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活用されずに廃棄・保管されている名刺は約20億枚 Sansan調査

2025.04.21

Sansan株式会社が提供する名刺アプリ「Eight」は、4月22日のアースデイ(地球環境について考える日)を前に、ビジネスパーソン1050名を対象とした「紙名刺の活用状況と環境負荷に関する実態調査」を実施。紙の名刺はビジネスの出会いの場において重要なツールとして活用されている一方で、受け取った紙の名刺が一度も活用されることなく引き出しにしまわれたままになっていたり、自身の名刺を印刷したものの肩書きが変わって使えなくなったりと、無駄になるケースもある点に同社は注目。使われていない名刺が環境に与える影響や、デジタル名刺活用への意向などを明らかにした。

調査概要

調査名:紙名刺の活用状況と環境負荷に関する実態調査
調査方法:オンライン上でのアンケート調査
調査地域:全国
調査対象:20〜60代のビジネスパーソン1050名
調査期間:2025年3月14日~2025年3月18日
調査企画:Sansan株式会社
出典元:Eight、アースデイを前に「紙名刺の活用実態」を調査。20億枚の紙名刺の“無駄”が生むCO2、東京ドーム411個分に〜不要になった名刺を再生する「名刺REBORNプロジェクト」始動〜(Sansan株式会社)
※本調査結果において、比率は小数点以下第2位を四捨五入しているため、必ずしも合計した数字が100%にならない場合がある

活用されずに廃棄・保管されている名刺は約20億枚

活用されずに廃棄・保管されている名刺は約20億枚

同社は日本国内で1年間に生産される紙の名刺について、推計で45億2582万枚にのぼると報告。さらに、活用されずに保管または廃棄されている名刺はそのうち20億159万枚ほどであるとの調査結果を発表した。この中には、情報が古くなり不要になった自分の名刺や、受け取ったものの内容を確認・連絡などのアクションをせずに放置されている他者の名刺などが含まれている。

同社は続いて、活用されていない名刺の印刷に伴い発生するCO2排出量を算出。名刺1枚あたりの印刷で8.44gのCO2が排出されると仮定し、年間1.7万トンにものぼるCO2排出量になっていると指摘した。この排出量は、36〜40年生のスギ人工林1920ha(東京ドーム約411個分の面積)が1年間に吸収する量に相当するという。

紙名刺を使用する理由とデジタル名刺への賛否

紙名刺を使用する理由とデジタル名刺への賛否

次に同社は、デジタル化が進展する中でも紙名刺を使っている理由について質問。その結果「紙が当たり前だと思っており、他の方法を検討したことがない(58.0%)」「周囲(取引先や業界)で紙の名刺交換が一般的だから(32.8%)」との回答が上位に並んだことを報告した。ビジネスシーン全体ではペーパーレス化が進んでいても、名刺に関してはデジタル化を検討する段階にすら至っていない人が多く、依然として紙が根強いようだ。

一方で、デジタル名刺を受け取った経験がある人を対象とした「デジタル名刺は、ビジネスマナー的に問題があると思うか」との設問で「問題がある」「やや問題がある」と回答した人はわずか7.6%にとどまったという。「問題はない」「あまり問題はない」と回答した人は59.1%にのぼり、半数以上の人がデジタル名刺をマナー違反とは捉えていないことが明らかになった。

まとめ

年間約20億枚もの紙名刺が無駄になっている実態がありながらも、環境への影響を意識する人は少なく、デジタル名刺活用を検討する動きも鈍いようだ。一方で、デジタル名刺について否定的な意見は多くないとの結果も報告されており、デジタル化推進の余地はあると考えられる。

デジタル名刺が普及すれば環境への負荷を大きく軽減することができ、コストの削減にも効果が期待される。さらに、名刺切れや名刺忘れによる機会損失も防ぐことができるだろう。紙名刺との併用も含めて、検討してみてはいかがだろうか。