製造業のDX人材育成研修、現場で最も役立っているのは? キカガク調査

人工知能・機械学習を含めた先端技術に関する教育事業を展開する株式会社キカガク(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:大崎将寛)は、この1年間でDX推進による具体的な成果が出ている大手製造業(年商5000億以上)の役員、管理職(部長・課長相当)、DX推進担当者等、DX推進業務に携わっている方103名を対象に、製造業のDX人材に関する育成実態調査を実施した。調査結果の概要をお伝えする。
調査概要
調査名称:製造業のDX人材に関する育成実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2025年1月8日〜同年1月14日
有効回答:この1年間でDX推進による具体的な成果が出ている大手製造業(年商5000億以上)の役員、管理職(部長・課長相当)、DX推進担当者、経営企画、人事担当者、DX推進業務に携わっている方103名
出典元:株式会社キカガク
※ 合計を100%とするため、一部の数値について端数の切り上げ処理を行っており、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がある
DX人材育成研修 現場での実践に最も役立っているのは?

本調査では現在実施しているDX人材育成研修に関する取り組みとして「eラーニング(72.8%)」「実践的なワークショップ(45.6%)」「座学中心のオフライン集合研修(40.8%)」との回答が寄せられている。
そのうち、現場での実践に役立っているものを尋ねる項目では「eラーニング(29.3%)」「実践的なワークショップ(22.2%)」「座学中心のオフライン集合研修(10.1%)」との回答が多く寄せられたことがわかった。なお、最も役に立っていると回答された割合を見ると「実践的なワークショップ(46.5%)」がトップになっている。
また研修で学んだ内容のうち、すでに現場で成果が出ていることを尋ねると「従業員のデジタルリテラシー向上(44.7%)」「現場主導のDX推進体制の構築(42.7%)」「基幹システムやビジネスツールの効果的な活用による業務効率の向上(37.9%)」が上位回答となったことが報告された。
効果的なDX人材育成を実現する上で研修に必要な要素と課題

続いて効果的なDX人材育成を実現する上で、研修に必要だと感じる要素として「学習者のレベルに合わせた研修内容の選択(47.6%)」「最適な研修形式の選択(eラーニング/集合研修/ワークショップetc.)(45.6%)」「現場の問題解決につながる内容・ワーク設計(45.6%)」といった回答が多く寄せられたことが判明。
また研修で学んだ内容を現場で活用するにあたって、課題に感じることとしては「個々人の活用意識が不足している(43.7%)」「全社的なリテラシー不足(40.8%)」「データ基盤やツール導入などスキルを活かす環境整備ができていない(33.0%)」といった声が多いようだ。
なお、今後強化したい人材育成の取り組みについては「個々人のデジタル活用意識の向上(49.5%)」「より実践的なデジタルスキルの習得強化(43.7%)」「社内でデジタル活用を指導できる人材の育成(40.8%)」との回答が上位に並んだ。
まとめ
DX推進で成果を上げている大手製造業を対象に行われた調査だが、それでも人材育成においては多くの課題が存在していることが明らかになった。特に「個々人の活用意識不足」が課題として多く挙げられたが、アウトプットまでを見据えて研修を設計することの重要性を示唆しているとも考えられる。
実際に現場で最も役に立っている取り組みとして「実践的なワークショップ」がトップとなったほか、研修に必要な要素としても「現場の問題解決につながる内容・ワーク設計」との回答が4割超となっており、その重要性を理解している人も多いようだ。従業員のリテラシー向上に向けた取り組みと併せて、研修後の実践での活用につながるプログラム設計に注力してみてはいかがだろうか。