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2025年6月の飲食料品値上げ、前年の約3倍増の1932品目に TDB分析

2025.06.02

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2025年6月以降における食品の値上げ動向と展望・見通しについて、分析を実施。2025年6月の飲食料品値上げが、合計1932品目となったことを報告した。

2025年6月の値上げは前年の約3倍に増加し1932品目に

2025年6月の値上げは前年の約3倍に増加し1932品目に

TDBの報告によれば、主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした6月の飲食料品値上げは1回あたりの平均値上げ率は14%で、前年6月(623品目)から1309品目・+210.1%と約3倍に急増し、1932品目となっている。単月の値上げ品目数としては2カ月ぶりに1000品目を突破したという。また、1月以降6カ月連続で前年同月を上回り、連続増加期間としては記録的な値上げラッシュの1年となった2023年6月以来、2年ぶりの長さとなったことが報告された。

食品分野別では「調味料(962品目)」「加工食品(755品目)」「乳製品(106品目)」が特に多い。また値上げ要因では「モノ由来(「原材料高」)(98.0%)」が前月調査時(97.9%)から拡大。「人件費(53.6%)」は、要因別の集計を開始した2023年以降で最高だったという。さらに、特に6月以降の値上げを中心に「エネルギーコスト(光熱費)(66.7%)」由来の値上げで上昇が続いている。

2025年通年の値上げについては、10月までの公表分で累計1万6224品目に。前年通年の実績(1万2520品目)を約3割上回っており、今後の動向次第では飲食料品の値上げラッシュが本格化した2022年(2万5768品目)に並ぶ水準に到達する可能性があるという。

TDBはコメ品薄の影響による食品の値上げにも注目。原料米の価格高騰に由来する値上げは、2025年6月実施分のうち概算で100品目を超え、約6%を占めたという。

出典元:「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年6月(株式会社帝国データバンク)
※品目数および値上げは、各社発表に基づく。また、年内に複数回値上げを行った品目は、それぞれ別品目としてカウント
※値上げ率は発表時点における最大値を採用。なお、価格据え置き・内容量減による「実質値上げ」も対象に含む

まとめ

年間2万品目を超える可能性が高まっている飲食料品の値上げ。消費者には値上げ疲れもみられており、さらなる値上げが消費者の節約志向を高める可能性も高い。しかし、値上げ要因は多様化・複合化が進んでおり、TDBは「当面は難しい価格設定の判断を迫られる状況が続くとみられる」とコメントしている。

粘着性の高い物価上昇圧力が継続する中、エネルギーコスト増による値上げで再燃の兆しもみられており、前年より強まっている飲食料品値上げの勢い。個人消費への影響も含め、今後の動向にも注目したい。