紙の「手形」「小切手」交換廃止まであと1年「手形交換高」は過去最低 TSR調査
株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は、一般社団法人全国銀行協会の全国手形交換高(1960年~)と、でんさいネット請求等取扱高(2013年2月~)を基に「 2025年「手形・でんさい」動向調査」を実施した。
2025年「手形交換高」69兆249億円、でんさい額の1.4倍
2027年3月末で終了する紙の手形・小切手による決済。印紙税の負担や保管コスト、紛失リスクなどのデメリットもあり大手を中心に決済での利用をやめる企業が増加し、手形交換高は急速に減少。2025年の手形交換高は69兆249億円(前年比14.7%減)と、ピークだった1990年の4797兆2906億円のわずか1.4%にまで縮小した。
一方で、2013年2月、紙の手形・小切手に代わる新たな決済手段としてスタートした電子記録債権(でんさい)。2025年の発生記録請求金額は49兆4025億円(前年比13.1%増)にとどまっている。
交換廃止に向け、金融機関は手形・小切手帳の発行終了などに動き出しており、2025年12月の「でんさいネット」登録者数は過去最高の55万6977社(前年比8.4%増)に。でんさいは、手形に比べて印紙代などのコスト削減や事務負荷の軽減、紛失リスクの低減などのメリットがある。しかし、従来の商習慣や電子化への対応遅れ、ITリテラシーなどの課題がある。紙の手形・小切手の廃止まで1年を切り、TSRは「金融機関による顧客への周知と同時に、円滑な資金繰りに向けた支援が重要」と指摘している。
出典元:紙の手形・小切手の交換廃止まで、あと1年 手形交換高は過去最低でも、でんさい額の1.4倍(株式会社東京商工リサーチ)
※本調査は、一般社団法人全国銀行協会の全国手形交換高(1960年~)と、でんさいネット請求等取扱高(2013年2月~)を基に分析した。「でんさいネット」は、全国銀行協会が設立した電子債権記録機関「株式会社全銀電子債権ネットワーク」の通称で「でんさい」は同社の登録商標。
まとめ
2025年の手形交換高は69兆円超と、未だに「でんさい」の1.4倍に達していることが明らかになった。多くの企業で紙の運用が残っているものの、2027年3月末には紙の手形・小切手による決済は廃止となる。
でんさいや振込への切り替え時期を前倒しで整理し、スムーズな移行に向けた準備のカウントダウンとなるこの1年。事務手続きだけでなく、資金繰りや業務フローを見直すことになる企業も少なくないだろう。社内の承認フローや会計システム、取引先への説明資料の整備などを進めたい。









