「早期・希望退職募集」リーマン・ショック以降、3番目の高水準 TSR調査
株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は『会社情報に関する適時開示資料』などと東京商工リサーチの独自調査に基づき、2025年の「早期・希望退職募集」について集計・分析を実施した。
調査概要
・早期・希望退職募集の具体的な内容を確認できた上場企業を対象に集計
・『会社情報に関する適時開示資料』などと東京商工リサーチの独自調査に基づく
出典元:2025年「早期・希望退職募集」は 1万7,875人 、リーマン・ショック以降で3番目の高水準に(株式会社東京商工リサーチ)
社数は2割減も人数は2009年以降、3番目の高水準に
TSRによると、2025年の「早期・希望退職募集」を実施した上場企業は43社(前年57社)で、募集人数は1万7875人(同78.5%増)だった。東日本大震災後の2012年(1万7705人)を超え、2009年以降で3番目の高水準だ。募集社数は約2割(24.5%)減少したが、TSRは「将来の事業転換を見越した『黒字リストラ』は、今後さらに広がる可能性がある」と分析している。対象年齢は、中高年の募集が定着してきている。
2025年の大きな特徴となった「黒字リストラ」は社数でみると全体の67.4%を占めており、名門企業も名を連ねる。従来の業績悪化による人員削減から、2025年は好業績の企業での大幅な人員削減へとシフト。特に中高年が対象の実施が、加速したことが報告されている。
競争力強化が急務となっている製造業では事業改革に追われているほか、賃上げが加速するなかで、構造改革と人事政策が一体となって動いていることも影響しているようだ。TSRは今後について「製造業から他産業にも人員構成の見直しが広がる可能性が高い」と予測。2026年はもう一段「早期・希望退職募集」が強まる、とみている。
まとめ
本調査結果から「早期・希望退職」が一時的な景気対応ではなく、事業構造や人材構成を見直すための選択肢として定着しつつある現状がうかがえる。また、全体の7割近くが黒字企業による実施であることから、人材戦略が「人数の調整」から「質と配置の最適化」へとシフトしているともいえるだろう。
同時に人手不足は深刻さを増している。「早期・希望退職」を年齢で対象を決めたことで、ベテラン層が空洞化して競争力の低下を招いてしまう可能性も否めない。
組織全体の持続性を見据えながら、社員のスキルの可視化や再配置など事業戦略と連動した適切な人材構成を今一度、確認したい。










