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企業の平均借入金利、3年連続で上昇し2年連続で1%超え TDB調査

2025.12.23

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は企業単独財務ファイル「COSMOS1」(103万社・850万期)を用いて、非営利・特殊法人などを除く国内企業の2006年度~2024年度の平均借入金利を算出し、集計・分析した。

平均借入金利が3年連続で上昇し1.20%に

平均借入金利が3年連続で上昇し1.20%に

平均借入金利は、有利子負債(銀行等、保険、ノンバンク、個人借入などを含む借入金、社債、CP等を含む総額)に対する支払利息の割合を示したもの。TDBのレポートでは平均値にトリム平均を用いて、全体の最大値および最小値から合計10%分のデータを除いた平均を算出している。

TDBによると、2024年度の企業の平均借入金利は1.20%。前年度から0.16ptの上昇となった。上昇は3年連続で、上昇幅は2006年度の調査開始以降、最大となった。

企業の平均借入金利は、2007年度(2.33%)をピークに2021年度まで14年連続で低下。2020年度には新型コロナに伴う実質無利子・無担保の融資(コロナ融資)拡大で大きな下げ幅となったものの、2023年度以降はコロナ融資の借り換えや一般融資における金利上昇などによる影響が表出。2024年度は長期金利が1%を大きく上回ったことも上昇圧力に。長期金利が平均借入金利を上回ったのは、2006年度の調査開始以降、初めてのことだという。

2025年度の平均借入金利はさらに上昇か

市場は利上げ実施を確実視している。日銀の利上げ路線が続くとの見方から債券売りが広がり、高市早苗政権の積極財政姿勢に伴い国債増発への懸念も根強いため、近時の長期金利は2%近くに上昇。TDBは「企業に金利の引き上げが受け入れられている金融機関があることや、コロナ融資の利子補給期間がほぼ終了することなどから、2025年度の平均借入金利はさらに上昇する可能性が高い」とみている。

過剰債務や収益力低下に直面する企業にとって大きなダメージとなりかねない急激な金利の上昇。「今後さらなる注視が必要だ」と解説している。

出典元:全国平均借入金利動向調査(2024年度)(株式会社帝国データバンク)

まとめ

3年連続で上昇し、2年連続での1%超えとなった企業の平均借入金利。上昇幅も調査開始以降で最大を示しており、その影響は広く及んでいるとみられる。TDBは今後も上昇が続くとの予測を示しており、企業の業績に及ぼす影響の拡大も懸念される。

収益力や事業基盤の強化はもとより、財務体質の改善や借入金への対策もより一層重要になってくるだろう。金融機関や専門家への相談も行いながら、金利上昇対策に取り組みたい。