ハラスメントの実態調査で4割超が自身の言動に心当たり Job総研調査

パーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研』は、543人の社会人男女を対象に「2025年 ハラスメント実態調査vol.2」を実施した。本調査は、職場でハラスメントを感じた経験やハラスメントの黙認経験、自身の言動への意識、ハラスメントと管理職意欲の関係などを明らかにしている。
調査概要
調査対象者:現在職を持つJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件 :全国/男女/20~50代
調査期間 :2025年4月9日〜4月14日
有効回答数:543人
調査方法 :インターネット調査
出典元:Job総研『2025年 ハラスメント実態調査vol.2』を実施しました(パーソルキャリア株式会社)
7割超が職場でハラスメントを感じた経験あり

本調査ではまずはじめに、職場でハラスメントを感じた経験があるか質問。その結果「ある派」が72.6%で多数を占めたことが明らかになった。なお「ある派」の男女別集計では女性が78.0%、男性が70.3%と報告されている。年代別では「50代:88.9%」が最も多く、次いで「40代:86.0%」「30代:79.2%」「20代:57.1%」となっている。さらに、役職別では課長クラスが89.2%で最も多いことが明らかになった。
さらに、職場ハラスメントを黙認した経験を尋ねる項目では「ある派」が64.0%に。年代別に「ある派」の割合を見ると「40代:76.3%」「50代:73.6%」「30代:67.5%」「20代:53.6%」であった。
また本調査では、ハラスメント意識が「管理職意欲」に及ぼす影響があるかどうかについても尋ねており「影響する派」が75.3%で多数を占めたことが明らかになっている。
4割超が「自身の言動で思い当たる節ある」

次に本調査では、自身の言動で思い当たるハラスメント有無を尋ねており「ある派」が42.7%となったことが報告された。なお「ある派」の男女別集計では「男性:51.6%」「女性:22.6%」と、男性の方が圧倒的に多い様子がうかがえる。
一方で「ある派」の年代別では「30代:46.8%」「20代:44.6%」「40代:38.7%」「50代:33.3%」と、若い世代に多い傾向があるものの、男女別集計ほどの差はみられていない。また「ある派」の役職別では「部長クラス以上:64.5%」「係長クラス:51.0%」が多い傾向にあり「主任クラス:45.3%」「課長クラス:43.2%」「一般社員:40.2%」が続いている。
まとめ
被害視点と企業の対策に焦点を当てたvol.1の調査結果に引き続き、ハラスメントの黙認・加害経験に焦点を当てたvol.2の調査結果を紹介した。職場でハラスメントを感じた経験を持つ人は7割を超え、さらには黙認した経験を持つ人が6割を超えるなど、職場でのハラスメントへの対策不足が否めない結果となっている。
また、ハラスメントを感じた経験については年代によって30pt以上の差がみられた。さらに、自身の言動に対して思い当たるハラスメントがあると回答した人が4割を超える中で、その割合は男性が女性の2倍以上高いことも判明。ハラスメントへの捉え方は年代や性別でも異なるようだ。
同社はvol.1の調査結果も含め「被害・加害」という視点だけでなく、多様な視点からハラスメント対策を講じることの重要性について講じている。自社での取り組みが偏った視点となっていないか、見直す機会としていただきたい。
参考:Job総研『2025年 ハラスメント実態調査vol.1』を実施しました(パーソルキャリア株式会社)