「部下の本音」と「上司の後悔」ギャップが退職・休職に影響? カールツァイス調査
カールツァイス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:ヴィンセント・マチュー)は、全国の管理職500名、一般社員500名を対象に「ビジネスパーソンの上司・部下の関係性に関する調査」を実施した。
調査概要
調査期間:2025年8月22日~8月25日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国20歳~59歳/管理職500名・一般社員500名
出典元:カールツァイス株式会社
上司が「意見を聞いてくれない」とモチベーション低下 理想は「話しかけやすい上司」
本調査では「仕事へのモチベーションを低下させる上司の言動」について質問。「アドバイスは多いが、こちらの意見は聞いてくれない(63.6%)」「フィードバックで理由や背景を聞かずに否定的な指摘をされる(61.8%)」「ヘルプを求めた時に具体的な指示などなく『がんばれ』とだけ言われる(60.0%)」という回答が上位を占めた。
また、一般社員に「理想の上司」についてたずねた項目では「話しかけやすく相談しやすい(32.6%)」「コミュニケーション能力が高い(27.2%)」「公正公平に判断し贔屓がない(25.4%)」という結果となった。
仕事における気持ちや行動に関する質問では、一般社員の半数以上が「上司の気持ちを気遣って、言いたいことを我慢している(54.8%)」と回答している。
1on1の頻度が上司と部下の関係性に大きく影響
続いて、管理職にどのくらいの頻度で「1on1ミーティング」のような話し合いの機会を設けているかを質問。その結果「1カ月以上の頻度で1on1を実施している(49.8%)」と答えた管理職の86.3%が「部下との関係が良好」と回答した。一方で「半年に1回以下の頻度で1on1を実施している(30.0%)」と答えた管理職では68.0%にとどまり、18.3%も低下した。
また「部下のための時間を確保できているか」をたずねた項目では「半年に1回以下の頻度で1on1を実施している(30.0%)」人のうち、約6割が「忙しさから自分の仕事を優先してしまう(58.6%)」と回答している。
さらに、一般社員に「1on1ミーティングなどで上司に本音を言えているか」と質問。「本音を言えている(46.4%)」と回答した一般社員のうちの約9割が「退職・休職を検討・実行したことはない(真剣に検討したことがない)」と答えたことがわかった。
突然の部下の休職・退職 “上司の後悔”と”部下が求めていたこと”にギャップ
次に本調査では管理職に、部下の突然の退職・休職経験の有無について質問。およそ3人に1人の管理職が「突然の退職・休職あり(32.4%)」と回答した。また、突然の部下の退職・休職に対して、上司が「行動すべきだった」と後悔していることとしては「業務量の負担や偏りを考慮すること(32.7%)」「キャリアや将来について対話の機会(1on1など)を増やすこと(30.8%)」「職場の人間関係や雰囲気を改善すること(29.0%)」が上位に。最下位(8位)は「部下の体調管理や健康面に気を付けること(22.2%)」だった。
一方で「上司が理由で退職・休職を検討または実行したことがある(44.0%)」と回答した一般社員に、当時上司にしてほしかった行動も質問。「自分のキャリアや将来について対話の機会(1on1など)を増やすこと(25.0%)」「自分の体調や健康面にも気を配ること(23.1%)」「業務量の負担や偏りを考慮してくれること(23.1%)」「職場の人間関係や雰囲気を改善してくれること(23.1%)」が上位を占めた。
管理職が「後悔したこと」として挙げた回答の最下位だった「部下の体調管理や健康面に気を付けること」が、一般社員が「してほしかったこと」としては2位にランクイン。上司と部下の考えに、大きなギャップが生まれていたことがわかった。
まとめ
上司の「話を聞かない姿勢」が部下のモチベーションを下げている実態が明らかになった、本調査。突然、退職や休職をした部下が求めていたことと、上司が後悔したポイントについてもギャップがみられており、日頃のコミュニケーションの重要性が改めて示されたといえるだろう。
部下の多くは「話しかけやすさ」や「ていねいな説明」「体調や精神面への配慮」といった、「人として寄り添う姿勢」を上司に求めていることも浮き彫りになった。しかし、上司も自身の業務の多忙さゆえに、部下との対話に時間を割くことが難しくなっている実態も明らかになっている。
本調査の結果は、プレイングマネージャーの常態化がもたらしたマネジメント不足の影響が、部下の突然の退職や休職の原因のひとつになっていることが可視化された、といえるだろう。














