPay残高として保有する「PayPayマネーアカウント(給与受取)」、および銀行振込により「PayPayマネーアカウント(給与受取)」にチャージするための「給与受取口座への入金用口座番号(銀行口座番号)」が設定されるという。

従業員が当該口座番号を雇用主(事業者)に伝え、雇用主(事業者)が当該口座番号宛てに給与を銀行振込すると、PayPay残高(PayPayマネー(給与))として「PayPayマネーアカウント(給与受取)」にチャージされるという仕組みだ。

まとめ

2023年4月に解禁された給与デジタル払いが、いよいよ本格的な始動の時期を迎えるのか。今回機能連携に関する基本合意を発表した両社の取り組みを、引き続き注視していきたい。

今後導入を視野に入れている企業担当者は、厚生労働省のウェブサイトも参考に、さらなる検討を進めてもいいだろう。

参考:資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について(厚生労働省)