2025年「早期・希望退職」1万3175人と2年連続の1万人超 TSR調査
株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は、上場企業における2025年の「早期・希望退職募集」状況について発表。2026年1月22日公表分までの『会社情報に関する適時開示資料』などと東京商工リサーチの独自調査により、2025年に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は43社、募集人数は1万3175人となったことを報告した。
2年連続で1万人超「早期・希望退職」
TSRによると、2025年に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は43社(前年57社)。企業の数としては前年比24.5%の減少となったが、募集人数は1万3175人(同31.6%増)まで急増した。
TSRは大手の構造改革が進む中、募集企業の約7割が直近決算で黒字と業績好調な企業で取り組みが目立つことに注目。これまでの人員削減とは様相が異なり、将来の事業転換を見越した「黒字リストラ」は今後も広がるとみているようだ。対象年齢についても、中高年の募集が定着しているという。
2025年に「黒字リストラ」が広がった企業としては、三菱電機、三菱ケミカルグループ、明治HD、ソニーグループ、日清紡HDなど名門企業も挙げられている。なお「早期・希望退職募集」を実施した43社の直近決算期の最終損益(単体)は「黒字:29社(構成比67.4%)」「赤字:14社(同32.5%)」だった。
業種別では「電気機器」が最多
また、業種別の集計では、グループの経営改革で約5000人の人員削減を発表したパナソニックHD、1500人の募集をしたジャパンディスプレイ、ネクストステージ支援制度特別措置を実施した三菱電機など「電気機器:18社(前年同期13社)」が構成比41.8%を占め最多に。次いで「食料品(前年同期3社)」「金属製品(同2社)」「機械(同4社)」「情報・通信業(同10社)」が各3社で続いている。
市場区分別では企業数、募集人数ともに「東証プライム」が最多
市場区分別の集計結果についても報告。「早期・希望退職募集」が判明した上場43社の市場区分は「東証プライム:33社(構成比76.7%)」「東証スタンダード:9社(同20.9%)」「グロース:1社(2.32%)」となっている。募集人数としては「東証プライム:1万2545人(構成比95.2%)」が大半を占めた。
出典元:2025年の「早期・希望退職」 1万3,175人 2年連続で1万人超、「黒字リストラ」が定着(株式会社東京商工リサーチ)
※本調査は、早期・希望退職募集の具体的な内容を確認できた上場企業を対象に集計
まとめ
「業績悪化」への対策として、不況期に実施されることが多かった人員削減。2025年は様相が変わり、好業績な企業での大幅な人員削減が目立っている。
TSRは今後について「賃上げの流れが加速し、構造改革と人事政策が進んでいく中で、もう一段の人員構造の見直しの可能性がある」と指摘。2026年も早期・希望退職募集の大型化の流れは強まるとみている。
これだけの人材が流出している今、人材獲得のチャンスが増加しているともいえる。即戦力となり得る人材の獲得を、採用戦略に盛り込んでいきたい。











