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8割超がシニア人材雇用を実施も職場環境の整備実施は約3割 月刊総務調査

2025.02.13

総務専門誌『月刊総務』を発行する株式会社月刊総務(所在地:東京都千代田区、代表取締役:豊田健一)は、全国の総務担当者を対象に「高齢者雇用についての調査」を実施。高齢者雇用の実施状況や実態を明らかにした。

調査概要

調査名称:高齢者雇用についての調査
調査機関:株式会社月刊総務
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法:Webアンケート
調査期間:2024年12月11日〜2024年12月18日
有効回答数:234件
出典元:約8割がシニア人材の再雇用に前向き。期待することは「即戦力としての経験・スキル」「若手指導」(株式会社月刊総務)

高齢者雇用を8割超の企業が実施

高齢者雇用を8割超の企業が実施

本調査結果を見ると、高齢者雇用について「実施している」と回答した企業は83.3%に上ることがわかる。

また、再雇用時の仕事内容を尋ねる項目では「同じ仕事内容を担当している・担当することが多い:71.8%」「一部変更された仕事内容を担当している:27.2%」「全く異なる仕事内容を担当している:1.0%」との回答が寄せられている。

さらに、再雇用時の賃金設定については「職務内容や責任に応じて設定(42.3%)」との回答が最も多く、次いで「元の給与の一定割合で設定(31.2%)」「元の給与額のまま(12.8%)」が続いたという。

現在導入している高年齢者雇用に関する制度としては「再雇用制度(71.4%)」が最も多く、次いで「定年延長による継続雇用(47.4%)」が続く。なお、役職定年制度については「ある」と回答した企業は41.9%と半数未満であった。

2025年義務化「65歳までの雇用確保」の理解度と対応内容

2025年義務化「65歳までの雇用確保」の理解度と対応内容

続いて本調査では、2025年に義務化される「65歳までの雇用確保」について質問。「とても理解している(47.0%)」「やや理解している(38.5%)」との回答が寄せられており、合わせて85.5%の企業が理解していることが明らかになった。

義務化への準備状況についても「準備が完了している(51.7%)」「一部準備中である(27.8%)」と、約8割の企業が準備していることが判明。具体的には「雇用制度の見直し(64.0%)」「業務内容や役割の再設計(46.8%)」「人件費の調整策の検討(23.7%)」「社内研修や教育プログラムの実施(10.8%)」などが挙げられたという。

また、本調査では2025年4月から縮小となる「高年齢雇用継続給付」について、高年齢者雇用施策に与える影響の有無も尋ねており「とても与える(34.2%)」「やや与える(44.4%)」との回答から、約8割の企業が何らかの影響があると考えていることが明らかになった。

参考:高年齢者雇用確保措置を講じる必要があります(厚生労働省)

シニア人材に期待することと活躍における課題 職場環境整備に取り組む企業は約3割

シニア人材に期待することと活躍における課題 職場環境整備に取り組む企業は約3割

次に本調査では、シニア人材に期待することについて質問。「即戦力としての経験・スキル」と「若手社員への指導や知識の共有」がともに59.8%で最多回答となったことが報告された。そのほか「人材不足の解消(56.0%)」「業務継続性の向上(44.4%)」への期待もあるようだ。

一方で、シニア人材に活躍してもらう上での課題については「モチベーションの維持(62.5%)」「若手とのコミュニケーションギャップ(49.5%)」といった声が寄せられている。

また、シニア人材が働きやすい職場環境をつくるための施策を行っているか尋ねる項目で「はい」と答えた企業は31.8%にとどまったという。

シニア人材の再雇用に約8割が前向き 取り組む理由は?

シニア人材の再雇用に約8割が前向き 取り組む理由は?

続いて本調査では、今後のシニア人材の再雇用に対する意向について質問。「積極的に行いたい(25.6%)」「やや積極的に行いたい(54.3%)」との回答から、約8割が再雇用に前向きな姿勢を示していることが判明した。

再雇用を積極的に行う理由としては「即戦力となるから(71.1%)」が最も多く、次いで「企業文化への理解があるから(54.5%)」「採用コストの削減につながるから(27.3%)」が挙げられたという。

また、再雇用のきっかけについては「確認の機会が設けられている(61.0%)」という回答が最も多く、そのほか「企業側から声をかけることが多い(25.6%)」「本人からの相談が多い(13.3%)」との回答が寄せられている。

なお、再雇用したシニア人材の平均勤続年数は「4〜5年(59.0%)」が最多であった。

まとめ

シニア人材の雇用は多くの企業で実施されているものの、職場環境の整備に取り組む企業は3割程度という実態が明らかになった。活躍における課題としてモチベーションの維持がトップに挙げられているが、その解決に向けても職場環境の整備は重要な取り組みではないだろうか。

人手不足を課題に抱える企業にとって、即戦力としての活躍が期待できるシニア人材の活用は重要な人材戦略のひとつ。より働きやすい環境を整えて、シニア人材が安心して働き続けられる職場づくりを目指してみてはいかがだろうか。

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構は特設サイトを設け、高齢者の活躍に取り組む企業の事例を紹介している。人事担当者はぜひ参考にしていただきたい。

参考:高年齢者活躍企業事例サイト(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構)