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各ソーシャル・スタイルの特徴と効果的な対応_アナリティカル(分析型)【なぜ今、対人スキルが求められるのか?  Vol.3】

2024.10.23

第2回では、対人スキルを高めるために有効なソーシャル・スタイル(4タイプ)の中の、エクスプレッシブ(直感型)の特徴と効果的な対応について詳しくお伝えしました。今回は、アナリティカル(分析型)です。

●過去のコラムはこちら第1回/第2回

アナリティカルの特徴

会議の場面を思い浮かべてください。いつも冷静で、自分から発言することはほとんどなく、発言を求められると考えながらゆっくり話す人はいませんか?
みなさんの周りにそんな人がいたら、その人はきっとアナリティカルです。
アナリティカルの人は、論理的で詳細を知りたがり、慎重な意思決定を行う傾向が強いです。アナリティカルの人は、データや事実を集めて分析し、感情よりも理性を重視します。自分の意見はあまり口にせず、感情もあまり表さないため、周囲から見ると4つのソーシャル・スタイルの中でも最もわかりにくいかもしれません。以下に、アナリティカルの主な特徴を挙げます。

〇論理的で分析的
アナリティカルの人は、論理的に考え、物事を細部まで分析します。彼らは、データや事実に基づいたアプローチを好み、意思決定においては常に慎重です。アナリティカルの人は、プライベートでの買い物においても、幅広く情報収集、分析、比較検討して、時間をかけて購入を決定します。エクスプレッシブの人のように、衝動買いはまずしません。

〇正確さと精度を重視
精度や正確さに強いこだわりがあり、細部まで注意を払います。彼らは、間違ったことや曖昧さを嫌い、自分の業務やプロジェクトが確実に進行するように計画を立てることが得意です。計画は、具体的で、詳細であることを好みます。彼らにとって大切なのは、「正しくあること」です。

〇慎重な意思決定
アナリティカルの人は、リスクをできるだけ避けるために、十分な情報がそろうまで意思決定をしない傾向があります。そのため、彼らの意思決定は非常に慎重で、時間がかかります。また、時間をかけても、情報不足で意思決定できないことさえあります。

〇データベースのアプローチ
彼らは、データや事実に基づいて物事を判断するため、客観的な証拠を重視します。これは、ビジネスや科学技術分野での仕事において特に有効です。最近、ビジネスの世界では、データをベースとしたエビデンスを求められることも増えましたので、アナリティカルの人のこの特徴は強みですね。

〇感情を抑えたコミュニケーション
コミュニケーションにおいては、感情を抑え、冷静かつ理性的なやり取りを好みます。アナリティカルの人と会話していると、沈黙の時間があります。これは考えている時間であることが多いです。アナリティカルの人は、感情を抑えるだけでなく、自分の意見を主張することも控えますので、周囲の人からは、わかりづらいと思われることもあります。必要がなければ、人と積極的に交わることもしませんし、感情的な議論や対立を避ける傾向があります。

アナリティカルの強みと弱み

〇強み
・精度と正確さに優れた分析ができる
・客観的でデータに基づいたリスクの少ない意思決定をする
・具体的で、詳細な計画を立て、リスク管理しながら着実に業務を推進する

〇弱み
・慎重すぎるため、意思決定に時間がかかることがある
・人とのコミュニケーションにおいて、やや距離が生まれることがある
・創造的な思考やリスクテイクを避ける傾向がある

アナリティカルへの効果的な対応

〇データと事実に基づいた対話
アナリティカルの人は、データや事実を重視するため、提案や意見を述べる際には具体的なデータやエビデンスを示すことが有効です。彼らに対しては、感情的なアプローチではなく、論理的かつ客観的な説明を心がけましょう。「こちらのデータが示している通り、〇〇〇〇なので、△△△△△ということが言えます」といったイメージです。

〇慎重な意思決定を尊重する
彼らが慎重に意思決定を行うことを理解し、急かすことなく、十分な時間を与えることが重要です。また、意思決定プロセスをサポートするために、追加のデータや分析を提供することで、彼らの信頼を得ることができます。「様々なデータを分析して、慎重に意思決定されたほうがいいと思います」や、「〇〇様が意思決定するのに必要なデータや資料はありますか?」という会話ができるといいでしょう。ただ、意思決定してもらうためには、余裕を持った期日を設定することも大切です。

〇詳細な計画や説明を提供する
アナリティカルの人は、詳細な計画や説明を好みます。彼らに対しては、プロジェクトの進行や計画について、細部にわたる説明を行うことで安心感を与えることができます。プロジェクトなどでは、詳細なガントチャートを作成して説明できるといいでしょう。また、詳細な資料がある場合は自分でじっくり見ることもあるので、その際はこちらが一方的に説明するのは控えて、見てもらう時間をとりましょう。

〇感情を抑えた冷静なコミュニケーション
感情を抑えた、冷静かつ理性的なコミュニケーションを心がけましょう。アナリティカルの人は考える時間が必要なので、何か問いかけをしたら少し待つことが大切です。感情的な表現や対立を避け、事実に基づいた建設的な対話を進めると効果的です。感情的になってまくしたてると、アナリティカルの人はますます何も発言しなくなったり、対話することから逃避したりするため、注意しましょう。

〇リスク管理と現実的な期待設定
彼らはリスクを慎重に評価するため、リスク管理の計画を共有し、現実的な期待設定を行うことが重要です。過度な楽観主義よりも、現実的かつ実現可能な計画を提示することで、彼らの信頼を得ることができます。「だいたい〇〇〇〇です。」や「たぶん大丈夫です。」といった表現は避けるようにしましょう。不信感を招くことになってしまいます。

上記の通り、アナリティカルの人との効果的なコミュニケーションや協力関係を築くためには、彼らの論理的かつデータベースのアプローチを尊重し、明確で具体的な情報を提供することが重要です。慎重な意思決定をサポートし、詳細な計画やリスク管理手法を提示することで、信頼を得ることができます。また、感情を抑えた冷静なコミュニケーションを心がけることで、彼らとの関係を強化できるでしょう。

次回は、エミアブルについてご紹介します。