オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

ワーキングマザーとテレワーク 理想とそのリアル②

2019.12.25

ワーキングマザーのイメージ

皆さんは「ワーキングマザー」という言葉を聞いたとき、どういうイメージを持たれますか?

 一番は「家事・育児の両立が大変そう」ですが・・私の感覚からしたら、それは3割当たりで、7割ハズレです。

 確かに、前回の「ワーキングマザーとテレワーク 理想とそのリアル①」で紹介した映画のセリフ「ワーキングマザーは一度に皿を50枚まわしてるようなもんよ!」な毎日です。

 職場だけでない戦場でのマルチタスクを毎日こなしていると、さすがに訓練されるので(ワンオペのときは特に!)、問題やトラブルの一つや二つ起こったとしてもビビることはありません(笑)

 でも、その訓練のおかげで、自分で時間を管理さえすれば、一日がものすごく濃く充実した毎日になるのです。

 よく「ONとOFFは切り替えた方が良い」と言いますが、そんなこと言われなくても強制的に切り替えざるを得ないし、何かあってもいつまでも引きずる時間も余裕もありません。

 しかも、本人は家事・育児と仕事を上手に両立しようとしているわけではなく、ただ目の前のことを回しているだけなので、それがちゃんと両立しているのかしていないのか分かっていない(私だけでしょうか)(笑)

 そんなワーキングマザーにとってキーになるのは、やっぱり「時間」です。

 朝は家族の誰よりも早く起きて朝食の準備から家族の準備に追われ、もちろん自分の準備もして、出勤前もひと仕事(ひと戦争)。その後、ラッシュに揉まれ通勤し、日中働いた後、またラッシュに揉まれ帰宅し、夕食の準備、子どもをお風呂に入れて寝る準備をし、寝かしつけるまで・・自分の時間を持つなんて夢のまた夢です。
 
 そんな毎日の中で、テレワークが可能になれば、まず通勤時間を取られることがなくなる。通勤時間とそのストレスからの解放はとっても大きい!また、子どもが具合が悪い中でも自宅での業務が認められるのもありがたいですね。

 このように、テレワーク制度こそ、時間と戦うワーキングマザーの強い味方の一つなのです。

テレワーク導入

前回コラムで、テレワーク導入のポイントは、①制度、②ツール、③文化と言いました。

 まずそもそも、テレワーク制度を導入する前提として、業務の切り分けをして、テレワークに馴染む業務なのかそうでないのかの判断が必要になります。

 当社でもまずは業務の切り分けをし、そのうえで、①②③について考えました。

 ①については、会社として評価制度を徹底し、成果を評価すること。長時間働くことではなく、短時間で成果を出したことを評価する制度をとるのが良いと思います。
私が20代のときにいた外資系企業では、上司が上記のような考え方だったので、よく「短時間で成果を出し、自分の単価を上げることが大事」と言われていましたが、本当にその通りだと思います。

 そして、その場合の「成果」を、業務や部署・チームごとに定量的・定性的に細かく明確にする必要があります。

 これによって、社員のモチベーションUPにもつながり好循環を生みますが、その評価制度や仕組みを定着させること自体、時間がかかるかもしれません。
 
 それ以上に大切なのは、やはり③文化ではないでしょうか。
 テレワークとは、つまり空間を共有せず情報を共有しながら働くことをしなければならないため、その根底には人間的な信頼関係がベースにあることが必須になります。

 その信頼関係がないままテレワークを制度として導入してしまうと、たちまち社内は混乱し、業務の効率化どころか業務に支障をきたすことになるでしょう。

 当社ではこの部分にまだ若干の迷いがあったため、数か月前のテレワーク導入を見送りました。

 社員同士に決して信頼関係がないわけではありません。ただ、実際にテレワークを導入した場合に起こりうるミスコミュニケーションが、今の少人数で回している当社には痛手が大きい・・その結果、今の当社のステージは、Face to Faceで密なコミュニケーションをとりながら業務を進めていくのが良いと判断し、テレワークを導入しませんでした。

 当社は上記のような判断をしましたが、テレワーク制度は企業規模の大小には直接関係ないかもしれません。

 重要なのは、「テレワーク制度を導入すること」自体ではなく、「なぜテレワーク制度を導入するか」という目的です。

 それは、もちろん企業によって様々な理由があると思いますが、大事なのはそれを明確にしたうえで、まずは社員同士の信頼関係を築き、社内でテレワーク制度導入に耐えうる人間関係をベースとしたカルチャー(文化)を醸成することです。

 そして、そのうえで評価制度を改定したり、ツールやシステムを選定・導入すれば良いと思います。

 一つ言えるのは、「時間」と戦うワーキングマザーの仕事ぶりはとっても濃密で鮮やかなので、「仕事が好き!」というワーキングマザーを企業の戦力として使わない手はないです!

 ワーキングマザーを戦力として期待するのであれば、テレワーク制度は積極的に導入したいですね。

 日本の企業が社内からこうしたカルチャーを作り、醸成していく未来に期待したいと思います。

最後に

 2019年も残りわずかとなりましたが、いつもコラムを読んでくださり、ありがとうございました。

 コラム初登場でまだまだ文章が拙い私ですが、2020年も引き続き熱い想いを皆さんにお届けしたいと思っていますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 2020年も皆さんにとってワクワクする楽しい一年になりますように・・!