BPO導入で約9割が経営効率向上 パーソルビジネスプロセスデザイン調査

パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:市村和幸)は、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)導入の計画・検討・選考に関わる1268名の経営層または管理職を対象に「BPOに関する実態調査」を実施。2024年9月26日に発表した第1弾の調査に続き、企業規模別に集計・分析したものを第2弾企業規模別編として発表した。
調査概要
調査期間:2024年8月16日~2024年8月20日
調査対象:経営層または管理職でBPO導入の計画・検討・選考に関わる方(会社経営者/役員/管理職、公務員・団体職員で管理職)
有効回答数:1268名
調査方法:インターネット調査
調査主体:パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社調べ
調査会社:株式会社クロス・マーケティング
出典元:BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)に関する実態調査 第2弾 企業規模別編 中堅企業の約9割がBPO導入により経営効率が向上したと回答 さらに「今後もBPO利用継続・拡大したい」という意向も最も高く9割(パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社)
※各回答の構成比は小数第2位を四捨五入して算出しているため、合計が100%にならない場合がある
※本調査では企業規模について従業員数をもとに「大企業:1000名以上」「中堅企業:300名以上1000名未満」「中小業:300名未満」と定義
BPO導入割合は約2割 そのうち中堅企業の約9割が経営効率の向上を実感

本調査ではまずはじめに、BPO導入の計画・検討・選考に関わる1268名の経営層または管理職を対象に、BPOの導入状況について質問。約2割にあたる287名が「企画設計から業務運営まで一括してアウトソーシングしている(BPOを導入している)」と回答したという。企業規模別の内訳としては、大企業が4割超えで最も多く、中堅企業と中小企業は3割程度であった。
続いて本調査では、現在BPOを導入していると回答した287名を対象に、BPO導入による経営効率の向上について質問。「非常に経営効率が向上した(38.0%)」と「やや経営効率が向上した(43.9%)」を合わせた8割以上が、経営効率が向上したと感じていることが明らかになった。また、企業規模別の回答を見ると、経営効率が向上した割合は中堅企業が最も高く「非常に経営効率が向上した(45.3%)」「やや経営効率が向上した(43.0%)」と、約9割に及んでいる。
BPOの利用拡大・維持の意向 中堅企業、大企業でいずれも約9割

次に本調査では、現在BPOを導入していると回答した287名を対象に、今後のBPOの利用意向について質問。「利用を拡大したい(40.8%)」「今の状況を維持したい(44.6%)」と、合わせて85.4%が利用拡大・維持の意向を示していることが明らかになった。また、企業規模別にみると、最も多かったのは中堅企業で89.5%、次いで大企業が88.6%と僅差で続いている。中小企業は75.6%にとどまったという。
BPO導入の目的として重視した点については、大企業・中堅企業・中小企業ともに「経営戦略/成長戦略の一環として、経営資源をコア業務へ集中させるため」が最多であったことが報告されている。他の企業規模と比較して多かった回答としては、中堅企業では「ビジネスプロセスの変革/最適化のため(39.5%)」大企業では「コンプライアンスの遵守・法令等改正への対応のため(22.8%)」であったこともわかった。
BPOを導入していない理由は?検討・導入機会頻度は約4割の企業で増加傾向

さらに本調査では、BPOを導入していないと回答した981名を対象に、導入していない理由についても質問。大企業・中堅企業・中小企業ともに「外部委託する業務範囲の特定・切り分けが難しい」がトップに挙げられ、規模が大きくなるに連れて回答率が高い結果となったことが報告された。
また、大企業と中堅企業については「業務プロセスの可視化・標準化が不十分で業務の切り離しが難しい」という回答が2番目に多く挙げられているという。同社は本結果を受けて「企業規模が大きくなると、業務範囲の切り分けや業務プロセスの可視化・標準化がBPO導入の阻害要因になっていると言えそうです」とコメントした。
なお、中小企業では「社内で対応できており必要性を感じない(29.5%)」「結果的にコストが高くなる(24.5%)」の回答率が大企業や中堅企業と比べて高い結果になっている。
本調査では、以前と比較したBPOの検討・導入機会の頻度についても明らかにしており「頻度は非常に増えた(9.1%)」「頻度はやや増えた(32.1%)」と、41.2%が検討・導入機会の頻度が増えたことがわかっている。また、企業規模別のBPO検討・導入機会が増えた割合は、大企業は52.6%、中堅企業は53.3%と半数を超えた一方で、中小企業は27.1%と3割未満にとどまったという。
まとめ
中堅企業や大企業ではBPO導入によって多くの企業が経営効率の向上を実感しており、利用の拡大や維持を考える割合が中小企業よりも高くなっていることが明らかになった。
導入の障壁となっている主な要因は「業務範囲の特定・切り分け」の難しさにあるようだ。特に企業規模が大きいほどそのハードルは上がり、業務プロセスの可視化や標準化を進める必要があることも判明している。
BPOは業務の効率化だけでなく、コストの削減や業務品質の向上などにも効果が期待できる取り組みである。また、導入検討と並行して、業務プロセスの可視化や標準化に取り組むことで、業務課題や無駄なプロセスを発見できる可能性もある。この機会に改めて、BPO導入の検討も含め、自社の業務プロセスを見直してみてはいかがだろうか。