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「フリーランス新法」施行で、契約トラブル防止に期待する人が37%!働き方の満足度は? マイナビ調査

2024.10.22

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、全国のフリーランスとして働く個人を対象に実施した「フリーランスの意識・就業実態調査2024年版」の結果を発表。収入の実態や働く上での不安、「フリーランス新法」施行への期待度などを明らかにした。

調査概要

調査期間:2024年8月23日~8月27日
調査方法:WEBアンケート調査
調査主体:株式会社マイナビ
アンケートモニター提供元:外部調査会社
調査対象:全国の20~69歳の男女のうち、本業または副業でフリーランスに該当する業務を行っている人
※フリーランスの定義は以下の通り
定義:
① -雇い主がいない、個人事業
② -①の事業のための実店舗はない
③ -①の事業において従業員を長期で雇用していない
有効回答数:1000名(独立系:776名、副業系:224名)
出典元:フリーランスの意識・就業実態調査2024年版(株式会社マイナビ)

約半数が会社員時より収入減少も働き方には満足する人が多数

約半数が会社員時より収入減少も働き方には満足する人が多数

本調査では、元会社員(正社員)で現在フリーランスとして独立している人に、働き方の違いを質問。「(会社員時代より)増えた」のは「仕事の進め方の自由度(79.9%)」「私生活の幸福度(58.6%)」が上位に挙げられている。逆に「(会社員時代より)減った」のは「仕事上のストレス(65.5%)」がトップとなった。

また、収入については「増えた(計35.7%)」と「減った(計49.9%)」とで、回答が割れている。「ITエンジニア・開発系:約73万円増加」「編集・ライター・印刷系:約95万円減少」など、職種による違いがあるようだ。

一方で、働き方の満足度では全体の62.1%が「満足」と回答しており、職種別にみても半数以上が「満足」と回答。人によっては収入減となっているものの、働き方には満足している人が多いようだ。

働く上での不安は「収入の不安定さ(38.8%)」交渉の余地は?

働く上での不安は「収入の不安定さ(38.8%)」交渉の余地は?

続いて本調査では、フリーランスとして働いている人が働く上でどのような不安を抱えているか調査。その結果「収入に波がある・不安定(38.8%)」が最も多く、次いで「収入額が少ない(31.6%)」が挙げられている。

直近1年間の最高月収は平均53.5万円で、最低月収平均は11.3万円。職種別の分析では「ITエンジニア・開発系」や「コンサルタント系」は最高月収・最低月収どちらも平均より高く「建築・施工系」の最低月収は平均以下だが最高月収は平均以上と、職種によって異なる不安定さがみられたという。

さらに、金額などの条件面について取引先と交渉できる余地があるかとの質問には「業務範囲・仕事内容について(75.0%)」「納期・スケジュールについて(71.9%)」「金額面の交渉(61.7%)」と、それぞれ6割以上が「交渉ができる余地がある(「十分交渉の余地がある」+「ある程度交渉の余地がある」)」と回答している。一方で、約5人に1人がいずれにおいても「交渉の余地がない(18.2%)」と回答したことも報告された。

「フリーランス新法」施行で契約トラブル防止に「期待できる」の声

「フリーランス新法」施行で契約トラブル防止に「期待できる」の声

次に本調査は「フリーランス新法」について期待感を質問。「フリーランスとしての働きやすさの向上(総合的に)」に期待できる(「期待できる」+「やや期待できる」)と回答した人が35.0%となっている。

その理由としては「法律を味方につけることができる」「いざというときの対応の仕方が判断しやすくなる」「不利益があった時、意見できそう」といった声が挙げられたという。一方で「期待しない」と回答した人からは「発注先が有利なことに変わりはない」「要望を言っていたら、仕事がなくなりそう」「内容が不十分」といった意見が多いようだ。

また、期待度を要素別でみると「契約トラブルの防止(37.8%)」「トラブルの際に自己の権利を主張しやすくなること(33.9%)」「フリーランスとして安心して働ける環境になること(32.5%)」などに期待できると感じている人が多いことがわかった。

一方で「発注元との交渉力の向上」「育児・介護がしやすくなること」の2つについては「期待できる(「期待できる」+「やや期待できる」)」より「期待できない(「期待できない」+「あまり期待できない」)」との回答が多い結果となっている。

まとめ

フリーランスという働き方への満足度は全体的に高い傾向にあることがわかった。一方で、収入の減少や不安定さといったリスクもあり、そこに不安を感じる人も多いようだ。働きやすさの向上や契約トラブルの防止に期待が寄せられている「フリーランス新法」。施行によりフリーランスの働く環境の整備が進めば、働き方の選択肢としてより選ばれやすくなるかもしれない。

しかし「交渉力の向上」「育児・介護との両立」といった点では、期待できないと感じている人も少なくない。新法施行がフリーランスの労働環境にどれほどの好影響をもたらすか、今後も注目したいところだ。

参考:公正取引委員会フリーランス法特設サイト(公正取引委員会)