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2024年8月時点で改定後最低賃金を下回る求人の割合は約4割に リクルート調査

2024.09.17

株式会社リクルートは、運営するジョブズリサーチセンターにおいて「2024年度 最低賃金改定の影響に関する調査レポート」を公開した。本レポートはジョブズリサーチセンターが毎月調査発表している「アルバイト・パート募集時平均時給調査」のデータ、および「令和6年度地域別最低賃金額答申状況」により公表された各都道府県の改定額をもとに、最低賃金改定の影響についてまとめたもの。人事担当者は10月からの賃金改定を前に、改めてチェックしておくことをおすすめする。

調査概要

調査内容:アルバイト・パートの募集時の平均時給について
調査手法:『TOWNWORK』『fromA navi』に掲載された求人情報より、アルバイト・パートの求人情報を抽出、集計 ※2022年4月度に集計対象拡大等のリニューアルを実施
調査期間:月次で集計、調査発表(毎月1日~末日までの掲載分を集計)
集計対象件数:月次で変動(2024年8月は53万1997件)
出典元:2024年度 最低賃金改定の影響に関する調査レポート <各都道府県改定額 × 2024年8月時点掲載の求人情報>(ジョブズリサーチセンター/株式会社リクルート)

最低賃金改定の状況

最低賃金改定の状況

本調査ではまずはじめに、全体の状況をつかむために、全国加重平均の推移を確認している。2024年度は中央最低賃金審議会が答申した全国一律50円の引き上げ目安に対して、27県が目安を上回る答申をし、50~84円の引き上げが決定。全国加重平均は51円引き上げられ1055円となっている。引き上げ額51円は最低賃金が時給で示されるようになった2002年以降最大だ。

都道府県別の引き上げ率は4.5~9.4%で、84円の大幅引き上げをおこなった徳島県をはじめ東北、四国、九州において目安額を超えて引き上げた県が多く存在する。

8月時点の求人情報では約4割が改定後最低賃金を下回る

8月時点の求人情報では約4割が改定後最低賃金を下回る

続いて本調査では、8月時点で同社媒体に掲載されていた求人情報のうち、改定後最低賃金を下回る求人の割合を調査。全国でみると37.4%で、都道府県別では「高知(61.0%)」「徳島(53.6%)」「福島(52.7%)」「鳥取(50.3%)」「愛媛(50.1%)」の5県で5割を上回ることがわかった。職種別では「販売・サービス系」がもっとも高く45.4%、「フード系」も41.0%と4割を上回ったことが報告されている。

8月時点で改定後最低賃金を下回る求人の割合について、過去からの推移をみると2017年以降で最も高い割合となっていることがわかる。中でも東北、中国・四国、九州では2023年を10ポイント以上上回ったという。職種別では専門職系を除いた全ての職種において、2017年以降で最も高い割合であったことも判明した。

まとめ

過去最大の引き上げ額となった2024年度の最低賃金改定。8月時点では4割近い求人が改定後最低賃金を下回っていることが明らかになった。10月の改定以降に最低賃金額を下回っていた場合、ペナルティが発生する。月給や固定残業代についても時給換算した際に下回ることがないよう、注意が必要だ。

基本給は修正していたものの、残業・深夜手当などに修正漏れがあったというケースも多いようだ。既に準備を終えているという担当者も、改めて対応内容の見直しをする機会としていただきたい。

参考:全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました(厚生労働省)