就活時のWebテスト、45%が何らかの「カンニング」行為 サーティファイ調査
株式会社サーティファイ(所在地:東京都中央区、代表取締役:瀧澤茂)は、オンラインによる就職活動についての実態調査を実施した。2022年には「替え玉受験」の不正が発覚し、替え玉受験を代行する業者が逮捕され、依頼していた学生3名も書類送検される事件が発生。オンライン試験での不正行為が問題視される中、詳細な不正行為の実態を把握すべく実施したもの。
調査概要
調査期間:2024年10月16日〜10月18日
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:オンライン就職活動経験者 (2024年卒業〜2026年卒業予定)
有効回答:591名 (2024年卒:179名、2025年卒予定:297名、2026名卒予定:115名)
出典元:株式会社サーティファイ
オンラインの試験で半数近くがカンニングを実行
同社によると、調査対象者591名のうち、45.5%にあたる269名が自宅などで受験したオンライン試験で「何らかのカンニング」を実行したと回答したという。特に生成AIを利用した不正行為が従来の「替え玉受験」を上回っており、同社は生成AIの普及により不正行為がより手軽になった可能性が示されたと報告している。
また、2025年卒業予定者の「何らかのカンニングをした」比率は40%まで抑えられたが、2026年卒業予定者では50%近くまで再び上昇していることも明らかになった。
さらに、なんらかのカンニングを実行した269名のうち、62.5%にあたる168名がカンニングを行った企業から内定を得ていることも判明。オンライン就職活動者全体の591名で見ると、28.4%がカンニングで内定を獲得していることになる。
2024年卒のカンニング実行者については8割以上が内定を獲得しており、2024年卒全体179名のうち43%がカンニングで内定を獲得している。2026年卒業予定者については調査時点での内定獲得人数であるため、これから内定出しが本格化することで「カンニングを行った企業から内定を得た」人数は増加すると同社は予想している。
まとめ
本調査結果からは、企業がオンライン試験における不正行為を見抜けていない現状が明らかになっている。生成AIの普及も、採用側にとって思わぬ悪影響を及ぼしているようだ。採用プロセスにおいて不正行為が見逃されてしまえば、入社後にトラブルが起こる可能性も考えら、サーティファイは企業のガバナンスやブランド価値に長期的なダメージを与えるリスクについても指摘している。
また、不正が行われることによって、本来採用すべき人材を逃すリスクも高まってしまう。就職活動のオンライン試験においてどのように不正対策を実施していくか、改めて検討する必要がありそうだ。