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2025年1月全国企業倒産集計が33カ月連続で前年同月を上回る TDB調査

2025.02.12

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2024年12月の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)について集計し、分析を行った。発表されたレポートをもとに、概要をお伝えする。

調査概要

集計期間:2025年1月1日~2025年1月31日
発表日:2025年2月10日
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
集計機関:株式会社帝国データバンク
出典元:倒産集計 2025年 1月報(株式会社帝国データバンク)

1月としては11年ぶりの800件超えで2024年度1万件超えの可能性

1月としては11年ぶりの800件超えで2024年度1万件超えの可能性

TDBの発表によると、2025年1月の倒産件数は830件(前年同月700件、18.6%増)となっている。前年同月を上回るのは戦後最長の33カ月連続で、1月としては2014年(809件)以来、11年ぶりに800件を超えたという。これにより2024年4月-2025年1月の累計件数は8427件となり、前年同期(7277件)を1150件・15.8%上回ったことになる。

負債総額は1205億1900万円(前年同月842億2900万円、43.1%増)で、前年同月を3カ月連続で上回っている。負債額トップは、船井電機株式会社の持ち株会社であるFUNAI GROUP株式会社〈旧:船井電機・ホールディングス株式会社〉の327億2300万円だと報告された。

業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を上回っており、最も多いのは『サービス業(前年同月195件→218件、11.8%増)』だという。地域別では、9地域中7地域で前年同月を上回ったことが判明。最も件数が多かったのは『関東(前年同月251件→274件、9.2%増)』であった。2024年4月-2025年1月の累計では、19府県が2023年度通年の件数を上回ったことも報告された。

注目の倒産動向と今後の見通し

TDBは注目の倒産動向として、下記4つの動向を紹介している。

後継者難倒産 :後継者難倒産は32件判明 全体の46.9%は「経営者の病気、死亡」が要因
人手不足倒産 :人手不足倒産は39件判明 2024年3月に次ぐ2番目の高水準
ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産 :ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産は50件判明 2カ月連続で前年同月を下回る
物価高倒産 :物価高倒産は68件判明 2024年4月-2025年1月累計は769件

また、TDBは今後の見通しについて、2024年度は、2013年度(1万102件)以来11年ぶりに1万件を超す可能性があると指摘する。企業倒産の増加ペースは前年から鈍化しているものの、年度末にかけて減少に転じる要素は乏しい状況だ。TDBは今後も緩やかな増加局面が続くと予測している。

まとめ

倒産企業件数が11年ぶりに1万件を超える可能性が出てきた2024年度。人手不足や物価高など苦しい状況が続き、件数が減少に転じる見込みは低い。

さらにTDBは、2025年最大の不確実要素として「第2次トランプ政権」を挙げる。大幅な政策転換が日本経済に対してマイナスの影響を及ぼす可能性は高く、TDBは中期的な倒産動向にも少なからず影響を及ぼす可能性を指摘している。米中貿易摩擦の再燃が懸念される中、関税引き上げの影響が大きい「自動車業界」や、円安効果の大きい輸出型産業の動向が注目を集めるだろう。