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【前編】若手・第二新卒の「応募者を増やす」ノウハウ4選【中小企業の“令和流” 若手・第二新卒採用を成功させる秘訣 Vol.2】

コロナ禍の終わりと共に求人倍率が急激に高まってきた中で、採用活動に苦戦する企業が増加しています。「採用担当者が抱えるよくある悩み調査(LHH転職エージェント ※旧ːSpring転職エージェント)」においても、悩みの第1位は「応募が全然来ない」となっており、「若手の応募が来ない」「そもそも会えていない」という悩みを持つ中小企業も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、中小企業の採用で若手応募を増やす採用ノウハウ4選を、前編・後編に分け紹介します。

① “今どきの若者”の価値観に合わせて採用活動をアップデートする

若手採用を考える際には、第1回のコラムでもお話した、“今どきの若者”の価値観を踏まえて、求人情報や採用チャネルの表現、説明会や面接などでの情報提供をアップデートすることが大切です。若手採用の対象となる20代前半の新卒、また20代後半までの若手や第二新卒層は「Z世代」と呼ばれる世代です。Z世代は、雇用に対してこれまでの世代と異なる価値観を持っています。キーワードは「キャリア安全性」「ワークライフバランス」「ブラック企業への警戒心」です。

まずキャリア安全性は「市場価値が身に付く仕事をしたい」、言い換えると「転職に困らない力を身に付けたい」という欲求です。従って、若手採用の求人情報や仕事説明では、「この仕事に就くと成長できる」「スキルや市場価値が身に付く」といったキャリア機会を具体的に記載することが大切です。

次のワークライフバランスは「仕事中心の人生は過ごしたくない」いう欲求です。いまの若手は「残業がどのぐらいあるか?」「サービス残業や休日出勤などがないか?」という点に敏感です。このあたりはしっかりと記載しておくとよいでしょう。

現状でサービス残業が生じていたり休日出勤があったりする場合は、見直しを図ることも大切です。もちろん業界や業種によって繁忙期があったり、シフト制の勤務が生じたりすることはあるでしょう。そういった部分はやむをえませんが、サービス残業や休日出勤、休日日数などに関して、昭和~平成前期の価値観と平成後期~令和の価値観は大きく異なりますので注意が必要です。
最後にブラック企業への警戒心です。最近、「ブラック企業」という表現をニュース等で耳にすることはずいぶん減りましたが、若手の間には「就職や転職でブラック企業を選んでしまうことへの恐怖心」が根強く残っています。

Z世代は、求人における「未経験歓迎」「アットホームな職場」「頑張った分だけ成長できる」といった抽象的で耳障りのいい言葉はブラック企業の常套句だと思っています。求人情報や会社説明では抽象的な言葉を安易に使うのではなく、働き方や制度、実際の事例などを具体的に記載することが大切です。

② 応募条件を見直す

【ポテンシャル採用の応募者を取り込める応募条件を設定する】
若手の応募者を増やしたいようであれば、自社の求人広告や求人票を見て定量的な応募条件が複数書かれていないか確認してみましょう。

定量的な応募条件とは、当てはまるor当てはまらないに明確な○×がつくものです。たとえば、「○○○○の有資格者」「法人営業の経験2年以上」「○○○の利用経験あり」といった応募条件です。もちろん、たとえば自動車整備士や美容師など、業務内容によっては資格が必須なこともありますし、定量的な条件がすべて悪いわけではありません。

ただ、定量的な条件は明確に○×がつくからこそ、「×がつく項目がある人の応募を妨げる」「応募の心理ハードルを高める」効果があります。たとえば、年収500万円以上などで明確に経験者を求めている場合は、応募条件に該当しない人の応募はない方がよいでしょう。一方で、中小企業で若手層を採用するのであれば、ある程度ポテンシャル採用の要素が入ってくることが大半でしょう。そうした場合に定量的な応募条件を求人に盛り込んでいくと、ポテンシャル人材の応募を妨げることになります。

採用側からすれば「ポテンシャル採用の要素はあるけど一定の経験があって欲しい」ということは多いでしょう。たとえば、営業職を採用したいという時、「うちは法人向けの無形サービスだから法人営業経験はあると良いな・・・」と思うことは自然です。しかし、「法人営業経験が1年以上ある方」という応募条件にしてしまうと、「新卒でブラック企業に入社して営業していたけど、さすがにやっていけないと思って半年で早期退職してしまった」「ブライダルアドバイザーとして個人向けに高額サービスを提案・営業していた人」「専門商社に入社したら、1年は商品勉強で物流拠点での業務と言われてしまった」といった人は応募しなくなってしまいます。

採用企業側は、応募条件を記載する際に「少しぐらい外れていても意欲があるなら応募してもらって良い」と思ったりもしますが、真面目な日本人、とくに自己肯定感が少し低い傾向にある今どきの若者は、定量的な条件を示されると全てにきちんと当てはまらないと応募しない方が多いものです。まだ志望度が高まっていない求人応募の段階であれば尚更そうなります。

本当に「必須」である要素以外は、定量的な応募条件はなるべく減らす。そのうえで、応募条件を「必須」と「歓迎」といった形式で区分して、「歓迎」側に理想的な応募条件を記載することがおすすめです。

【応募条件が自社の採用力と釣り合っているかのチェック】
「定量的な応募条件が多くなっていないか」というポイントに加えて、応募条件が自社の採用力と釣り合っているかも確認が必要です。一番わかりやすい例でいくと年収です。「提示できる年収」もひとつの採用力です。示している応募条件に該当するような人に競合企業などが提示する年収はどのぐらいでしょうか、自社の提示する年収は市場の相場観と見合っているでしょうか。

提示年収以外の外見的な採用力としては、たとえば、企業のネームバリューや知名度、
上場の有無、成長性、積めるキャリア等があります。

「求人に応募してもらう」というのは「自社」を商品としたマーケティング活動です。「応募者に求める応募条件」はマーケティングでいえば「商品の価格」です。価格が競合商品よりも高いのに、「商品の性能」、提示年収やネームバリュー、知名度、成長性などの外見的な採用力が競合に劣っていたら、消費者には選んでもらえません。採用活動も同じです。自社の採用力や提示できる条件等≒商品の性能と、応募者に求める条件≒商品の価格設定をある程度は揃える必要があります。

次回の後編は、「応募者を増やすノウハウ~求人表の見直しと採用手法の見直し」を解説

今回は採用活動を成功させるためのステップのうち、入り口となる「応募者を増やす」ポイントから、Z世代の価値観を押さえて、応募条件を見直す大切さを解説しました。

次回の後編は、「応募者を増やす」ポイントの、求人表の見直しと採用手法の見直しについてお伝えします。ぜひご覧ください。