使ってみてわかった生成AI導入の課題とは?満足度は高いが約8割が課題感 Helpfeel調査
株式会社Helpfeel(京都府京都市、代表取締役/CEO:洛西一周)は、有料の生成AIを導入している企業のツール導入立案者または運用担当者を対象に「企業の生成AI導入」に関する実態調査を実施した。進歩が目覚ましい生成AIの活用が、企業でも進むなか、本調査ではその満足度や課題感に関する実態を明らかにした。
調査概要
「企業の生成AI導入」に関する実態調査
調査期間:2024年10月3日~10月5日
調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
調査人数:1007人
調査対象:調査回答時に有料の生成AIを導入している企業のツール導入立案者または運用担当者と回答したモニター
調査元:株式会社Helpfeel
モニター提供元:PRIZMAリサーチ
出典元:【企業の生成AIの導入に8割が課題感あり!】9割の満足度と相反する「使ってみて分かった課題」とは?(株式会社Helpfeel)
導入・活用している部署「情報システム」「マーケティング」「営業」が上位に
本調査ではまずはじめに「所属している企業では有料の生成AIを導入していますか?」と質問。7712人のうち1557人が「はい(20.2%)」と回答したことが明らかになっている。
同社はその中から、生成AI導入における導入立案者と運用担当者合わせて1007人を対象にさらに調査を進めた。
対象者の所属部署については「人事・総務(16.7%)」「営業(16.6%)」「情報システム(16.4%)」が多いようだ。また、社内で生成AIを導入・活用している部署については「情報システム(34.9%)」「マーケティング(29.8%)」「営業(29.3%)」が上位に挙げられている。
満足感約9割に対して課題感は約8割
同社によると、社内に生成AIを導入した理由としては「リサーチ・分析のため(33.4%)」「顧客対応の自動化のため(32.5%)」「メール・企画書などの文書作成のため(29.6%)」が多いという。
また、その効果に対して約9割が「とても満足している(30.4%)」「やや満足している(58.0%)」と回答しており、生成AI導入の満足度は非常に高いようだ。
一方で「生成AIを導入してみて課題を感じましたか?」との質問に対しては約8割が「かなり課題を感じた(19.5%)」「やや課題を感じた(58.1%)」と回答。多くが満足していると感じながらも、課題を感じている部分も大きいことが明らかになった。
同社は導入理由別に分析を実施しており、リサーチ・分析、顧客対応の自動化、メール・企画書などの文書作成を理由に生成AIを導入した人は「課題を感じた」との回答割合が高いのに対し、情報収集を理由に生成AIを導入した人は「課題を感じなかった」との回答割合が高いという。
生成AI導入で感じる課題のトップ3は?
本調査では続いて生成AIを導入して「かなり課題を感じた」「やや課題を感じた」と回答した人を対象に具体的な課題点を尋ねている。その結果、上位には「データプライバシーの懸念(37.0%)」「情報漏洩・セキュリティ面の懸念(36.8%)」「ハルシネーションの発生(30.8%)」が挙げられた。
同社はこれらの課題に対するルールの整備状況について調査。「データプライバシー」「情報漏洩・セキュリティ面」を課題だと感じている人は社内ルールが整備されていないケースが多く、ルールの整備が課題解決につながる可能性があると指摘している。
一方「ハルシネーションの発生」を課題とする人では、既にルールが整備されている割合が高いにもかかわらず課題が残っていることが明らかに。同社は、ルール整備以外の対策が必要であるとの見解を示した。
まとめ
高い満足度となった生成AIの導入だが、一方で多くの人が課題を感じていることが明らかになった。その中にはルールの整備で対応できそうなものもあれば、ルールの整備以外の対策が必要だと考えられるものも。自社の課題に応じた対策をとっていく必要があるだろう。
また本調査では、導入の目的が情報収集などシンプルなものであれば課題を感じにくく、複雑で質の高さが求められる業務に導入する場合には課題を感じやすい傾向がみられている。生成AIをどのような場面で活用するかによっても、対策内容が変わりそうだ。
今後も活用が進んでいくであろう生成AI。十分な効果を得るためにも、ルールの整備、導入する業務のすみ分けなどを検討していただきたい。